野球飯 VOL.21~

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高岡・富山ヤングでは毎年、野球肘検診を行っています。
ここ数年はコロナ感染の影響もあり、開催は延期されていましたが、今年は3年ぶりに開催されます。
今回は「野球肘」についておさらいをしましょう。
★「野球肘」とは・・・★
「野球肘」とは、投球スポーツによっておこる「肘の障害」です。
肘の「外側」「内側」「後側」におこります。
子どもの骨は未熟で発育途上のため、弱く傷つきやすく、障害が起こります。
好発年齢は身長が伸びる、10~12歳に発生しやすく、注意が必要です。
ヤング所属の中学生も、身長が伸びている発達途中の選手は注意が必要です。
また、身長が伸び止まっても、スピードボールや変化球を投げる場合は、肘に負担がかかるので注意が必要です。

★一番多い、「内側」の障害
肘の「内側上顆」という部分の障害です。
内側の靭帯が骨についているところが、繰り返し投球で引っ張られ、骨や軟骨に傷がつきます。
野球肘の中でもっとも発生頻度が高く、10人に1~3人程度におこります。
高校生以上では、内側の靭帯を損傷することが多く、重症な場合は手術が必要になることもあります。

★軟骨がはがれる「外側」の障害
肘の外側の「小頭」という部分の障害です。
離断性骨軟骨炎とも呼ばれます。
発生頻度は、100人に1~3人程度です。
早期には痛みなどの症状がなく、痛みが出て軟骨が剥がれるまでに1~2年以上かかることから、本人も気づかずに投げ続けることになります。
初期に発見し、治療すれば完全に治癒します。

★肘の「後方」が障害される野球肘★
肘の「肘頭」という部分の障害です。
小中学生には好発せず、高校生以上で生じることが多いです。
投球動作ではボールリリースからフォロースルーの時の後側・内側に痛みが出ます。
肘を伸ばす時にも痛みがあり、肘が伸ばしにくくなります。

★早期発見と予防には・・・・・★
このように、野球肘には3つのパターンがあります。
どれも、一度痛みが出ると野球をお休みしたり、手術が必要になります。
そのため、①定期的なメンテナンス:整形外科でのエコーやMRIでの検査
     ②毎日のストレッチ
が早期発見と予防につながります。

★早期発見の定期的な診察と検査★
半年に1回、シーズン終了時とシーズン中の受診がお勧めです。
我が家では、シーズンOFFの冬休み中と、シーズン中の夏休みの年2回の定期受診を心がけています。
★毎日のケアも必須★
毎日のケアも大切です。
野球では肘以外にも、股関節や肩など体の柔軟性が怪我や障害を防ぐ基本です。
毎日のストレッチは、長く楽しく野球を続けるために必要不可欠です。
★ストレッチ動画の紹介★
「公立南砺中央病院」のホームページに「スポーツを行う選手のためのストレッチ動画」を載せています。
*公立南砺中央病院→患者様へのご案内→ストレッチ動画*
https://www.youtube.com/embed/2VkppNbDw2U
お風呂上りや、毎日の寝る前にぜひ動画を見て実践してみてください。
★「関節疲労回復デザート」コラーゲンとビタミンCとカルシウムの摂取★

食事の面では、コラーゲンをビタミンCと一緒に摂取することで、腱や関節を作るコラーゲンの合成を促進し、関節の怪我の回復を早めます。
コラーゲンと言えば、鳥皮や鳥手羽先、牛筋肉などちょっと苦手な選手も多いと思います。
意外にも「ゼラチン」はコラーゲンでできています。
ゼラチンは動物の皮膚や骨、腱などの結合成分に熱を加えて抽出しコラーゲンを多く含んでいます。
選手にはゼリーやマシュマロ(←マシュマロもゼラチンで作られます)のほうが食べやすいと思います。
そこにフルーツでビタミンCを、ヨーグルトでカルシウムを補えば、「関節疲労回復デザート」になります★

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9月になっても暑い日が続きましたね。朝晩は肌寒い日もあり、気温差から体調を崩しやすくなるので、注意が必要になります。
選手にとっては、練習しやすい気持ちの良いシーズンです。今は残りの試合で成績を残すためにしっかりと頑張ってほしいです。
良いプレーをするには、栄養補給のキーとなるお弁当は大切です。保護者の方からもお弁当についての質問はかなり聞かれます。今回はお弁当について、考えてみましょう。
★お弁当の量★
毎回の野球飯でもお伝えしているように、中学生の野球選手は毎日3000㎉の摂取が必要になります。
3食で800㎉と午前と午後の補食2回で600㎉の計算がベースになります。
そう考えると、お弁当=800㎉、試合前後に600㎉の計算になります。

お弁当で800㎉を摂ろうとするとお弁当箱の容量は850㎖以上のものが必要になります。
ごはんのお茶碗1杯=150g=250kcalになります。850㎖前後のお弁当箱ならばだいたい1合ほどの容量なので600~650kcalのエネルギー摂取ができます。
食が進まない、もっとカロリーUPをとなると、選手が好きなチャーハンやオムライスなど具材を混ぜ込み、味を濃くすることで食欲は進みます。
また、そぼろや丼ぶり風のON THEライスをすることでごはんも進み、副菜分の栄養も摂取することができます。
★お弁当プラスの捕食★
このお弁当に追加で補食として300kcal×2回の補食を摂取します。補食は空腹になる前に摂取し、空腹の時間をなくすよに心がけることが大切です。空腹と感じた時点ではすでに、体内では糖分不足=エネルギー不足状態で、筋肉を分解しエネルギーを得ている状態になっています。せっかくの筋肉が分解されてしまってはどうしようもないですよね。

補食の内容はもうみなさんのなかに定着したとおもいます(笑)が、毎回の糖質+タンパク質+ビタミンです。
おにぎりの場合は、お米=糖質、具材の鮭=タンパク質、オレンジジュース=ビタミンになります。サンドイッチならば、パン=糖質、具材のハムやチーズ=タンパク質、レタスやキュウリ=ビタミンでしたね。
これで補食1回=300kcalなのでコンビニおにぎりならば2個、コンビニサンドイッチなら1パック摂取で達成になります。
★お弁当の比率★
お弁当の比率は、主食:主菜:副菜=2:1:1の割合になります。

比率は、普段の食事と同じように考えます。
主菜にはタンパク質のメインの食材を、副菜にはビタミンなど野菜を中心のメニューを入れていきます。
一日練習の日は消費カロリーが多くなるので、主菜にタンパク質のメインのおかず、副菜には野菜と糖質をいれたおかずにチェンジした「ダブル炭水化物」をお勧めします。これでおかずからも糖質でのエネルギー源を稼ぐと糖質切れにならずに済みます。
内容的には、焼きそばやお好み焼き、スパゲティーになります。麺や小麦粉の糖質に加え野菜を使うおかずを追加します。
どうしても野菜が苦手で、、、暑くて肉が進まない、、、疲労や暑さでお弁当が進まないことはよくありますよね。
そんな時は、第一に糖質切れにならないことを考え、選手が好む先にあげたON THEライスなどで摂取を進めます。ビタミンやタンパク質は朝と夕の食事で不足分をカバーすればOKなので、お弁当はあまり気を張らず、選手が摂取できそうな糖質は必須、タンパク質が2番、できれば野菜ぐらいに考えると作る方も楽になりますよね。
基本はおいしく、楽しく摂取することを忘れないで、糖質切れにならなければ、私はOKなぐらいで考えています。
★食べるのは選手、選手と相談も必要★
どんなに頑張って作っても、食べるのは選手です。お弁当の摂取状況から、いろいろなことがわかります。
残してきたものがあれば、選手に聞いてみることは大切です。純粋に食べる時間がなかった、量が多い、嫌いなもの、暑くて食べられない、プレーに失敗し食欲減退……残すにはいろいろな理由があります。
猪谷家の長男、チャーハンが中学からの定番野球弁当の内容でした。冬場のある時から残してくるようになり聞くと「飽きた」と「油が辛いことがある」と。寒くなると冷たいチャーハンになり油が固まったような油感を強く感じますよね。「敏感」と思いながらも納得でした。
ミートボールは「ミートする」にかけて入れるようにしてきました。ある時、残してきて理由を聞くと「前回ミートボールが無かったら打てた。だから今日は食べんかった」など珍回答もあります。
子供は子供なりにいろいろ考えたり感じたりしているんだなぁとお弁当からもわかる一面でした。
お弁当から意外な話を聞けることもあるので、みなさんも選手から聞いてみてください。

猪谷 栄 アスリート栄養学インストラクター・看護師
高校2年生と中学2年生の野球息子のママです。 まったく、興味のなかった野球でしたが、息子の応援から始まり「栄養や生活習慣で野球息子をサポートしたい!」という思いが高じて資格を取りました。 栄養や日々の生活での気になることを一緒に考えていきましょう。