野球飯 VOL.1~VOL.20

VOl.1

「運動をして汗をかいた時には、お茶よりもスポーツドリンクを飲んだほうがいい!」と言われています。お店にはたくさんの種類のスポーツドリンクがありますよね。皆さんは何を基準に選びますか?私も、コストパフォーマンスがよいもの・子供の好きな味・成分表をみて買う!はかなりのハイレベルです。

ここ数年、地球の温暖化で夏は猛暑が続き、秋になっても気温の高い日が続きます。熱中症予防、パフォーマンスの向上、効果的な水分と栄養吸収を考えてみましょう。

★まずは、体の組成★
体内の水分量は60%が水分です。「喉が渇いたな」と思ったら、すでに20%の水分が失われていると言われます。汗は99%が水分ですが、ナトリウム、カルシム、マグネシウム、電解質も含まれます。そのため、体液に近い組成のドリンクを補給することがよいのです。

★うまく補給できないと、熱中症や足がつることにつながる★

汗をかくと、水やお茶では水分は補給できても、ミネラルは補給できません。そのため、脱水症状が続き、熱中症を引き起こします。熱中症の症状は失われた水分量で、症状や重症度も違ってきます。

水分喪失率 症状
1% 大量の発汗・のどの渇き
2% 強いのどの渇き・ぼんやりする・めまい・吐き気・尿量減少
3% 汗が出なくなる  ☚deadライン
4% 全身脱力・動きの鈍り・感情の不安定・イライラ・吐き気・眠気
6% 手指の震え・ふらつき・頭痛・体温上昇・
8% 幻覚・呼吸困難・めまい・言語不明瞭・精神錯乱
11~12% 筋痙攣・失神・腎機能不全・平衡感覚異常
15~17% 飲み込み困難・目の前が暗くなる・聴力低下
18% 尿の生成中止
20% 生命器機・死亡

水分喪失3%:汗が出なくなる  ここがdeadラインです。

★効果的に吸収される組成★

「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」には、以下が奨励されています。
①5~15度にひやした水で
②飲みやすい組成で
③胃にたまりにくい組成で

★アイソトニック・ハイポトニックと経口補水液★

スポーツドリンクには,アイソトニックとハイポトニックの2種類あります。それに加えて、脱水補正の経口補水液があります。

★アイソトニック★

アイソトニック=低張液
安静時の体液と同じ濃度や浸透圧で作られています。
体液に近い浸透圧のため、バランスよく吸収されます。
しかし、発汗によって体液が薄くなると吸収速度がおちるため、運動前や後に飲むことが効果的です。
塩分:0.1~0.2%
糖質:4~6%
商品名:アクエリアス・ポカリスエット・ダカラ

足がつる選手は、アイソトニックでミネラル・アミノ酸・ビタミン入りのものを選択するとよいでしょう。

★ハイポトニック★

ハイポトニック=低張液
安静時の体液よりも低い浸透圧の飲料をさします。
塩分:0.1%
糖質:2%
どちらかといえば、経口補水液に近い濃度の飲料です。
発汗で体液が薄くなっているときは、腸管で早く吸収されるため、運動中や運動直後の水分補給に向いています。
糖分が少ないので、エネルギーが必要なときはアイソトニックと併用がお勧めです。
商品名:ヴァームウォーター・アミノバイタル

★経口補水液★

経口補水液とは、塩分が0.3%程度と高めで糖質が2%と低めのものです。
多量の発汗でのどの渇きを感じ、水分喪失が1%となる脱水状態になったときに有効です。
塩分:0.3%
糖質:2%前後
商品名:OS1・アクアソリタ

今回は、スポーツドリンクの組成と効果的な飲用をお伝えしました。まだまだ、暑い日が続きます。効果的にスポーツドリンクを活用し、最大減のパフォーマンスにつなげましょう。
 
野球レシピ:待たせない&お手軽で栄養補給焼きそば
練習や試合から帰ると、疲れてなにもしたくなくなりますね。疲れたからこそ、失われたエネルギーや筋肉、疲労の回復にこそ、おいしいごはん!焼きそばは、フライパン一つできるラクチンメニューです。いつもの焼きそばに+αで、一気に練習後のスペシャルメニューになります。

いつもの焼きそばに….
糖質:失われたエネルギー補給に必須
  POINT:ジャガイモを入れるとボリュームUPで糖質も補給
      ソバ飯としてご飯を入れても、無理なく糖質増量摂取ができます
タンパク質:破壊&疲労した筋肉補修
  POINT:目玉焼きやソーセージを+αで簡単に増量できます。 
      チビッ子が大好きなチーズをかけてもタンパク補給になります。
ビタミン:疲労回復とタンパク質吸収に必須
  POINT:豚肉に含まれるvitBは疲労回復に有名ですよね。
      冷蔵庫にある野菜をなんでも入れて野菜も摂取
ホットプレートで、家族で今日の振り返りを楽しく食事中にするのも会話が増え、食欲増進と心の安らぎも得られますね。

VOl.2

~ヤング先輩たちの生活から、中学の今からできることは…~


先日、高岡・富山ヤング第7回OB会が開催されました。
そこで、OBのみなさんに毎日の生活や捕食、体のメンテナンスについてアンケート調査を行いました。
★高校生はかなり、いそがしい…★

一日のタイムスケジュールからもわかるように、高校生の野球生活はかなりハードです。
中学とは違い、まず、通学に時間がかかります。
そして、授業の後の練習時間も19~20時、強豪校になると部活動のあとに自主練習を行い、21時ごろまでの練習を行っていることがわかりました。
練習時間も毎日3~4時間と、中学の部活動の2倍になります。

★睡眠は….★
睡眠時間も、アンケート結果からは、平均6時間20分
起床時間は、5時半~6時
就寝時間は、23時~0時
中学ではブラック部活動が話題となり、週2回部活動がお休みの日があります。高校は365日お休みがほとんどありません。
自宅での時間が少なく、朝早くに起きて通学し、練習、帰宅後も食事や入浴を済ませ就寝と、毎日がハードになります。宿題も通学の電車でやったりと中学の生活とは大きく変化します。

★食事も自分で考えて…★
中学ではお昼は給食で、バランスが取れた食事が提供されます。
高校生になると、お弁当や学食で自分で考えて食事内容を選ばなくてはいけません。
また、間食も自由なので、自分でエネルギー補給も考える必要があります。
アンケートからも、全員が何らかの捕食をお弁当の時間以外にも摂取していました。
捕食の平均摂取回数は、3回/日
捕食の内容は、ほぼ全員がおにぎりでした。
なかには、おにぎりに焼きそばや肉、プロテインと、栄養面も考えた内容もありました。

★限られた時間の中での疲労回復ができないと、ついていけない★
実際の高校生球児の生活は、多忙で時間がなく、かなりハードだということがわかりました。

睡眠や食事など体のベースがきちんと調整されないと、疲労回復はできません。
疲労が蓄積されたままでは、毎日の練習にもついていけない・集中力の低下・パフォーマンスの低下、さらには怪我のリスクも高くなります。
限られた時間で疲労の回復や体の修復はどうすればいいのでしょ?
今回は、すぐにチャレンジできる「睡眠」に着目します。

★手っ取り早い、急速疲労回復 「ハイパフォーマンス睡眠」★
「ハイパフォーマンス睡眠」=「無駄のない効率の良い睡眠」を実現するには、「寝る前の行動」がポイントになります。
それは、「心身ともにリラックスした状態」で眠りに入ることです。
「心身ともにリラックスした状態」ってどういうこと??ですよね。

★副交感神経>交感神経★

リラックスしている状態とは、副交感神経が優位になっている状態です。
副交感神経が優位になると、筋肉や神経を落ち着かせ、血管が拡張している状態になります。肺など呼吸に関わる臓器を筋肉が締め付けることがなくなるので呼吸は大きく・深くなります。
これが、体から力が抜けて緩んでいる状態のことです。
では、睡眠中にこの副交感神経優位にするときには、どんなことができるでしょう。

★簡単4つで、急速疲労回復★
①日ごろから姿勢をよくする
②深呼吸を意識する
③軽いストレッチを行う
④湯船に入る(寝る前60~90分前)

姿勢・深呼吸・ストレッチは、結局は呼吸を整えることにつながります。
人間は酸素なしでは生きていけません。呼吸によって酸素を取り込み、ヘモグロビンによって血流を通じて細胞に酸素を運び、生体のエネルギー物質ATPを生産します。
要は、酸素を十分に運べないとエネルギーが作られず、体の疲労は回復しません。

★急速疲労回復は、睡眠ホルモンを作る「トリプトファン」の朝食★
睡眠モードを促すホルモンは「メラトニン」です。メラトニンの分泌促進には「トリプトファン」の摂取が必須です。
「トリプトファン」の摂取には3つのポイントがあります。
①朝食に摂取することで夜のメラトニン生成を促す
②ビタミンB6を一緒に摂取する
③よく噛むことでセロトニンを増やすことができる

★急速疲労回復+ハイパフォーマンス睡眠の朝ごはん★

★お好み焼きトースト+ヨーグルトでトリプトファン含有量★
卵:108㎎/個
豚肉:230㎎/100g・ビタミンBも摂取可能
ヨーグルト:47㎎/100ℊorプロセスチーズ:104㎎/36ℊ/1個
ちなみに…我が家では…
うちの次男君、お好み焼きトースト変則バージョンで、食パンをうどんにチェンジし、朝ごはんに「焼うどん」も大好きメニューです。

VOl.3

~野球肘って??~


高岡・富山ヤングでは毎年、野球肘検診を行っています。
今年も、例年同様に開催されます。
そもそも、「野球肘」ってどういう症状なのでしょう???
★「野球肘」とは・・・★
「野球肘」とは、投球スポーツによっておこる「肘の障害」です。
肘の「外側」「内側」「後側」におこります。
子どもの骨は未熟で発育途上のため、弱く傷つきやすく、障害が起こります。
好発年齢は身長が伸びる、10~12歳に発生しやすく、注意が必要です。
ヤング所属の中学生も、身長が伸びている発達途中の選手は注意が必要です。
また、身長が伸び止まっても、スピードボールや変化球を投げる場合も、肘に負担がかかるので注意が必要です。

★一番多い、「内側」の障害★
肘の「内側上顆」という部分の障害です。
内側の靭帯が骨についているところが、繰り返し投球で引っ張られ、骨や軟骨に傷がつきます。
野球肘の中でもっとも発生頻度が高く、10人に1~3人程度におこります。
高校生以上では、内側の靭帯を損傷することが多く、重症な場合は手術が必要になることもあります。

★軟骨がはがれる「外側」の障害★
肘の外側の「小頭」という部分の障害です。
離断性骨軟骨炎とも呼ばれます。 発生頻度は、100人に1~3人程度です。
早期には痛みなどの症状がなく、痛みが出て軟骨が剥がれるまでに1~2年以上かかることから、本人も気づかずに投げ続けることになります。
初期に発見し、治療すれば完全に治癒します。

★肘の「後方」が障害される野球肘★
肘の「肘頭」という部分の障害です。 小中学生には好発せず、高校生以上で生じることが多いです。 投球動作ではボールリリースからフォロースルーの時の後側・内側に痛みがでます。 肘を伸ばす時にも痛みがあり、肘がのばしにくくなります。

★早期発見と予防には・・・・・★
このように、野球肘には3つのパターンがあります。 どれも、一度痛みが出ると野球をお休みしたり、手術が必要になります。 そのため、①定期的なメンテナンス:整形外科でのエコーやMRIでの検査                                                  ②毎日のストレッチ
が早期発見と予防につながります。

★早期発見の定期的な診察と検査★
半年に1回、シーズン終了時とシーズン中の受診がお勧めです。
我が家では、シーズンOFFの冬休み中と、シーズン中の夏休みの年2回の定期受診を心がけています。
★毎日のケアも必須★
毎日のケアも大切です。 野球では肘以外にも、股関節や肩など体の柔軟性が怪我や障害を防ぐ基本です。 毎日のストレッチは、長く楽しく野球を続けるために必要不可欠です。
★ストレッチ動画の紹介★
「公立南砺中央病院」のホームページに「スポーツを行う選手のためのストレッチ動画」を載せています。 *公立南砺中央病院→患者様へのご案内→ストレッチ動画*

お風呂上りや、毎日の寝る前にぜひ動画を見て実践してみてください。
「関節疲労回復デザート」コラーゲンとビタミンCとカルシウムの摂取★

食事の面では、コラーゲンをビタミンCと一緒に摂取することで、腱や関節を作るコラーゲンの合成を促進し、関節の怪我の回復を早めます。 コラーゲンと言えば、鳥皮や鳥手羽先、牛筋肉などちょっと苦手な選手も多いと思います。 意外にも「ゼラチン」はコラーゲンでできています。 ゼラチンは動物の皮膚や骨、腱などの結合成分に熱を加えて抽出しコラーゲンを多く含んでいます。 選手にはゼリーやマシュマロ(←マシュマロもゼラチンで作られます)のほうが食べやすいと思います。 そこにフルーツでビタミンCを、ヨーグルトでカルシウムを補えば、「関節疲労回復デザート」になります★

VOl.4

~オフシーズンだからこその体作り~

「オフシーズンは、来シーズンに向けて体を作る」よく言われるフレーズです。
怪我をせずに、最高のパフォーマンスを行うために、オフシーズンには何をしたらいいのでしょう?
今回は、理学療法士さんにもアドバイスをもらってオフシーズンてできる、怪我をしにくい・最高のパフォーマンスを発揮できるような、ストレッチの大切さを中心に体作りについて考えます。
★スポーツ傷害・スポーツ障害・スポーツ外傷★

スポーツによっておこる怪我のことを「スポーツ障害」と言います。
スポーツ障害をさらに分類すると、「スポーツ障害」「スポーツ外傷」があります。
★「スポーツ障害」★
繰り返しの微少外力で生じる怪我を「スポーツ障害」と言います。投球障害肩・投球障害肘・分離症・シンスプリント・TFCC損傷が「スポーツ障害」に入ります。皆さんが心配し、前回もお伝えした、「野球肘」も明らかな外傷の既往がなくても、繰り返しの投球動作で起こるたことから「スポーツ障害」に入ります。
★「スポーツ外傷」★
一度の大きな外力によっておこる怪我を「スポーツ外傷」と言います。デッドボールやイレギュラーでの骨折・打撲や、スライディングでの捻挫・脱臼など、1回の力でおこる怪我のことをさします。
★野球の動作で考えると・・・★

野球の各動作での障害と外傷の発生リスクです。
ピッチング:繰り返しの投球動作で軟骨や腱が損傷するので障害が多いですが、ピッチャー返しなどで外傷のリスクもあります。
バッティング:素振りの繰り返し動作や過度の負荷を変えての繰り返しの素振りでは障害がおきます。また、打者でのデッドボールでの外傷もあります。
スライディング・守備:スライディングや捕球の際に捻挫や骨折、脱臼のリスクのほうが大きくなります。
ランニング:ランニングも過度になると膝や股関節に負荷がかかり、障害が起こることもあります。
★スポーツ傷害の外的要因と内的要因★
ここまでは「障害」「外傷」で考えてみました。もう一つの見方が、「外的要因」「内的要因」です。
★スポーツ傷害の外的要因★
「外的要因」には、投げすぎやバットの振りすぎ、走り込みすぎなどの「運動過多」、どこか一定の場所に力がかかりすぎる「不良なフォーム」があります。
★スポーツ傷害の内的要因★
「内定要因」には、柔軟性の低下、筋肉の未発達、筋力低下があります。
★「内的要因」はストレッチで回避できる★
ここまで「スポーツ傷害」と「要因」についてが理解できましたね。怪我を回避するためには、体の柔軟性を高めることが一番になります。
★投球動作を1つとっても・・・★




このように、投球動作では股関節・腸腰関節・肩関節・肘関節などたくさんの関節や大腿部・腰回り・肩まわり・肘回りの筋肉の柔軟性が必要になります。
下半身・体幹・上半身の柔軟性や筋力が十分にあれば、各動作がスムーズに連動し、ベストのパフォーマンスを発揮できます。でも、下半身や上半身の柔軟性や筋力が低下するとその分パフォーマンスが下がり、下がった分を上半身の腕や肩で代償「代償動作」しようとします。そのため、肩や肘に負荷がかかり、繰り返し行われることで「障害」が起こります。それが、野球肘野球肩の原因です。
★やっぱり結論、柔軟性と筋力UP★
これまでのことをふまえると、最高のパフォーマンスを行うには、やっぱり、体の柔軟性と筋力UPが必須条件になります。
前回のストレッチ動画では、この各関節・筋肉のストレッチをまんべんなく網羅されたものです。そして、今回はさらにストレッチの効果を上げるために、「ストレッチ4つの原則」を紹介します。
★ストレッチ4つ原則★
①時間・回数・頻度:20~60秒×3~5セット  継続した実施
毎日、1セットでもいいのでお風呂上りや寝る前に実施しましょう。毎日やるからこその柔軟性が向上します。また、2回前の「急速疲労回復」の時にもお伝えした、リラックス状態を作ることになるので、睡眠パフォーマンスも向上します。
②タイミングと順序 運動前と運動後
運動前のストレッチは体や筋肉の温度を上げ筋肉を緩ませます。また、運動後のストレッチは、痛みや異常筋緊張を緩ませ、疲労回復につながります。
③呼吸と痛み 深呼吸で心地よい痛み程度に
呼吸を止めずに伸ばす時に吐きましょう。大きく呼吸することで酸素を取り込み筋肉に酸素を運ぶことができます。また、心地よい痛み以上の動作を行うとかえって筋損傷につながるのでやりすぎには注意が必要です。
④意識 正しい姿勢・固定 伸長感を意識する
同じ動作を行っていても、「伸びている」「効いている」という意識がないと効果が薄れます。また、自分流では正しい効果はなかなか得られません。しっかりと場所を意識して、正しい方法で実施することが大切です。

★運動後は20分以内が勝負!!★
そして、負荷をかけた筋肉の修復にはエネルギー補給を20分以内に行うと効果的に吸収され、エネルギー不足を筋肉破壊から補うことを防ぐことができます。
これは、いつもの、食事トレーニングでお伝えしているおおなじみの内容と同じです。
運動後、20分以内に炭水化物・タンパク質・各栄養素の吸収を促進するビタミンCの摂取を行います。
摂取食品の組み合わせは・・・
おにぎりならば、具材はタンパク質の鮭やツナマヨがお勧めです。
サンドイッチも、ハムやチーズ、卵でタンパク質を補いレタスなどでビタミンの補給が可能です。加えて、オレンジジュースなどビタミンの多い飲み物と組み合わせるとい無理なく食べることができますね。
練習はつらいですが、終わった後においしい捕食があれば、頑張る気力もでますね(笑)楽しく食べることで、幸せホルモンも分泌され、筋肉も大きくなります。
コロナ感染もあり、自宅での時間が増えると思います。また、筋トレとストレッチ、食トレを冬季に実践し、来シーズンは全力で野球できることを願って・・・

今年度から取り組み始めた、今回で4回目の野球飯。「ストレッチ見たよ」「また、いろいろ教えてください」「次も楽しみにしています」などうれしい声をありがとうございます。
少しでも野球少年とそれを支える家族の皆さんのお力になりと思っています。また、「こんなテーマが知りたい!」「食事についてどうしたらいいのかしら?」など質問・ご意見をお待ちしています。

VOl.5

~どうしてタンパク質なの??~

今回は、本当に栄養のお話です(笑)
「筋肉を作るために、タンパク質を取ろう!」「運動後にタンパク質を取ろう!!」
指導者さんや、栄養に関するスタッフからよく聞かれるフレーズです。
みなさんは、漠然と「運動で筋肉が壊れるから、タンパク質を食べて補おう」「もっと筋肉をつけたいから、タンパク質を食べる必要があるからタンパク質は必要だ」と思い、一生懸命摂取していると思います。
では、口から食べたタンパク質は本当に筋肉になっていくのでしょうか???
今回は、タンパク質がなぜ必要か、本当に筋肉になるのかを検証しようと思います。
★体を構成する成分★
人の体を構成する成分は大きく分けると、糖質・脂質・タンパク質・水分から構成されます。
その中で、タンパク質は20%ほどを占め筋肉や皮膚、髪の毛や爪、骨や内臓だけではなく、血液やホルモンもタンパク質からできています。★タンパク質を構成するのは、2種類のアミノ酸★
タンパク質は全部でたった20種類のアミノ酸が連なってできています。
そして、アミノ酸の中でも、体内で作ることのできないアミノ酸=必須アミノ酸と、体内で作ることのできるアミノ酸=非必須アミノ酸の2種類に分けることができます。

みなさんが口から食べた肉や魚などのタンパク質は、そのまま体内に吸収されることはなく、消化酵素の働きで3~4時間かけてペプチドを経てアミノ酸に分解されます。そのあとは小腸で吸収されます。
アミノ酸になると、これ以上は分解できないほどの成分なので30分ほどで吸収されてしまいます。
★アミノ酸は毎日入れ替わっている★
そして、体は毎日、古い組織を新しいものに作り替えています。
髪の毛や皮膚、爪などは毎日少しずつ伸びたり、古い皮膚が垢となって新しい皮膚に入れ替わっていますよね。
だから、普通に生活していても、タンパク質はしっかりと取る必要性があります。

普通に過ごすだけでも消費されるタンパク質。「筋肉をつけたい」「運動後の筋肉回復」には、ふつう+αのタンパク質摂取が必要になります。
タンパク質の1日摂取量は「体重とほぼ同じ量」と言われています。
運動を行うスポーツ選手は、体重の1.2~2.0倍のタンパク質量が必要になります。
例えば、60㎏の選手ならば、72~120gのタンパク質の摂取が毎日必要になります。
★・・・ってことは・・・★
ここまで、体を作っている組織でタンパク質の摂取が必要→スポーツ選手は体重の2倍のタンパク質摂取を奨励→タンパク質よりもアミノ酸摂取の体内吸収が早いのか・・・??
となりますよね。

そうなんです(笑)要は、アミノ酸を摂取するタンパク質よりも分子量が少ないので早く吸収されます。その中でも最近、注目されているのが、BCAAです。
★分岐鎖アミノ酸(BCAA)★
分岐鎖アミノ酸(BCAA)呼ばれるバリン、ロイシン、イソロイシンがスポーツ時に重要な栄養素として知られているよ。食べ物では、まぐろ、かつお、鶏肉、牛肉、卵、牛乳などに多く含まれています。
BCAAは筋肉に含まれる必須アミノ酸の約4割。エネルギー源としても利用されるし、筋肉に含筋肉に含まれるタンパク質を作ることを促します。スポーツ活動後の筋肉のダメージを抑え、筋疲労や筋肉痛を軽減してくれる作用もあります。

このデータは、BCAAを摂取している人と摂取していない人の運動時間と筋肉分解量を比較したものです。
運動時間が30分を超えてくるとBCAAを摂取している方が、筋肉の分解量が少なくてすみます=運動を行っても筋肉からタンパク質を壊してエネルギーを作っていない=筋肉量は減りが少ない!!!という結果を示しています。
★普段はタンパク質を、運動日はアミノ酸を補給★
選手のみなさんは、成長期で体を作る大切な時期です。
そのため、5大栄養素(糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・無機質)をバランスよく摂取する必要があります。
毎日の食事からは、肉や魚、大豆製品や牛乳などからタンパク質摂取をすることで、タンパク質は十分に摂取することができます。
必須アミノ酸は体内にとどめておくことができないため、運動など筋肉の疲労や破壊時に効果的に摂取することで筋肉からのエネルギー転換を抑えることができます。そのため、毎日の意識したタンパク質摂取は不可欠です。
「普段は、タンパク質をしっかりと取る・運動日はゼリー飲料などでアミノ酸でサポート」とという摂取が成長期の選手にはお勧めします。

★タンパク質を多く含む食品★
ここからは、いつもの野球飯でお伝えしている、おなじみの食事からのタンパク質の取り方です。
タンパク質は、肉・魚・大豆製品・乳製品に多く含まれます。

毎食40gのタンパク質×3食=120gのタンパク質を摂取することができます。

主菜や味噌汁などでタンパク質を取りこみ、不足分は納豆や魚肉ソーセージ、卵やツナ缶などお手軽でそのままでも摂取できるもの追加して摂取量を増やすことができます。
いつもの炒め物やサラダに手軽に追加もでき、選手にも食べやすい食品だと思います。
毎日の食事だから、手軽に簡単に追加しおいしく摂取できると幸せホルモンで体も大きくなります。
前回のストレッチや睡眠などと合わせて、チャレンジしてみてください。

VOl.6

 ~腰椎分離症~


富山は雪が積もり、冬季間は外での練習ができないために室内の練習が多くなります。
そして、オフシーズンだからこそ来シーズンに向けて体を作ろうと筋力トレーニングを取り入れるチームがほとんどだと思います。
成長期である中学生の骨や関節はまだまだ不完全です。
筋力トレーニングやオーバーワークが重なると、骨や関節、筋肉の損傷につながります。また、それが積み重なると疲労骨折や偽関節など今後の野球生活にも支障をきたすことになります。
みなさんの親世代は、現代っ子と違い毎日外で遊び体を動かしていることが多かったと思います。
しかし、今の中学生世代は親世代と違い、外で体を動かす機会が小さいときから少ない世代です。
中学に入って、急に部活動でハードな運動や筋力トレーニングを行うと、未発達の骨や関節、筋肉がオーバーワークに耐えられずに疲労骨折や炎症をおこし痛みを引き起こすことになります。
腰痛を2週間以上の感じたときはアスリートの50%に腰椎分離症が含まれる」と言われます。
当院の整形外科にも、中学や高校生の背骨の疲労骨折がここ数年増えつつあります。
今回は、「腰椎分離症」についてお話をします。
~腰椎分離症って??~
腰椎分離症とはいわゆる、背骨の骨折のことです。
部活動などのスポーツを長時間行うことで、背骨に負荷がかかり骨折することです。
具体的には、腰部の神経の後ろにある背骨にヒビが入ります
「疲労骨折」の場合は骨に少しヒビが入っている状態でまだ、完全には離れていません
ずっとヒビが入っている状態が続き、ある日そのヒビから骨が割れてしまうことを「腰椎分離症」とよびます。
子供の場合は、腰痛だけでしびれなどの神経症状は起きしにくいです。
部活動をやっている子供が、2週間以上続く腰痛を訴えたときには、注意が必要です。さらに、足の痛みやしびれなどを伴うときは早急に受診が必要になります。
~どんな検査をするの?~
まずは、整形外科を受診し、レントゲンを撮ることがほとんどです。さらに医師の判断でMRIなどで詳しく調べることもあります。
MRI検査では、分離しているかどうかに加えて内出血や骨の浮腫もとらえることができるので、早期発見・治療を行うことができます。
~治療方法って??~
腰椎分離症の病期ステージは3種類あります。
初期:最初のヒビ割れが始まる時期
進行期:完全に分かれてしまう時期
末期:二度とくっつかずに完全に分離してしまう時期

治療には、初期・進行期はひび割れや割れの進行に合わせて、コルセットを付けることになります。もちろん、運動は病状に合わせて制限されます。
その期間も、ひび割れの程度により、3か月~6か月以上とかなりの時間が必要になります。
そのあとは、まずはストレッチから始め、背骨の周りの筋肉を鍛え背骨をサポートできるように腹背筋訓練から開始します。
何にしろ、腰椎分離症になると、1シーズンはなにもできないことになる覚悟が必要になり、つらい思いをすることになります。
~どうすれば、防げるの???~
まずは、体の柔軟性をつけ、体幹筋力を鍛え、背骨にかかる負荷に耐えられる体を作ることが大切になります。
野球飯でも、頻回にお伝えするストレッチの大切さは怪我予防にも本当に大切になります。
そして、背骨をサポートする腹背筋など体幹筋力の鍛えることが予防にもつながります。
腰痛が2週間以上続く場合や神経症状がある場合は、早めにMRIのある整形外科の受診をおすすめします。
~食事面も大切です!~
毎日の練習に耐えられる体作りには、食事の面でも大切になります。
ここ何回かの野球飯でもお伝えしているたんぱく質の摂取は筋肉の増強と筋疲労の修復には不可欠です。また、前回お伝えしたBCAAを運動直後に取ることで筋肉の修復と筋肉量の減少を防ぐことができます。
今回は、これに加えて、骨を作るカルシウムの摂取についてお話いします。

「骨」といえば「カルシウム」と思いますよね。
でもカルシウムだけを摂取しても骨は作られません。骨を作るには「ゴールデントライアングル」があります。このトライアングルを完成させるには「カルシウム」に加えて「腸でカルシウムの吸収を促進するビタミンD」「骨を強化するビタミンK2」が必要になります。
カルシウム・ビタミンD・ビタミンK2を多く含む食品です。たんぱく質と被る食品も多くありますよね。

この中から組み合わせたクイック料理を一つ提案しますね。
カルシウムからわかめやシラス、ビタミンDからは鮭、ビタミンK2は納豆をチョイスし組み合わせて、納豆&鮭チャーハンとわかめスープです。

納豆は別に食べて、鮭チャーハンやシラスチャーハンにしてもバリエーションが広がります。
この組み合わせてお好み焼きに、サクラエビ・シラス・納豆を入れ、チーズをトッピングに使ってもイケますね。
色々な組み合わせを子供と考えて試してみると、栄養面での知識も広がり楽しくごはんが進むと思います。
チャーハンやお好み焼きは調理過程も簡単で、一緒に楽しく作るとより食欲の増進にもつながります。
食事をしっかりと食べて、ストレッチと体幹筋力を鍛えて、長く楽しく野球ができる体を作りましょう。

 

VOl.7

グラウンドの雪も解けて、心待ちにしていた外での練習が開始になりましたね。昨年はコロナウイルス感染で練習や試合も思うようにできませんでした。その分、自主 トレーニングや筋力トレーニングに励んできた成果を今年こそ、BESTな状態で発揮しましょう。
先日、野球少年ママから「練習や試合の時に、どのタイミングで何を食べると効果的にパワーを発揮できるのですか?」という質問をいただきました。
今回は、練習や試合前後の栄養摂取について考えてみましょう。

前年度の食事トレーニング講習でもお伝えしたことをおさらいしてみましょう。


試合や練習の日の朝、朝ごはんはみなさん、何をたべますか?
前回の食トレで選手のみなさんは「ごはん」という意見が一番多かったですね。気合いを入れて「からあげ」、ミートするように「ミートボール」といった選手もいました。

★「空腹」は最大の敵・朝は何かを食べる!!★
「朝はなかなか食べられない」「時間がない」など、朝が苦手な選手には朝ごはんの時間の確保も大変かもしれません。
大切なのは、空腹で練習や試合の朝を迎えないということです。空腹時は、体を動かすエネルギーは筋肉を分解して生産されます。せっかくの筋肉を分解してエネルギーに変えていては本末転倒になってしまいます。
★糖質・タンパク質・ビタミンを意識★
朝はまずは、なにはともあれ「必ず何かを食べる!」ということにつきます。そこに少しレベルを上げて「糖質」「タンパク質」「ビタミン」のバランスを追加します。
これは、いつもお話している「練習後の捕食」と同じ栄養素です。
・おにぎりで糖質、野菜や豆腐を入れた味噌汁でタンパク質とビタミン
・ハムやチーズ、野菜を入れたサンドイッチで糖質とタンパク質、ビタミンとオレンジジュースでビタミン                            など、朝ごはんでも簡単に練習や試合前の栄養食の摂取ができます。
★練習や試合の3~4時間前までに、しっかりと★
そして、気合いを入れて満腹まで食べる必要はありません。練習や試合の3~4時間前までは消化吸収の時間があるので、満腹に摂取しても問題はありません。それ以降になると、練習や試合の時に消化吸収に血流がとられるため、効率のよいパフォーマンスが得られなくなります。

練習や試合の1~2時間前まではバナナやカステラなど消化のよい糖質を摂取します。
それ以降はゼリー飲料やスポーツドリンク、など水分中心の補給になります。

★落とし穴に注意!!★
そして注意が必要なのは「インスリンショック」です。
人間の体は、食べ物を摂取すると糖分が急激に血液に吸収され血糖値が上昇します。膵臓からインスリンという血糖を下げるホルモンが分泌され血糖値を下げよとします。
練習や試合の直前に糖分を多量に摂取すると、このインスリンが作用し血糖を下げようとする働きと、運動での血糖を消費する二つの糖分を下げる働きが重なってしまいます。そうなると、逆に低血糖症状になり、倦怠感や持久力の低下が起こってきます。
もし、症状が出た場合は吸収の早いゼリー飲料やジュースなどで糖分の補給が必要になります。
そして練習や試合の間も空腹にならないように気をつけることが大切です。空腹感を感じた時点ですでに筋肉からエネルギー補給が始まっていると考えらます。

★お弁当も大切★
お昼ごはんのお弁当も大切な栄養補給になります。
1日練習や、1日に何試合もある日はエネルギー消費が大きくなり、失った分のエネルギー補給がお弁当で必要になります。
内容は、主食+主菜2:副菜1(ビタミン系:野菜):副菜1(ミネラル・タンパク質系)で考えます。エネルギー不足にならないように、おかずに焼きそばやお好み焼き、スパゲッティなどの炭水化物で糖質を補う「W炭水化物弁当」をお勧めします。
練習や試合中は汗を多量にかきます。そうなると、体から塩分や水分と一緒にミネラル成分も失われてしまいます。
味付けは気持ち濃いめにし塩分を補給、ヒジキやわかめなどでミネラルも補給できるといいですね。
また、野球飯1でも紹介したようにスポーツ飲料も「アイソトニック飲料」と「ハイポトニック飲料」をうまく使い分けて飲用するとより効果的に吸収されます。
野球飯2.3では睡眠や生活リズム、ストレッチの大切さをお話ししています。生活リズムを日ごろから整えておくことが、最高のパフォーマンスの発揮につながると思います。
無理をせずに、楽しくおいしく、効果的に栄養摂取を行い、最高のパフォーマンスを発揮できるよう、日々の生活から心がけていきましょう。

VOl.8

新入部員を迎え、OP戦も組まれ、今シーズンも始まりましたね。
先日、OP戦でスコアラーに入り、精一杯プレイする姿や真剣なまなざし、元気な仲間への声かけをまじかに見ることができ、シーズンが始まったことを実感しました。
最近は「野球飯見てます」「毎回、楽しみにしています」などうれしい言葉に加え、栄養に関する質問も増え、栄養に関心を持ってくださるママが増えてきたことも本当にうれしく思っています。
そんな質問の中から、「とり肉がタンパク質を含んでいいと聞きますが、どの部位を食べても同じなのですか?」「むね肉がいいと聞きますが、むね肉ともも肉は何が違うのですか?」「むね肉は食べにくく、もも肉を食べているがダメのか?」など、とり肉関連の質問がありました。
今回は、「とり肉」について考えてみましょう。

★とり肉のまえに、鳥を知る★

とり肉といえば、ニワトリを思いますよね
その前に、渡り鳥のお話をします。ここ数年、スポーツ界でも渡り鳥の持久力が注目され、研究されています。
渡り鳥は、何千キロという距離を飛び続け、遠くロシアやアラスカから日本にもやってきます。キジの仲間のオオソリハシシギは、驚くことに、アラスカからニュージーランドまでの11000㎞を全く休むことなく9日間も飛び続けるそうです。
なぜこれほどの距離を休まずに飛び続けることができるでしょうか?
近年、この「渡り鳥」の研究が進み、その秘密にはとり肉が関係していることが解明されました。
★活性酸素を除する「イミダゾールペプチド」★
渡り鳥は、酸素を使いながら飛び続けます。この時に、体内に発生する「活性酸素」が細胞を傷つけ、これが疲労の原因になります。しかし、この活性酸素を除去する「イミダゾールペプチド」が鳥の体内の特に「むね肉」に多く含まれていることが解りました。
疲労の原因といわれる活性酸素は、細胞を錆びさせ、疲労だけでなく老化や病気の原因になるとも言われています。ママ達にとっても、聞きたくないワードですよね(笑)
またイミダゾールペプチドは記憶力の改善もに関連しているとわかっています。認知症の予防にも効果があるのではないかと研究が進んでいます。選手にとっては勉強も大切な仕事。記憶力の改善にも効果があれば一石二鳥ですよね。
研究によると、人が疲労回復のために必要なイミダゾールペプチドは200㎎/日、鳥のむね肉100g には約1200㎎のイミダゾールペプチドが含まれています。1日、100ℊも食べれば疲労回復効果を得られることになります。
スーパーでとりのむね肉は100㎎/60円前後、安いときは40円前後でかなり家計にも優しい食材だと思います。積極的に取り入れて選手の疲労回復とママのアンチエイジングを実践しましょう。
★では、部位別に栄養は何が違うの★

まずは、とり肉の部位を知りましょう。むね肉もも肉はみなさん、よく知っていると思います。焼き鳥好きな人はせせりや肝、手羽先、ぼんじりなどもよく聞きますよね。
では、パーツ別に栄養素を見てみましょう。
★とり肉はささみ??★
とり肉100ℊあたりのタンパク質ランキングです。

100ℊあたりでのタンパク質量の差は、むね肉:23ℊ>もも肉:19ℊと5g前後の差です。カロリーで比較するとむね肉:116㎉<もも肉:127㎉とエネルギー摂取が必要な年齢の選手には魅力です。
★目的別に考えると・・・★
①筋肥大を促す、筋肥大バルクアップ筋トレ向き:高タンパク質で適度なカロリーがある
*バルクアップ:単に体重を増やすだけでなく、体脂肪を増やさずに筋肉を発達させて体を大きくしていくこと。
②減量・ダイエット筋トレ向き:高タンパク質で低カロリー
筋トレに向かない部位:高カロリー
の3つのパターンがあります。
★筋肥大バルクアップ筋トレ向き部位★
せせり:首の部分の肉でほどよいカロリーを含んでいます。
もも肉:やや筋肉合成カロリーは低めですが、高タンパク質でごはんなどの主食と一緒に食べるとバルクアップに理想的な栄養バランスになります。皮は除去したほうが脂肪がカットされます。
とりレバー:とりレバーも適度な脂質を含んでいてバルクアップ向きの部位です。また、ビタミン、ミネラルが多いことも筋肥大に有利です。
★減量ダイエット筋トレむき部位★
ささみ高タンパク質、低カロリーで、なおかつむねよりも柔らかく食べやすいのでダイエット筋トレでは最高レベルの食材です。
むね肉高タンパク質・低カロリーな上に、リーズナブルなのでダイエット時のメイン食材とも言えます。
砂ぎも:砂ぎももかなり高タンパク質・低カロリーでダイエット筋トレに最適な食材です。

★筋トレに向かない部位★
鶏皮:低タンパク質・超高カロリー(笑)好きな人も多いかもしれませんが、いいことはなしです。
ハツ:かなり脂質が多めで、鶏皮同様、あえて食べる必要がない部位です。
★結論は…おいしく食べればいい(笑)★
結局「とり肉はむね肉もも肉、どちらを食べたほうがいいのか???」
100ℊあたりでのタンパク質量の差は、むね肉:23ℊ>もも肉:19ℊと5g前後の差です。いつもお話するように、タンパク質5ℊは魚肉ソーセージ1本or納豆1パック程度の差です。タンパク質がもも肉のほうが少ないですが、カロリーで比較するとむね肉:116㎉<もも肉:127㎉とエネルギー摂取が必要な年齢の選手には魅力です。
結論は、どちらでもやや効果は違うかもしれないが、栄養的にはもも肉もむね肉も高タンパク質で積極的に摂取したい食材であるということです。
無理に、パサパサで苦手なむね肉をたべるよりも、食べやすいもも肉に納豆や魚肉ソーセージを追加すればいいのです。大切なのは、選手が喜んで、おいしく食べること!だと思います。
★パサパサ防止には調理前のひと手間★
パサパサ防止には、下処理にお酒につけたり、話題の麹につけたりすると繊維が軟らかくなります。また、調理前にフォークで穴をあけると繊維が断ち切られ柔らかく味もしみこみやすくなります。ちなみに、この作業はブスブスやるので私はかなり好きです(笑)
また、カットするときも繊維と垂直に繊維を切るようにカットするとパサパサ感は改善されます。
★なんでも調理できる、なんにでも合う★
とり肉は味が淡泊なので、どのような調理をしてもおいしく食べることができます。
唐揚げや親子丼は選手が好きなメニューですよね。
★ベースは同じ、+αがちがってくるだけ★

チャーハンで考えてみましょう。バルクアップをする場合はもも肉を使用しエネルギーとタンパク質をしっかりと摂ります。成長期の選手にはこちらをおすすめします。中には、体重が気になる選手もいると思います。そんな時はダイエット筋トレメニューに、ごはんの代わりに枝豆などで加算しを行い、タンパク質の増量を行います。

同じ考えで、チキン南蛮で考えると、、、
バルクアップをする場合はタルタルソースで卵のタンパク質を追加し、Wタンパク質摂取が可能です。この時に、衣をパン粉の代わりにお麩を砕いたものにチェンジすると、アミノ酸も摂ることができます。
ダイエット筋トレメニューにするときは揚げずにフライパンで焼き、甘酢の野菜たっぶりのあんかけにするとカロリーは大幅にカットでき高タンパク質を摂取できます。

また、もも肉・むね肉ともに、いつものきんぴらや煮物、炒め物にも淡泊なので味を邪魔することなく追加が可能です。また、とりミンチもいつもの牛ひき肉のハンバーグに追加したり、とりそぼろ丼にしたりと幅広く使えます。
★いまは、成長期の選手たちです★
筋肉をつけてほしい、体重を増やしバッティングの飛距離を伸ばしたい、体を大きくしたい…、逆に体重を絞ってシャープな動きをしたい、など…..各選手や親ともそれぞれに悩みはあると思います。その中で忘れてはいけないのは、選手は体を作る大切な成長期にあることです。いまは、しっかりとバランスの良い食事をきちんとおいしく、楽しく食べて必要な栄養素をきちんと摂ることです。
きちんと楽しく、おいしく食べて、ベストなコンディションで野球ができることを願っています。
「こんなことが知りたい」「どうしたらいいの?」など疑問や質問はいつでも受け付けOKです。
また、体のこんなことが気になる、トレーニング方法やメンテナンスに関しても、医師や理学療法士、整復師などと相談ができるので、栄養面に関わらずなんでも疑問や不安は声を掛けてください。選手がベストに野球ができるように一緒に考えていきましょう。

VOl.9

お天気のいい日が多くなり、気候も気持ちよく野球には最適な季節になりました。もう数か月もすると夏になり灼熱地獄になりますが..(笑)この気持ちの良い季節を楽しんで野球に取り組んでほしいと思います。
今回は、我が家のエピソードから…
ここ数カ月、我が家の野球息子の二人ともが「足首が痛くて練習ができない」と言ってきました。
転んだり捻ったりなど何かしたわけでもなく、腫れたり傷があるわけでもなく..しばらくシップ外用薬を貼付し様子を見ていましたが改善が見られませんでした。

悩んだ末に、整骨院を受診してみることにしました。
私自身が看護師であることもあり、レントゲンやCT、MRIやエコーなどの画像を伴う診断はエビデンスがあり納得できますが、整骨院や接骨院の電気を流したりブラインドでのマッサージには確信が持てず、今まで受診したことはありませんでいた。(整骨院ファンの皆さんすみません)

半信半疑で受診した整骨院では、二人とももともと関節が固いことが最大の原因でした。
前脛骨筋が固くなり、関節も硬いため前脛骨筋の腱も伸び縮みができなくなり、足首の痛みを引き起こしていました。長男の場合はそれが土踏まずまで影響され足の裏の痛みも引き起こしていました。
整骨院で電気を流し筋肉の血流を促し筋肉の修復を行い、筋膜リリースを行なうと痛みがとれ、関節可動域も広がり蹲踞(俗に言う和式トイレ座りのことです)ができるまでに可動域が上がりました。
整骨院の先生からは、「最近の子供は関節が硬く体の使い方が下手な子が多いため、筋肉関節に負荷がかかり痛みを引き起こすことが多い」と言われました。
また、「慢性的な痛みや筋肉や関節の硬さは徐々に蓄積され、本人も「いつもこんなものだから」と思い、気づかないうちに筋肉や関節に負荷をかけ損傷している」とのことでした。
そして、いままでは痛み=冷やす・アイシングだと思っていましたが、急性期でなければアイシングではなく「温める」ことが大切になることを教えていただきました。
今回は、「冷却」と「温熱」について考えてみましょう。

★「傷害」と「障害」★

前回の野球飯でもお伝えした、「傷害」と「障害」が今回は判断のポイントになります。
野球に関するには二つの種類があることをお伝えしました。
デッドボールや走塁中に足を捻ったなど急に怪我をした場合を「外傷」といいます。
投げすぎて肩が痛い、スイング動作を繰り返して腰が痛いなど時間とともに怪我が悪化してしまうものを「障害」といいます。
基本的に、急性期のスポーツ「傷害」が起こった場合は患部を冷却するアイシングが推奨されます。しかし、怪我をして数日、数週間たった状態になると今度は患部を温めることが勧められます。
これは、怪我をした部分の組織がどの程度回復しているか回復過程によって変わってきます。

★「傷害」=アイシング・冷却★

怪我をしてすぐの時は患部は氷などを使って冷却を行います。これは、炎症を拡げないよう抑える効果を期待して行います。炎症症状は怪我をしてからおよそ48~72時間程度(2~3日)続くと言われており、この期間は患部の炎症が拡がらないよ冷やすことが優先されます。

★あわせて「RICE」を★

炎症時には冷却に加えて「RICE処置」を一緒に行うと効果的です。
R(Rest):安静 静かに休む  炎症がひどくならないように安静をとります
I(Icing):冷却 患部を冷やす 炎症が拡がらないように冷却
C(Compression):圧迫 適度な圧迫 痛みがある場合は控えましょう
E(Eivation):心臓よりも高く 血流を抑制します
どれも痛いときには自然にやっている行為ではないでしょか。

★冷却のやりすぎは注意!!★

ここ数年はジュニアや高校野球でもけが予防に、投球制限ができました。以前のように投げすぎで肩を痛めるということは減ってきていると思います。なので、基本的に怪我でない限り投球後のルーチン的な冷却は不要といわれるようになっています。
海外などでは投球後の冷却はほとんど実施されていません。日本のプロ野球でも最近は冷却をしない方向になっています。
投球後に肩や肘の張りを感じた場合は短時間の冷却を実施します。冷却も大切ですが、ストレッチやダウンをしっかりと行い、筋肉の張りをとることが大切です。
冷却の時間の目安は肩なら15分ほど、肘ならば10分ほど、捻挫などの怪我の場合は15分ほどです。
痛みの感覚がなくなり冷たいとも感じなくなれば、冷却中止でOKです。いつまででも冷やしていることは不要です。

★「障害」=温熱・温め★

炎症症状は怪我をしてから48~72時間ほど続きますが、その間に細胞レベルでは怪我の修復が進められて今度は「温める」ことに切り替える必要があります。
目安としては、患部に熱感がなくなり腫れや内出血が収まり、動かしても痛みがない程度のことです。

ここからは、組織の再生を促すために、「温め」ることになります。
また、慢性的な痛みでなる「障害」の場合の原因は、炎症による痛みよりも筋肉や関節が硬くなって動きが悪くなることで起こる痛みであったり、血流の低下が原因となっている場合が多いです。
このケースでも「冷やす」ことよりも「温める」ことが重要になります。
冷却が必要な期間は2~3日でそれ以外は、日々「温める」ことを意識することが大切だということを今回、私自身が学びました。では、具体的にどうやって「温める」を取り入れていけばいいのでしょう??

★外からの物理療法・中からのストレッチ★

「温める」方法は2種類あります。、
蒸しタオル(電子レンジで作るホットタオルがお手軽です)を患部にあてるなど外から物理的に温める方法と、ストレッチやアップなど体の中から温める2つの方法があります。
「傷害」の怪我の場合は、しばらく動かしていなかったため、再発防止もかねて全身のアップとは別に時間をとって患部の十分なストレッチが必要です。
慢性的な「障害」の場合も十分なストレッチで体を十分に温め、筋肉や関節を柔らかくしておくことが鉄則です
また、野球飯2で紹介したようにゆっくりと入浴しその後のストレッチで筋肉や関節をほぐすなど日々のメンテナンスも重要になります。
そしてリラックスした状態で眠りにつければ、急速疲労回復の時にお伝えした良質な睡眠にもつながります。

★あったか味噌汁・スープ★

食事の面からも体を中から温めることができます。
今回、栄養士さんとお話をする機会があり、我が家のエピソードをお話ししました。
「痛みがあって凹んでいる、筋肉の修復を促し体を温めて血流をよくする料理はありますか?」と相談すると、「カレー鍋」を教えてくださいました。
選手は基本的にカレーが好きですよね(例外な選手もいると思いますが..)
カレーには香辛料が使用され、食べると血流が良くなります。また、鍋にすることで野菜もたくさん摂取でき、スープもごはんにかけたりうどんを入れたりと栄養素を余すところなく摂取できます。

豚肉を入れることでビタミンAを摂取でき疲労回復効果も期待できます。
また、チーズや牛乳を入れることで味がまろやかになると同時にカルシウムの摂取も期待できます。
そして、鍋を囲んで家族と楽しく食事することでメンタル面でもリラックスすることができます。
我が家でもやってみたいと思い、息子たちに相談すると「いつもの味噌鍋がいい」と保守的な返事が…我が家の男子は冒険が嫌いなようですが、そのうち突然出して食べさせたいと思っています(笑)

★すべてはつながっている★

今回で9回目の投稿の野球飯。毎回、単品のテーマでいろいろと私の興味や野球ママさんからの質問を取り上げて投稿してきました。
ここ数回、毎回思うことが「すべてのことはつながっている」ということです。
バランスの取れた成長期の食事・入浴後のストレッチ・リラックスした環境での良質な睡眠・朝ごはんを食べて空腹時間を作らない、練習前後の栄養補給、今回の怪我への対応…..
毎回どのテーマでも、日々の生活が大切になってくることを毎回考えさせられます。
選手たちが長く楽しく思いっきりプレーできるよう、過去の野球飯を振り返ってみてもらえると嬉しいです。

VOl.10

気温が高い日があるかと思うと、雨で肌寒い日もあり体調を崩しやすい季節になりました。また、五月病という言葉もあるように新しい環境に疲れが出やすい時期でもあります。体調管理に気をつけ、しっかりと睡眠と食事をとり乗り切りたいですね。
新チームになり練習や試合も軌道に乗り始めると同時に、選手の中には新しいチームメンバーに脅威を感じたり、自分の実力をもっと上げたいと思うことも少なくないと思います。
今回はあるお父さんからの質問です。
お父さんも栄養に関心を持ってもらえうようになり、私自身、ママとしても栄養インストラクターとしてもうれしい質問でした。(笑)

少し前までは、「プロテイン」といえば「ジッパー付きの大きな袋に粉末が入っていて、シェイカーで水や牛乳で溶かし、粉っぽくおいしくない飲みづらいもの」というイメージ(←実際にそうでした(笑))があると思います。
ここ数年、タンパク質やプロテイン摂取はスポーツの世界以外でも注目を浴びています。病院でも、「リハビリテーション栄養」と言って、低栄養の高齢者に効果的にリハビリを行うために、食事の中でもタンパク質を補う、特にタンパク質の中でもBCAAなど特定の栄養素の補給の必要性が言われるようになっています。
前回の野球飯5で、タンパク質の中の「BCAA」についてお話しています。興味のある方はバックナンバーを振り返ってみてください。
スポーツ界はもちろん、医療分野でも注目を浴びているタンパク質やプロテインですが、スーパーやドラックストアでも手軽に飲めるパックタイプのものや、コンビニエンスストアでもプロテインバーやサラダチキンバーなど簡単に摂取できるものも多くあります。
★いまさらの、タンパク質とプロテインって違うの?おなじなの??★
プロテインという名前を聞くと一種類の物質名のように感じてしまいがちですが、そもそもプロテインとはタンパク質のことです。 筋肉に欠かせない物質のタンパク質には筋トレと合わせると有用なものがあります。 その中でも摂っておきたい代表的なものに 「ホエイ」「カゼイン」 があります。

★プロテインの説明をしておきながら、プロテインは基本的に不要!!★
基本的に、選手のみなさんは今、体を作る大切な成長期に当たります。
毎日、必要なエネルギーをきちんと摂取していれば、プロテインは必要ありません。
食事トレーニングの時にもお話しましたが、体重割合で計算するとジュニアの野球選手は毎日3000~3500㎉の栄養補給が必要になります。
そして、糖質・タンパク質・脂質・ビタミンなどの食事の割合を考えてみると・・

主食になる糖質は全体の60%、主菜になるタンパク質は30%の配分になります。
このバランス配分をもとに総カロリーを踏まえて考えると・・・・

1日にごはんをお茶碗10杯分=1.3~1.4合の摂取が必要になります。なかなか1食では厳しいので、補食で無理なく摂取することを目標にします。

タンパク質も同じように体重で考えると・・・

だいたい毎日120~150gが必要になります。大まかなタンパク質量を見ると、次のスライドになります。

毎日3食、バランスよく主菜を摂取すると、1食に30gの摂取×3=90gが可能になります。そして、不足分はいつもの定番の考えで、納豆や魚肉ソーセージやシーチキンをトッピングで補うとおおむね、毎日の目標タンパク質量はクリアされます。
そこに体を大きくしたいと、さらにプロテインを追加すると・・・

体は消化機能の容量を超えて処理できなくなります。そうなると、せっかくタンパク質を摂取しても脂肪に変換してしまいます。
さらに、過剰摂取になると、肝機能障害や便秘や下痢を引き起こしてしまいます。
最近の研究報告では、タンパク質は体重の1.5倍しか毎日処理できないという報告もあります。残ったタンパク質は脂肪に代わるか、肝臓や腎臓で処理・排泄されてしまうのでやはり、適量を食事から摂取することで十分だといえます。
★参考までに、我が家のプロテイン状況★
二人の息子の野球生活で、私も体を大きくしてやりたいと思い、プロテインを取り入れていた時期がありました。
長男君が小学校の5年生の時に初めて「ジュニアプロテイン」を取り入れました。毎日ではなく、練習のある日の練習後に指定量の半分から摂取しました。
しかし「粉っぽくておいしくない」「練習終わりにこんな甘くてのどが渇くものは飲めない」などかなりの不評で、いろいろメーカーを変えたり味を変えたり・・・
結局は続かずに、中学に入ってしばらくで食事でのタンパク質摂取に切り替えました。
「タンパク質摂取!」と考えると大変に聞こえますが、難しく考えずに単品でもトッピングでもタンパク質製品をいつもの食事にプラスすることを心がけています。
納豆・魚肉ソーセージ・ツナ・枝豆・なんにでも粉チーズやとろけるチーズをのせる・コンビニのささみバーやレジ横のからあげ系が長男君のお気に入りです。
タンパク質吸収を上げるためにブロッコリーやホウレン草、ブロッコリースプラウト(←ビタミンCを多く含み切るだけで食べられるのでお手軽食材です)などビタミンの多い食材も積極的に取り入れています。

次男君の場合は、ここ数年、プロテインブームもあり味も種類もかなりバリエーションが増え、飲みやすくおいしくなりました。ヤングの練習後20分以内の車の中でZAVASを1本飲んでいます。

★結論、元気に大きく育っています(笑)★
中学1年時、160㎝/55㎏だった長男君。現在、高校2年生になり、178㎝/75㎏/体脂肪率:17%となっています。プロテインなしでも、身長は18㎝伸び体脂肪を増やすことなく体重と筋肉UPが図れ、順調に成長しています。もう少し筋力+体重UPを計画し、自主的な朝練習で筋力トレーニングを取り入れ、タンパク質の消費を促しながら、必要量の摂取UPを心がけて食事を準備しています。
次男君も、中学1年時、158㎝が一年間で169cmと11㎝伸び、伸び盛り真っただ中です。
結論は、しっかり食べてその分ロスがないようにしっかりと体を使い消費することが大切です。
このバランスが取れれば、プロテインはあえて必要はありません。
逆に、食が細く食べられない、練習後に思うように食事が進まない時の救世主的に摂取することはお勧めします。
★摂取するなら、ホエイを、自己調整量で!★

そして一番初めに、プロテインの種類をお伝えしました。成長期の選手の皆さんには「ホエイプロテイン」をお勧めします。
ホエイプロテインは、大豆プロテインやカゼインプロテインと比較すると、消化吸収が穏やかで胃腸への負担が少ないのが特徴です。
スライドに示したように、摂取時間や摂取量は注意が必要です。そして、やっぱり、基本は毎食の食事からの摂取が理想になります。
★あと何年かしか・・・★
選手の成長は親にとっても楽しみですよね。私自身、なにか頑張る子供のサポートができないかと思い栄養学を学びました。
食事に配慮することで素直に大きく成長していく息子達を見ることは、本当に楽しくやりがいがあります。
これも、あと数年しか子供に食事やお弁当を作ることができないかと思うと、楽ができてうれしいと思う反面、寂しい気持ちも大きいです。
そう思うと毎日の食事が、食べることだけではなく、食事の大切さ、コミュニケーションや今後、大人になった時の食事に対する自己管理にもつながる大切な食事トレーニングになっていると日々感じます。
毎日大変ですが、子供の成長をを楽しんで食事に取り組んでもらえると、私もうれしいです。

VOl.11

雨で湿度が高い日や、気温が高く暑い日も出始めてきましたね。
シーズンも始まり、練習もきつくなってきていると思います。
選手の皆さんは疲労がたまったり、食欲が落ちてくる時期です。しっかりと睡眠をとり、食事からは栄養をきちんと摂取したいですよね。
先日、あるクラブチームさんから野球飯の講演依頼がありお話をしてきました。
ママさんたちから「暑い日はお弁当が進まないので素麺を持たせているのですが、栄養的にだいじょうぶですか?」や、「麺類って消化にいいんですか??」「麺類のなかでおすすめはありますか?」など、お弁当に麺類を取り入れることへの質問が多くありました。
今回は、練習や試合の時の麺類の上手な取り入れ方について考えてみたいと思います。

★まずは消化・吸収について再確認しましょう★

食物の摂取や消化、吸収および排便を行う臓器を消化器系と呼びます。
消化は噛む・切るなどの物理的に起こる機械的消化と、消化液による分解の化学的消化から成り立っています。
口から肛門までの消化器は長いトンネルのようなものです。
まずは、口では外から受け入れた食物を噛んで小さくします。小さくなった食物は、胃で酸によって溶かされたり塩酸によって殺菌され、小腸で消化液と混和されさらに粉々にされて吸収されます。
吸収された栄誉素は身体の内部に入り、エネルギーとなります。
吸収されなかった残りは、大腸で微生物のえさとなります。そこで微生物が作るビタミンとして吸収され、残りが便として排出されます。

★食べ物が胃にとどまる時間★


食物の胃の中での停滞時間は、固体では3~6時間です。
胃の筋肉運動によって消化液と粘液が混ざり合って、2~3分に1回の割合で少量づつ十二指腸におくられます。
油は胃での運動を抑制する働きがあります。そのため、油分を多く含む食べ物は胃での停滞時間がながくなります。また、胃から小腸に移る時間も長くなり、「胃もたれ」の状態になります。
そうなると、胃での消化もそこそこに小腸に送られて、小腸でも栄養素を吸収できずに排出されてしまいます。
食物の消化にかかる時間は上の図を参考にしてください。
油分の少ない、ごはんや食パンなどで、2.5時間、うどんで3時間ほどかかります。
パスタでは3.5~4時間、油分の多めになる中華麺は4~5時間になります。
そして、麺類は噛むことによって食物を細かくし消化液と混和させ消化を促す作業が短くなります。
そうなると、胃での消化に時間がかかり消化吸収に血流がとられ、パフォーマンスへ能力の低下につながります。
このことが、麺類よりもごはんやパンのほうがいいと言われる理由になります。

★でも、食べれないくらいなら....★
夏の練習は、暑さもあり疲労が増し、食欲も低下気味になります。
そんな中で「ごはんやパンがのどを通らずに食べられない…」という選手は多いと思います。
これは私の考えですが、「食べられないくらいなら、何でもいいから食べる!」のほうがいいと思っています。
空腹での練習は、せっかく作った筋肉からエネルギーを作り出し筋肉量の低下につながります。
ごはんやパンなどが食べられればベストですが、どうしても食べられないときは麺類でもいいので摂取し、空腹の時間をできるだけなくすことが大切です。
その時に、いつもの麺類の食べ方ではなく、消化吸収を少しでも良くなるよに、よく噛むこと意識して摂取することです。

★私も失敗の一人(笑)・麺類も少しの工夫で★
「麺類はよく茹でたほうが軟らかくなって消化にいい!」と思い、軟らかめに茹でていた私です。
先日、栄養士さんとお話する機会があり、驚く真実を発見しました。
「麺類はよく茹でると、消化が悪くなる」
まさかの、麺類は茹ですぎると、消化が悪くなるのです。
麺類はおもに小麦粉からできています。小麦粉に多く含まれるグルテンはデンプンを多く含んでいます。
このデンプンは消化酵素が入り込みやすく、消化しやすいという特徴があります。
麺類を長時間茹でると、このデンプンが流れ出してしまうため消化酵素が成分を分解しにくくなる現象が起こるそうです。また、ゆで汁にビタミンなどの栄養素も流れ出してしまい、栄養価も低下してしまいます。
逆に、あまり茹で時間が短くても芯が残ったりと食べにくく、それはそれで消化によくないため、茹で時間が守ることが栄養的にも消化的にもベストなんだそうです。

★麺類単品ではなく…★
また、麺類単品ではなく、野菜やタンパク質もプラスすることが大切になります。
夏の麺類弁当によくある「冷やし中華」
中華麺よりもうどんのほうが油分が少なく消化に時間がかかりません。中華麺からうどんにチェンジすることもできますよね。
そして、冷やし中華などの麺類はトッピングに卵やサラダチキン、ハムなどタンパク質を組み合わせやすいと思います。
トッピング野菜では、キュウリは汗で失われたカリウムの補給もできます。ブロッコリースプラウトはビタミンを多く含んでいます。トマトはリコピンを含み抗酸化作用があります。

焼きそばも、野菜とタンパク質を同時にうまく摂取できるメニューです。
炒めるときに油は控えめにします。野菜を多めに入れ、お肉でタンパク質も補給できます。
我が家では、麺を少なめにしジャガイモなど消化のいい炭水化物を使用することでエネルギー量を下げることなく消化にも優しい「ジャガイモ焼きそば」が定番です。
少しの工夫で、麺類でも消化に負担をかけず、必要な栄養素を摂取することが可能なことが、今回、私自身もわかりました。

VOl.12

アスリート栄養学インストラクターとして、ヤングで栄養のお話をさせていただくようになってから3年目になりました。
昨年から始めた「野球飯」も今回でちょうど1年の12回目のチャプターです。
この野球飯は、ヤングの相談役である小川さんから、「栄養だけでなく、睡眠も大切で密接に関わっている」と1冊の本を頂き、睡眠に必要なトリプトファンを含む食事を考えたことがきっかけでした。(チャプタ-②に睡眠と食事についてお話しています)
私自身も、年に一度の2時間の栄養の講義だけでは継続性がなく、その季節や状況にあった情報提供がもっとできればいいと考えていたところでした。
そんな、記念すべき12回目の野球飯は相談役の小川さんから「疲労回復にお酢がいいと聞いているが、なかなか食せません。男子が食せるお酢を紹介してください」と頂きました。
今回は、疲労回復にいいとよく聞く「お酢」について調べてみましょう。
★いろいろな種類があるお酢★

「お酢」といってもたくさん種類がありますよね。その中でも大きく分けると、表のようになり、それぞれに成分や味、調理方法に特徴があります。
穀物酢は、その名の通りお米や小麦など穀物を成分に作られるお酢です。酢の物や酢豚など、家庭での一般の調理によく使用します。
米酢はお米が原料です。お米が原料だけに、酢飯や和風の味付けに適しています。
黒酢は、米酢の一種で、瓶で自然発酵させたものをいいます。糖とアミノ酸の反応により、黒っぽい色になります。
黒酢は最近、健康志向の方が多く取り入れていますね。カプセルになっていたりとサプリメントとしても多くみられます。また、黒酢●●という料理名になるほど、黒酢を使用していることをアピールする料理も最近よく目にしますね。
ワインビネガーブドウ果汁をアルコール発酵させた後に酢酸菌で発酵させたものです。我が家ではポテトサラダに入れるとさわやか風味が加わり、隠し味などに使用しています。(マヨネーズ使用量の減少になり、コレステロールとカロリーカットもできますよ)
バルサミコ酢は、ワインビネガー同様、ぶどうを原料としています。バルサミコ酢は濃縮した果汁を木樽で長期熟成させたものです。フレッシュチーズにオリーブオイルと一緒にかけて食べると至福の食べ物になります(☚私の意見です 笑)
リンゴ酢などの果実酢は最近たくさんの種類が出ています。商品名で挙げると、「美酢」シリーズなどはママさんの認知度は高いのではないでしょうか。
このように、いろいろな種類のあるお酢。体の中ではどのような働きをするのでしょうか?
★体内での消化・吸収と疲労回復・ダイエット効果の関連★

理科の時間で「クエン酸回路」を聞いたことを覚えていますか?
食物が体内に入り消化され分解され、エネルギーを作るときに、クエン酸回路が働きます。この回路を効果的に稼働するにはクエン酸が必要になります。
ここで、クエン酸の量が十分に体内にあると回路は効率的に回り、栄養素をエネルギーに変えてくれます。酢がダイエット効果があるというのは、このクエン酸回路をしっかりと効率的に回し、エネルギーを作るときに多くの糖分を使用するからです。
逆に、体内のクエン酸の量が不足すると、クエン酸回路が十分に回らず、疲労の原因になる乳酸が作られ、疲労回復が得られなくなります。そして、破壊された筋肉の補修もスムーズにいかなくなります。
また、糖質や脂質が分解不足になり、エネルギーが作られなくなります。そうなると、分解されなかった糖質は脂肪に変わるために、肥満や生活習慣病の原因につながります。
クエン酸を十分に補給することで、疲労回復やエネルギー生産の促進、生活習慣病の予防ができます。酢がダイエット効果や疲労回復効果があるといわれるのはこのクエン酸回路に必要だからです。
★酢とクエン酸、実は違うがクエン酸回路では同じ役割★
今回、私自身も驚いたことですが・・・
酢=クエン酸と思っていましたが、そもそもクエン酸=酢=酢酸ではありません。酢とは全く別の物質で製造方法もちがいます。
酢は上記にあげたように各素材を発酵させてできたものです。発酵させる際に酢の独特の酸っぱさや酸味ができます。
では、クエン酸は何からできているのでしょうか??
クエン酸はデンプンに黒麹を植えつけて発酵させたものです。なので、クエン酸は本来は粉末で酸っぱさも味もほぼないのです。
そして、酢酸もクエン酸もクエン酸回路では回路を回す同じ役割を担います。
★なので、酸っぱさが苦手なら・・★
ここまでのお話で、要はクエン酸回路を十分に回せば、エネルギーが作られ疲労回復効果が得られることがわかりました。
一日の必要量は、酢=15㎖(大さじ1杯)、クエン酸=3000㎎/運動時=5000㎎と言われ、レモン半分が1日の摂取量になります。
なので、酢は料理に取り入れやすいので摂取しやすいですよね。クエン酸は、スポーツドリンクやゼリー飲料に多く含まれています。

どうしても酢の酸っぱさや酸味が苦手ならば、クエン酸やアミノ酸を多く含んだスポーツドリンクやゼリー飲料を摂取するのも一つの手です。
ただ、私の印象ではなぜかクエン酸が多く含まれている清涼飲料水は炭酸のものが多い印象があります。練習や試合中に炭酸を飲むと大変だと思うので、練習後に飲むことをお勧めします。
★酢は日常的に気軽に摂取できる★
クエン酸よりも酢酸を含む酢のほうが、日常的に料理に使用したり飲用したりと継続し摂取することが簡単にできると思います。
酢を使った料理は中国料理に多くあります。中国料理の甘酢を使った、酢豚ら天津飯は男性や選手も好きなメニューではないでしょうか。
また、ポン酢も酢酸を多く含んでいます。今の季節は、豆腐や野菜にドレッシング代わりに使うこともできます。(ただ、我が家の男性陣は完全にポン酢は苦手ですが・・・)

我が家の男性陣大好きな「酢豚」は豚肉はビタミンB群を含み疲労回復効果があります。野菜もたくさん一緒に摂取できるのでおすすめですね。夏場は消化吸収力が低下するので、野菜は素揚げせずにそのまま炒めて作ると、胃もたれ感が少なくなります。
「天津飯」も、男性や選手が好きなメニューではないでしょうか。たんぱく質を多く含む卵も一緒に摂取できます。また、具材にビタミンの吸収を促進する硫化アリルを多く含むニラを入れてスタミナUPも狙えます。また、野菜の種類にこだわらず、細切りにし、卵に混ぜることで野菜も多く摂取でき、食欲がないときでもご飯と一緒にかき込める頼もしいメニューです。

自宅でも甘酢は簡単に作れるので野菜を細切りに甘酢あんにたっぷりと入れて、たんぱく質を多く含む、魚や豆腐にかけたりとアレンジが利きます。
我が家での人気の酢メニュー「手巻き寿司」など酢飯です。お寿司や手巻き寿司、お稲荷さんはご飯はもたんぱく質を多く含む魚や卵を一緒に摂取できます。また、アレンジ次第でいろいろな野菜やたんぱく質を組み合わせることができます。
★お手軽、酢が入っている食品★

調理がなかなかできない時は、モズクなどすぐに食べられるおかずもあります。最近は、黒酢入りの納豆など健康ブームに乗っていろいろな食品があります。
まさかの、駄菓子の「よっちゃんイカ」。この中にも醸造酢が成分表の中でいかの次に醸造酢が多く含まれています。試合中はおすすめしませんが、息抜きのおやつには使えそうですね。
★最近は飲みやすい酢もたくさん★

スーパーやコンビニでも最近は、すでに飲みやすくパウチになっている商品も多く販売されています。
ちなみに私のお気に入りの「美酢」。いろいろなフルーツの味の酢で炭酸水や三ツ矢サイダーで割って飲むと飲みやすくおいしいです。
最近はゼリーパウチタイプのものも発売され、小腹が空いたときにリフレッシュします。
★酢だけではなく、基本的な生活習慣も大切に★
毎回お伝えしますが、基本的な生活習慣も疲労回復には必須です。
しっかり食べる、睡眠を十分にとる、交感神経を緩め副交感神経優位の時間を作るなど、日々の規則正し生活リズムもとても重要になります。
また「野球飯:2」の急速疲労回復と合わせて、クエン酸回路も回る食事を心がけて夏をのり切りましょう。

VOl.13

だいぶん涼しくなり、朝晩は肌寒く感じるようになってきましたね。
日中と朝晩の気温の差があり、体調を崩しやすい季節です。
選手の皆さんは夏の疲労がすっきりしなかったり、肌寒くなり怪我にも注意が必要です。しっかりと睡眠をとり、食事からは栄養をきちんと摂取したいですよね。
最近、メディアでは「低糖質」や「低脂質」、「油はとらないほうがいい」という言葉をよく聞くようになりましたよね。
食品でも、コンビニでは糖質カットの商品がたくさんあり、パッケージに糖質量が「〇g」記載されているものも多く見られるようになりました。
そして、糖質からのエネルギー補給に代わり、「高タンパク質」でエネルギーをタンパク質からとる話をよく聞くようになりました。
選手の皆さんは、練習でたくさんのエネルギーを体が必要とします。なので、メディアとは逆行して「高糖質・高タンパク質・良質の脂質」が必要になります。
糖質は炭水化物からの摂取になるので簡単に摂取できます。タンパク質は意識しないと摂取量を確保できないので、野球飯でもかなり力を入れて毎回の情報提供やレシピの中にいれています。
「良質な脂質」とは、どんな脂質のことでしょう?そもそも、「脂質」と「油」は違うのでしょうか?
今回は油「オイル」をテーマに調べてみます。
★脂質の役割★
体内では中性脂肪として、貯蔵脂肪皮下や腹腔など俗に言う内臓脂肪、筋肉間結合組織などに貯蓄されます。
脂肪は1g=9kcalのエネルギーを発生します。糖質・タンパク質=4kcalなので脂質は2倍以上のエネルギーになります。
そして、脂肪は脂溶性ビタミンのの供給源となったり、腸管からの栄養素の吸収を助ける働きをもち、体にとっては不可欠な栄養素です。
脂肪は体内の組織や臓器を覆っています。脂肪が不足すると、臓器が滑らかにスムーズに動かなくなります。その結果、内出血筋膜炎肉離れといった症状をおこしやすくなります。また、皮膚の乾燥も進みそこから感染症にかかるリスクも大きくなります。
なので、選手の皆さんに「怪我の防止」という視点からも、脂質も体には必要な栄養素になります。
★脂質と油そもそも同じ?★
脂質とは5大栄養素の一つで油分の大きな振り分けになります。
その中には牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品、バターやマヨネーズなど油、ナッツ類にも多く含まれます。
その中でも、最近注目されているのが「オイル」と呼ばれるよになった「油」です。油は脂質の中の一つのカテゴリーになります。
「油」といってもここ数年はいろいろな種類のものが販売されています。オリーブオイルや亜麻仁油はここ数年、健康にいいと言われよく耳にするようになりました。
家庭では、「サラダオイル」や「オリーブオイル」が一般的に使われていると思います。
★脂肪とその中のカテゴリーの油の種類★

脂肪は大きく2種類に分けられます。
飽和脂肪酸は動物性の脂肪に多く含まれ、常温では固体です。一方、不飽和脂肪酸は常温では液体で植物性の脂肪に含まれます。
そして不飽和脂肪酸はさらに、体名で作ることができない必須脂肪酸も含まれます。これは主に魚油に多く含まれます。
さらに各脂肪酸の働きを細かく見てみると、下記の図のように分類されます。

肉や卵などから摂取することができる飽和脂肪酸は、中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸に分けることがでいます。
この二つの脂肪酸の特徴は選手の皆さんには不可欠なものになります。
★飽和脂肪酸の中の中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸を上手に組み合わせて…★

中鎖脂肪酸は肉類や卵、乳製品など動物性の食品に多く含まれます。この中鎖脂肪酸は、体内に入るとすぐに吸収され、脂肪をため込まずにすぐにエネルギーに変換されます。中鎖脂肪酸は通常の脂肪酸の4倍のスピードでエネルギーに変換されます。
反対に、バターやラード、植物性油に多く含まれる長鎖脂肪酸は体内に運ばれ、吸収・貯蓄されます。そして、糖質が不足したときに分解されエネルギーに変換されます。
なので、選手の皆さんはこの二つをうまく組み合わせて摂取する必要があります。
長鎖脂肪酸は普段の生活で、炒め物や揚げ物などの油に使われているのであまり意識して摂取する必要はありません。
逆に、中鎖脂肪酸は毎日の練習で使用する糖分からのエネルギーに加えると、より効率よくエネルギーを作り出すことができ、エネルギー不足を防ぐことでパフォーマンスの向上にもつながります。また、疲労回復にも効果があるといわれています。
これを効率的に補うことができるのが、最近話題の「MTCオイル」です

ココナッツの油から抽出されたもので、ほかの脂肪酸の4倍のスピードでエネルギーに変換されます。そして、糖質よりもやや遅れてエネルギーになるので持久力や持続性がUPします。
飲み物やサラダに各食事小さじ1杯/4gが一日摂取量です。
実は今、介護や医療の現場でも、なかなか経口摂取が進まずカロリー不足の患者さんや、筋力低下が著しくリハビリが思うように進まない患者さんに必要なオイルとして、当院でも積極的に取り入れています。味はほとんどなく、サラッとしているのでお粥に混ぜて患者さんに提供しています。
なので自宅では、味噌汁に入れたり、サラダのドレッシングに追加したり、私はヨーグルトにプロテインと一緒に+αで追加し摂取しています。
★不飽和脂肪酸ではオメガ3系脂肪酸を積極的に★
不飽和脂肪酸では体内では作ることが出いない必須脂肪酸の中でもオメガ3系脂肪酸を積極的に取り入れることが推奨されています。

オメガ3系脂肪酸は、「αリノレイン酸」「DHA」「EPA」の3つから構成されています。
これらは血栓ができることを防いだり血圧を下げる働きがあります。また、脳への血流が促進されます。
「DHA」は青魚に多く含まれ、「頭脳力UP」と言われていますよね。サバ缶など骨ごと食べられるものを選択することでカルシウムも一緒に摂取できます。
★日々に使用する油も少しの工夫で★
家庭では日常的に、炒め物や揚げ物を作るときにはサラダ油が一般的だと思います。
サラダ油は菜種などの2種類の油を調整して作られ、サラダに合う油ということから「サラダ油」と呼ばれるようになりました。分類的には、「オメガ6系脂肪酸」に分類され、必須脂肪酸で体の中では作られない成分です。

日々の調理で利用するので、意識して摂取する必要はなく、逆に過剰摂取に気をつける必要があります。
そこで、より体に良い方法としてサラダ油を「こめ油」やオリーブオイルに変換することでより体に良い摂取ができます。
こめ油には、自律神経を整える作用があるので、メンタルの安定や不眠改善などにも効果があります。、
また、ビタミンEを多く含んでいるので酸化防止・疲労回復効果があります。
オリーブオイルも体にいいと言われるオイルの一つです。ADKE
ビタミンA・D・K・Eを多く含むため、疲労回復効果があります。また、悪玉コレステロールを下げる働きもあります。
話題の亜麻仁油もこの部類に入ります。
いつも使う油だからこそ、少し変えることで積み重なり、大きな効果が出ます。そして、いつものしっかりと炭水化物を摂取し、意識してのタンパク質摂取を加え、生活習慣を整えることで、選手のパフォーマンスにつながります。
結論は、やっぱり、日々、バランスよく食事を摂取し生活習慣を整えることに+αの小細工だと今回も実感しました。

VOl.14

スポーツではよく「歯を食いしばって」という言葉を聞きますよね。
野球でも、バッティングの際は歯に力がかかることはここ数年、よく聞かれるようになりました。プロ野球や高校野球でもマウスピースを使用している選手もちらほら見かけるようになりましたね。
スポーツ栄養学の面からも、消化吸収の促進や、エネルギーを効率よく消化・吸収するには噛む力「咀嚼力」は大切になります。
また、近年では「スポーツ歯学」という分野もあり、スポーツと噛むことの研究が積極的に行われています。
では、本当に「噛む力」とスポーツでの力の発揮には関係性があるのでしょうか。
今回は、噛む力・咀嚼について考えてみましょう。
★スポーツでも噛むことはいいことがいっぱい♪★

【筋力UP】
重いものを持ち上げるときや、野球ではバッティングの時に力を入れようとすると、自然に口の周りにも力が入っていませんか?
これまでの研究から、歯をしっかりと食いしばることで筋力は4~6%もアップするという報告がされています。
数字にするとわずかに聞こえますが、これはバッティングになればここぞというときに力が入り、バッティング飛距離にもつながるでしょう。
上下の歯が合わさると、「噛んだ!」という情報が脳に伝達され、脳の「運動野」というところに伝達され、そこから骨格筋などの反応や動きに連動します。
この伝達ルートが「力が入る」伝達ルートになります。
【重心の安定・姿勢の安定】
上下の歯でしっかりと「噛みしめている」場合と、嚙み合わせが悪い場合では、直立した場合のふらつきの具合を指す「重心動揺」に違いがでてきます。
噛み合わせが悪いと、重心がぶれてふらつきがでてきます。
ピッチングでもバッティングでも安定した動作ができないと、しっかりと打ったり投げたりすることができませんよね。
特に大切になるのが前歯よりも、犬歯よりも奥の奥歯のかみ合わせになります。
また、歯を嚙みしめることで、首にある胸鎖乳突筋など首の筋肉に力が入り、首が安定します。首が安定することで体の軸がぶれないので、結果的に体幹の安定につながります。
そして首が安定することで、視点の位置のブレも防ぐことができるので、視線が定まり、パフォーマンスの向上につながります。
私たちは、体の姿勢を保とうとすると「咬筋」という噛むための咀嚼筋を働かせます。これが「抗重力筋」として体の平衡感覚の維持を担う役割をもっています。
【集中力UP・血流の増加】
噛むことで認知機能をつかさどる、前頭前野の血流が良くなり集中力と判断力もUPします。
★噛む力はタイミングも必要★
噛むことは姿勢の安定や、力を出すときに必要なことがわかりました。さらに、必要なのは、常に噛みしめているのではなく「噛みしめるタイミング」です。
野球では、バッターがボールを打つときは、バットにボールが当たるまではリラックスした状態を作り、ボールがバットに当たった瞬間にグッと噛みしめ、バットを握る手に力をこめます。
このように、常に噛みしめていては本当に必要な時に必要な力が得られません。タイミングよく、一瞬でグッと噛める力が必要になります。
野球のメジャーリーガーの多くはバッティングの直前までガムを噛んでいて、打つ直前に噛む事をやめてバッティングを行います。これは投球への集中力を高める事に効果があるのではないか、あるいは噛む事によって脳が活性化されるためにバッティング技術が向上するのではないか、と考えられてきましたが、これまで科学的に証明された事はありませんでした。これを証明するために脳波を使った実験があります。
脳波反応の1つとして有名なものに、P300というものがあります。この反応は、何らかの刺激が与えられてから300ミリ秒(0.3秒)後に出現する陽性(Positive)の反応です。

ガムを噛んだときと、顎を動かすだけのときを比較すると、ガム噛みを繰り返すことで、P300が早く現れるようになる。脳が活発に働くことを表しています。

また、歯並びが悪く、左右対称に噛みしめることができない場合は、体幹や力の入り具合のバランスも噛む力が強いほうに偏ってしまう研究結果がでています。
左右同等に噛むように意識すると、体幹のブレが少なくなったり効率的にパワーを出せるようになったという報告もあります。噛むときは片方だけでなく、左右同等を意識してみましょう。
★噛むトレーニング方法は??★
日本人の咀嚼回数は、時代とともに大きく低下しています。昭和初期頃(約80〜100年前)では、一食あたりの咀嚼回数は、約1400〜1500回であったのに対して、現代人では約620回と半分にまで落ちています。鎌倉時代の日本人は、1回の食事で約2600回噛んでいたといいます。それが弥生時代では一食あたり約4000回も行っていたようです
現代人の咀嚼回数は、およそ80年のあいだに約半分にまで低下しています。

ひとくちの咀嚼回数は「30回」が望ましいといわれてます。現代の日本人は、食事の洋食化によって、噛む回数が低下していると指摘する人もいますが、欧米でも「咀嚼は30回を目安に」という教育があります。
毎食の食事で「噛む」ことも咀嚼筋の筋肉トレーニングでバッティングにつながると思い、噛むことも意識し楽しく食事ができるといいですね。
★毎日の食トレで簡単に実践★
①主食を見直し
噛み応えのあるご飯がおすすめです。
玄米や発芽米、胚芽米はプチプチとした食感が楽しめます。
②食材を工夫
きのこ類、海藻類、根菜類など食物繊維を豊富に含むものや、切り干し大根、高野豆腐などの乾物、みりん干しなどの干物、いか、たこ、貝類、こんにゃくなど、歯応え、噛み応えがあります。
③調理法を工夫
野菜は大きめに切って、少し歯応えが残るくらいに火を通します。
また、豆や芋なども同様に火を通すと、ホクホクと美味しく食べられます。
④薄味を心がけましょう
薄味にしてよく噛むことで、素材本来の味を楽しめます。
塩分や糖分も控えられ、一石二鳥です。
⑦ゆっくり楽しく食事をしましょう
噛むことばかりを意識しすぎて、食事を楽しめなくては本末転倒です。
ゆっくり楽しく味わいましょう。

VOl.15

~ワクチン接種で気を付けること~
新型コロナウイルスもオミクロンやステルスオミクロンなど、まだまだ感染拡大がおさまらず、予断を許さない感じが続いていますね。
ワクチン接種も推奨されていますが、選手にとっては副反応や接種するタイミングなど不安なことが多いと思います。
新型コロナウイルスに限らず、今回は、一般的に予防接種の前にどのような食事や生活をすればいいのか、おさらいしましょう。
★まずは、なぜワクチン接種を行うかの確認です★
感染症にかかると、体の中で抗体が作られ、原因となる病原体(ウイルスや細菌など)に対する「免疫」(抵抗力)が作られます。
免疫ができると、再びその感染症にかかりにくくなったり、かかっても症状が軽くなったりします。このような体の仕組みを使って、病気に対する免疫をつけたり、強くするためにワクチンを接種します。
★ワクチンの種類★

 生ワクチン
病原性を弱めた病原体からできています。接種すると、その病気に自然にかかった場合とほぼ同じ免疫力がつくことが期待できます。一方で、副反応として、軽度で済むことが多いですが、その病気にかかったような症状が出ることがあります。代表的なワクチンとしては、MRワクチン(M:麻しん、R:風しん)、水痘(みずぼうそう)ワクチン、BCGワクチン(結核)、おたふくかぜワクチンなどがあります。
 不活化ワクチン、組換えタンパクワクチン
感染力をなくした病原体や、病原体を構成するタンパク質からできています。1回接種しただけでは必要な免疫を獲得・維持できないため、一般に複数回の接種が必要です。代表的なワクチンとしては、四種混合ワクチン(D:ジフテリア・P:百日せき・T:破傷風・IPV:不活化ポリオ)、日本脳炎ワクチン、インフルエンザワクチンなどがあります
 mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン、DNAワクチン、ウイルスベクターワクチン
これらのワクチンでは、ウイルスを構成するタンパク質の遺伝情報を投与します。その遺伝情報をもとに、体内でウイルスのタンパク質を作り、そのタンパク質に対する抗体が作られることで免疫を獲得します。今回、新型コロナウイルスの表面にあるタンパク質に対するワクチンが国内外で承認を受け、日本でも接種が開始されています。
★バランスの良い食事で栄養状態を良好に★
どのワクチン接種の場合も、栄養状態が悪いと、ワクチン接種によって体調不良や副反応が強く出ることがあります。
予防接種前は、基本的な事ですが、バランスのとれた食事を摂り体調を整えるようにしましょう。
主食・主菜・副菜といったバランスの良い食事を適量摂取します。
抵抗力をつけようと食事を過剰摂取し、エネルギー過剰になると帰って内臓脂肪が増えるため、好ましくありません。
ワクチンを接種してすぐに抗体ができるわけではありません。
数日から数か月かかるといわれ、新型コロナウイルスワクチンの場合は約2週間と言われています。
ワクチン接種から当面は暴飲暴食や不規則な生活を避けることが抗体取得には大切です。
★接種後の運動って??★

厚労省のホームページなどでは、接種当日は「激しい運動や過度の飲酒等は控えて下さい」と呼びかけています。
厚労省が公開している接種後の健康状況調査を見ると、発熱・頭痛・全身倦怠感などの副反応が多数報告されています。その他にも、ワクチン接種後に心臓障害を起こしたケースも多数報告があります。
ワクチン接種後、血圧が上がり、心臓の状態が不安定な時に筋肉トレーニングなどの無酸素運動を行い、さらに心臓への負荷がかかり、心拍数や血圧が上がると心臓や血管への負担が過度になり心筋炎や心膜炎といった心臓障害を引き起こしてしまう危険性があります。
★練習はどうしたらいいの?★
強度の高い運動をするアスリートは上気道感染(通称:風邪)にかかりやすいといわれています。強度の高い運動は免疫力を弱めると言われているからです。
ワクチン接種前はもちろん、接種直後から10日間ほどは激しい運動は控えるたほうがよさそうです。
一方で、ウォーキングなど強度の低い運動を適度に行うことは、ウイルス感染細胞の拒絶に重要な役割を持つナチュラルキラー細胞(NK)を増やし、免疫力を高めるといわれています。
ワクチン接種前後は体調を見ながら、ストレッチや適度に軽く体を動かす程度にし、激しい運動は避けましょう。
接種当日の入浴は発熱など副反応が強くなければ問題ありません。接種部位は強くこすらないように注意しましょう。
★しっかり睡眠★
睡眠は成長ホルモンの分泌を高め、体の修復力や免疫力を上げてくれるので、しっかりと休むことも大切です。
ワクチン接種した日は成長ホルモンが多く分泌されるよう、早目に休み深い眠りを心がけましょう。野球飯でも、ハイパフォーマンス睡眠を推奨しているので参考にしてください。
★副反応が出たときは…★

新型コロナウイルスワクチンは、mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンで1回目よりも2回目の接種の方が強く副反応が出ることがわかっています。
発熱や倦怠感などの反応がより出やすく、体温は「1度上がることで基礎代謝が12~13%上がる」と言われており、発熱でエネルギー代謝が亢進している時はより多くのエネルギーが必要になります。
でも、発熱の時は食欲も進まないことが多いですよね。また、副反応に「下痢」もあります。
そんな時は、食べられるものを積極的に摂取しましょう。口当たりのいいアイスクリームやゼリー飲料などで水分摂取も行います。
1回に摂取できる量は少なくても、こまめに意識して摂取し、解熱剤で解熱が得られ食べられそうなときはできるだけ、脂肪が少なく、高タンパク・高糖質を心がけます。
★とにかく、無理せずに★
ワクチンにより抗体ができるまでは2週間ほどかかります。
2週間とは言わないまでも、接種後1週間程度は激しい運動、特に筋力トレーニングなどの無酸素運動を避け、しっかりと栄養と睡眠を確保し、免疫力をあげましょう。
まだまだ、先の見えない新型コロナウイルスですが、感染対策としっかりと栄養と睡眠をとって、元気にプレーできることを祈っています。

VOl.16

~サプリメントって……~

年明けから春のシーズン前にかけて、入団体験で付き添いの保護者の方や他の野球チームの選手や保護者さんに食事トレーニングを行いました。
とても興味を持ってください、質問もたくさんいただいた中で、やはりプロテインやサプリメントについての質問が多く聞かれました。
質問内容としては「筋肉をつけたくてプロテインを導入したいのですが・・」「野菜が嫌いで、ビタミンのサプリメントを飲ませているのですがこれでいいのでしょうか?」「身長を伸ばしたいのですが、ネットにあるラムネやグミは有効ですか」など、最近の野球少年のお父さんお母さんの体に対する意識の高さを感じました。
ここ最近は、サプリメントやたんぱく質の必要性を伝える広告やニュースをよく耳にするようになりました。また、プロテインやサプリメントも栄養素の補給から、身長を伸ばすものなどいろいろな種類がでてきています。
野球飯でも、プロテインに関しては食事の補助的な目的での摂取は「あり」とお伝えしています。
では、サプリメントはどうなんでしょう?
今回は、サプリメントは本当にジュニアや中学生に必要なのか、サプリメント導入は必要なのかを考えてみようと思います。

★プロテインに関しては…★
プロテインに関しては野球飯でもVOL:10で取り上げて解説をおこないました。
ジュニアではプロテインの飲用よりも
3食しっかりとバランスよくきちんと食べること
自分の体重を知り、糖質とたんぱく質を十分に食べる
糖質=体重×10ℊ
たんぱく質=体重×2.0ℊ
③しっかりと体を動かし、運動後の20分以内に糖質+たんぱく質+ビタミンCを摂取する
ことが、一番の食事トレーニングであることを毎回、繰り返しお伝えしています。
そろそろ、みなさんの食事時の内容や、捕食の習慣になってきてもらえているのではないでしょうか?(←と期待したい、私の願望です:笑)
そのうえで、どうしても不足している時は規定量=MAX量と考えて、自分で調整して飲用することがベストです。
ジュニアの今だからこそ、サプリやプロテインではなく食事から栄養を摂取することの大切さを学び感じてほしいと思います。

★最近話題の身長を伸ばすサプリメント★
選手の身長に関しても最近は質問が多く、選手自身も含めて気になる項目のようです。
身長を伸ばすには亜鉛がいい、カルシウムを強化したラムネやグミなど選手が摂取しやすい形態でのサプリメントも多く出ています。
身長を伸ばす系のサプリメントの成分は、大きくはカルシウム補給を中心に不足しがちな栄養素を入れたものが多いです。そこに亜鉛やミネラル成分を補給したものも見られます。
これもプロテインと同様に、普段からの食事をきちんと摂取していれば、不足することのない成分がおおいです。
カルシウムは牛乳や乳製品(ヨーグルトやチーズ、魚類)をきちんと摂取すれば不足することはなく、食品からの摂取が比較的簡単な成分です。
亜鉛などミネラル成分も普通の食生活を送れば不足する成分ではありません。いろいろと論文を検索しても、結局は身長を伸ばす要素の一つにはなりえますが、それだけを特化して摂取しても結果は出ないというものが多かったです。

★身長を伸ばすには...★
最近の野球飯や食事トレーニングでもお伝えしていますが、身長を伸ばすには成長ホルモンが必要です。サプリメントでは成長ホルモンは補えません。
基本のしっかりとバランスの良い食事を摂取し、体を動かすことで骨を刺激し、睡眠時間を確保し成長ホルモンを出すことが最短の方法だと思います。

★まずは食品の分類から..★
上記をふまえてのサプリメントについてのおはなしです。まずは、食品の分類から見てみましょう。

特定保健用食品
健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されている食品です。表示されている効果や安全性については国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可しています。許可された食品には、トクホのマークを表示することができます。
栄養機能食品
日に必要な栄養成分(ビタミン、ミネラルなど)が不足しがちな場合、その補給・補完のために利用できる食品です。すでに科学的根拠が確認された栄養成分を一定の基準量含む食品であれば、特に届出などをしなくても、国が定めた表現によって機能性を表示することができます。
栄養機能食品は、ビタミン(13種類)やミネラル(6種類)などの国が定めた栄養成分を基準量含んでいる食品が対象となります。加工食品だけでなく生鮮食品でも機能性を表示できます。
機能性食品
事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものです。ただし、トクホとは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。
このように国からの審査をパスしたものから、すでにパスしたものを改良したもの、企業が独自に研究開発したものから幅広くあります。
まずは、本当に体に安全な製品なのかを見極めることが大切になります。

★そのうえでのサプリメントとは?★
サプリメントと言っても、今は本当にたくさんの種類がドラックストアにもネットにもあります。
「日本では、サプリメントは法律的や行政的な定義が存在せず、厚生労働省では便宜上「特定成分が凝縮された錠剤やカプセル形態の製品」と定義して食品に分類される健康食品とは分けているが、広い意味ではサプリメントも健康食品の一つとしている」と言われるものです。
そして、サプリメントはおおまかに3種類に分類されます。

ベースサプリメント
ベースサプリメントは、体に必要なビタミンやミネラル、アミノ酸、食物繊維、DHAやEPAなどを補います。ビタミンはビタミンB1やビタミンB2、ミネラルは鉄や亜鉛など単体で販売されるものや、ビタミンを全て含んでいるマルチビタミンという形で販売されることもあります。
*ヘルスサプリメント*
ヘルスサプリメントは、健康維持や美容などのために利用するイソフラボン、ローヤルゼリー、プロポリス、セサミン、カテキンなどがあります。
*オプショナルサプリメント*
オプショナルサプリメントは、ウコン、マカ、ブルーベリー、グルコサミンなどは体調の回復のために利用されます

サプリメントの利用の前に、まずは毎日の食事から野菜、果物、乳製品、魚などを食品から取り入れるようにします。そのためには栄養バランスの良い食事を心がけ、食事内容や食生活自体を見直します。
サプリメントを購入する際には成分名、含有量、問い合わせ先を確認します。特に健康面の安全性や有効性を判断するためには含有量が必要です。サプリメントは食品に分類されていますが、ビタミンやミネラルなど1度に多種類のサプリメントを摂取すると健康被害の可能性が高くなり、被害の原因究明も難しくなります。何種類か摂取している場合は、同じ成分が重複していることもあり、過剰摂取による体調不良も引き起こします。

★本当に必要か??★
このように、本来は食品から摂取することが一番です。
ビタミンなどは野菜や果物からある程度摂取が可能です。好き嫌いがあるときは同じような成分を含んでいる食品と代替えができないかなど食トレでもお伝えしているように、サプリメントではなくまずは「食べることは好きになってもらう」ことが一番大切だと思います。
そのうえでサプリメントを取り入れるときの⑤つの指標を紹介します。

【POINT:1】
その情報は誰が出しているのか、情報の発信源を考えてみましょう
【POINT:2】
本当に栄養不足なのでしょうか?食生活の見直しで改善できるところがあるのではないでしょうか?
【POINT:3】
通常の食品とサプリメント、どちらが安全 ?
通常の食品にはサプリメントにはない味、香りや容積があります
【POINT:4】
サプリメントは気軽に与えることで偏食を克服することができますか
【POINT:5】
サプリメントの形状は医薬品と似ていますが、その品質管理は医薬品のように徹底されていません
これらのことを踏まえて、よく吟味しましょう。

VOl.17

~成長ホルモン~
選手の皆さんは疲労が溜まったり、食欲が落ちてくる時期です。しっかりと睡眠をとり、食事からは栄養をきちんと摂取したいですよね。
今回は体の成長を促したり、疲労を回復したりといいことがたくさんある「成長ホルモン」を紹介します
野球飯や食事トレーニングの講義でも、成長ホルモンは大切で睡眠中に分泌されるため22時、遅くとも23時には眠れる環境を作ることが大切だと毎回お話しています。
最近では、「身長を伸ばして体を大きくしたい!」「身長を伸ばすにはどうしたらいいですか?」という身長や体を大きくしたいという質問が多くママさんたちからもお聞きしています。そんな中で、背を伸ばす効果もあると、成長ホルモンはさらに注目を浴びています。
今回は、いいことがいっぱいの成長ホルモンについてお伝えします。
★まず、成長ホルモンってなに???★

成長ホルモンは下垂体から分泌されるホルモンのひとつです。
「成長」という名前がついていますが、子供だけの成長に働くものではありません。
人間の一生にわたって、代謝調整に働きかけ、現在は免疫機能認知機能にも作用を持つことがわかってきています。

★成長ホルモンはいつ出るの??ゴールデンタイム!!★
成長ホルモンの分泌は、睡眠と深くかかわっています

成長ホルモンは、睡眠中の22時~4時までの間に分泌されます。
ということは、睡眠時間をしっかりと確保しないと、成長ホルモンは分泌されません。
野球飯2でも紹介したように、睡眠前には副交感神経が優位になる環境を作り、トリプトファンを分泌させることで、心地よい深い睡眠導入が図れます。
★成長ホルモンの分泌を促進する5か条★

成長ホルモンをより分泌させるためには、5個の条件があります。
*条件1: 深い睡眠*
成長ホルモンの分泌に重要なキーワードは「深い睡眠」です。
人間の眠りの深さは4段階のステージに分類されています。
成長ホルモンのを分泌させるには、「最も深い眠り」の段階が必要です。
「もっとも深い睡眠」とは、体内時計と同調して働く、睡眠ホルモンの「メラトニン」が分泌されていることが必須条件です。
深い眠りにつけば成長ホルモンが出るわけではなく、昼でも夜でも深い眠りさえ得られれば成長ホルモンが出るわけではありません。
夜、メラトニンの分泌量が増加したときに眠ることで、深い眠りを得ることができ、結果として成長ホルモンの分泌量も最大化されます。
このことから成長ホルモンを効果的に分泌させるには、野球飯2でもお伝えしているハイパフォーマンス睡眠が必要で、副交感神経を優位にさせるために、夜はぬるめのお湯にゆっくりと浸かり、携帯などのブルーライトも避けると、心地よく深い睡眠が得られます。
また、睡眠を促す「トリプトファン」を多く含む食事も提案しました。
トリプトファンは、朝食に摂取することで効果的に夜間の睡眠に作用を示します。朝食にトリプトファンの多く含まれる、チーズやヨーグルトの乳製品を積極的に取りましょう。
乳製品にはカルシウムも入っているので身長UPの効果も期待できそうで、一石二鳥ではないでしょうか。
*条件2: アミノ酸の摂取 *
成長ホルモンを分泌させるには食事も大切な要素になります。
栄養素でいうと「アミノ酸」を摂取することがポイントになります。
アミノ酸は、成長ホルモンをはじめ、体から分泌されるホルモンの材料になる物質のひとつです。

いつもお伝えしているようにアミノ酸はタンパク質の構成成分です=タンパク質をしっかりと摂取すれば、アミノ酸もしっかりと摂取でき、成長ホルモンをしっかりと作り分泌することができます。
食事から摂取した、タンパク質は、アミノ酸に体内で分解され吸収されます。そのなかの「アルギン」が特に成長ホルモンの分泌を促す働きがあるといわれています。
*条件3:血糖値の低下*
ちょっとイレギュラーな増やしかたですが・・・・
人間の体は、長時間の絶食や運動後に血糖が下がります。正常範囲より血糖値が低下しすぎると低血糖状態になります。
この低血糖時に、成長ホルモンやコルチゾール、アドレナリンのホルモンが分泌されます。
このように生命維持にも成長ホルモンは大切な働きを担っています。
*条件4:空腹*
人間の脳は空腹になると、胃からグレリンというペプチドホルモンが分泌されます。
グレリンの分泌は、脳の下垂体を刺激し成長ホルモンを分泌させます。
このことから、成長ホルモンを効果的に分泌させるには、毎回、食事の前に適度な空腹が感じられるように、一定の食事間隔を保つことも必要です。
練習の時は、エネルギー不足になるので空腹は大敵で厳禁ですが、普段の生活では規則正しく食事を摂取すれば、自然と適度な空腹の時間ができると思います。
*条件:5 運動など体へのストレス*
運動や筋肉を使用し、体が疲弊するとそのストレス反応でコルチゾールをはじめとする様々なホルモンが分泌されます。
成長ホルモンもその一つで筋肉や体の組織を再生・修復するために,疲労時は成長ホルモンが分泌されます。
★結論は、しっかり食べて運動し、しっかりと寝ること★
成長ホルモンについていろいろとみてみました。
結論は、
➀いつものハイパフォーマンス睡眠を実行するために、寝る前に副交感優位の環境を作る
②朝食はしっかりと摂取し、乳製品を意識的に摂取する
③たんぱく質をしっかりと摂取し、練習をしっかりとする
といういつも通りの生活を送れば成長ホルモンは自然としっかりと分泌され、体を作ってくれ、集中力や免疫力も上がるということになります。

VOl.18

梅雨に入り、軒並み30度を超える暑い日が続くようになりました。
練習でも気温が高くなると、疲労がたまり食欲も低下し、バテ気味になりがちです。
練習中は熱中症に注意し、十分な水分補給と適度に休息が必要になります。
また、帰宅後は室内を冷えすぎない程度にし、しっかりと食べて十分に睡眠を取って乗り切りましょう。
そんなときの強い味方の一つに「たまご」があります。
昔から卵は「完全栄養食」と言われる無敵の食品です。
そのうえ、調理も簡単でどのような食材にも合いますよね。
逆に、アレルギーを持つ人にはなかなか手ごわい食材にもなりえます。
今回は、身近な完全栄養食品「たまご」についてみてみましょう。
★アミノ酸スコア100★
卵が完全栄養食といわれる所以は、ほとんどの栄養素が卵1個に入っているからです。
完全栄養食は、人が健康を維持するために必要な栄養素をバランスよく含んでいる食品のことをいいます。
そして、アミノ酸スコアとは体内で合成することのできない9種類の必須アミノ酸が、体の必要量に対しどのくらい含まれているのかを0~100で示したスコアのことをさします。
卵はアミノ酸スコア=100と体内でつくることのできない必須アミノ酸を満点で含んでいる点からも完全栄養食品といわれています。

たまごと同様に、アミノ酸スコア=100の食品は、表を参照してもらえばわかるように、いつもの野球飯でもお伝えしているたんぱく質を多く含み、積極的に摂取したい食品たちです。
★たまごの成分と栄養素★

卵には、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素はすべて入っています。逆に、卵を食べるときにビタミンCと食物繊維を多く含む食品と一緒に食べると完全無敵ののパーフェクト食になるということです。
では、卵の栄養素を見てみましょう。
*たんぱく質*
卵=たんぱく質というイメージが強いと思います。ボディビルダーがブロッコリー・鶏ささみ・ゆで卵の食事を好むことなどからタンパク質が豊富というイメージがあると思います。
エネルギーはサイズによってもやや違いはありますが、おおむね80Kcalです
*コレステロール*
「卵は一日に一個まで、それ以上はコレステロールが高値になるので食べない方がいい」といわれていたころもありました。
コレステロールは体に悪いというイメージがありますが、細胞膜を作ったり血管を強くする、免疫力を高める効果もあります。
最近の研究では毎日卵を3個づつ摂取し悪玉コレステロールが上昇したひとは35%、残りの65%はコレステロール値に変化がなかったと報告されています。
逆に善玉コレステロールが上昇した人は44%という結果が出ています。
このことから、卵は成長期であるジュニアは積極的に取り入れたい食材で3個ほど毎日食べても問題ないことになります。
★ベストな調理方法は??★
たまごは、生でも半熟でもしっかり火を通してもどの食べ方でもおいしく食べられる食品です。
加熱時間によって、栄養価が変わります。
*生卵*
生卵に一番の利点はビタミン、特にビタミンB群が効果的に摂取できます。
昔、ロッキーが生卵を飲んでいたり、オロナミンCに生卵を入れるなどがありましたよね。これは、ビタミンB群を摂取することで疲労回復や元気をチャージできるということに繋がっています。
暑い日は、卵かけご飯など生卵を摂取すると疲労回復、元気チャージです。

*半熟卵*
半熟卵は、消化吸収の面では一番効果的で体に負担をかけずに栄養素を摂取することができます。
半熟卵と固ゆで卵の消化時間は約1時間ちがいます。栄養を体に負担が少なく素早く吸収したいときは半熟卵の接種をお勧めします。
*固ゆで卵*
固ゆで卵での摂取はビタミンHの ビオチンが多くなります。これは、育毛効果があります。
このように、卵は生卵か半熟卵での摂取がビタミン成分を壊すことなく消化にも負担が少ない食べ方になります。
逆に腹持ちをよくしたい、ママさんにはダイエット時や育毛を期待したい方にはは固ゆで卵がおすすめになります。
★卵+αのベストは???★
先にお話ししたように、卵に唯一含まれない栄養素が食物繊維と ビタミンCです。
卵を食べるときは食物繊維とビタミンCを一緒に取ることで完全無敵になります。

ビタミンCを多く含む、玉ねぎやトマト、ニンジンなどを一緒に調理すると食物繊維もあり完全無敵になります。
また、いつもお伝えする練習後の糖質+たんぱく質+ビタミン摂取の食事に生卵や半熟卵を追加することでさらに元気チャージにつながりますね。
★結論は、いつもの食事にプラス卵料理★
ここまで、卵の栄養素や調理方法などを見てきました。
結論は、やっぱりいつもの野球飯でお伝えしている、糖質+たんぱく質+ビタミン摂取に卵を追加することがベストになると思います。
卵は調理方法も簡単で取り入れやすいと思います。
これからさらに暑くなり、試合も本格的になってきます。卵をいつもの野球飯に取り入れて、効果的に元気チャージをしましょう。

VOl.19

高校野球の県代表も続々と決まり、強豪校の対戦が楽しみですね。
私は、各チームのユニフォームも興味津々で各高校の伝統を背負ったデザインやカラー、個性のあるユニフォームをチェックするのも楽しみで萌えます。
ヤングのユニフォームも長男の代からの貸与で背番号も兄弟で同じものをもらってくることがあり、本当に愛着があります。
野球のユニフォームは他の競技と違っていろいろなパーツや形があり、一目で野球とわかりますよね。
一つ一つのパーツにはきちんと意味があってのアイテムと形です。
今回は、ユニフォームの歴史とけが防止も絡めて見ていきたいと思います。
★野球ユニフォームの歴史★
野球ユニフォームは、各チームの特徴や個性を表しているもので、非常に大切な役割を果たしています。
選手にとっても、魅力的なデザインの野球ユニフォームを身につけることで、全体の士気を高め、勝ちたいという気持ちを強めることができます。
野球ユニフォームには、それぞれに歴史があります。
野球のユニフォームの歴史は、チームの事情、選手のタイプなど、さまざまな点が絡み合って作られてきました。
野球ユニフォームの起源となっているものとしては、諸説があります。

たとえば、南北戦争の時代に使用されていた軍服が起源だとも言われています。また、日本のニッカポッカが起源だという説もあります。
言うまでもなく、ユニフォームとしての機能を果たすためには、各チームの全ての選手が同じものを身につける必要がありますが、それは時代によって変化があり、現在のユニフォームの形になりました。
★基本は白色★
野球のユニフォームは元々白色が正式な野球ユニフォームとなっています。
ですから白色が多いのはある意味当然といえるのです。
しかしながら白色同士ですと敵と味方の区別が付きづらいです。
ですからホーム用には白を基調としてユニフォームを使用しビジター用には色つきのユニフォームを基調としているそうです。
日本のプロ野球は昔はグレーを基調としていましたがTV放送が始まるにつれて赤や青色や水色などが使用されるようになりました。
これは当時のTVは白黒でしたのでグレーだと濃淡がつぶれてしまいよく映らなかったからです。
そうこうしている内にTVはカラーになりました。
そしてそれに合わせるかのように野球ユニフォームの色もカラフルになっていきます。
現代では野球ユニフォームはメジャーリーグの影響を受けた派手な野球ユニフォームも出ています。
野球ユニフォームの色はその時代時代の理由によって変化しているのですね。
また昔の栄光の時代を彷彿とさせたいという理由で当時のユニフォームの色を復刻させることもあります。
このようにユニフォームのデザインと色は様々な理由で決まるようです。
元々白色が正式な野球ユニフォームですので相手との区別をつける意味でもホームは白色が基調でビジターが色つきを基調としているのは現代でも変わらないようです。
★各パーツの特徴と機能★
*上着とアンダーシャツ*
野球の上着には、汗を吸ったり、スライディング時の怪我防止の役割を果たします、夏になると薄くメッシュの素材のものもありますが、怪我のことを考えるとしっかりとした素材のものを着用することがおすすめです。
アンダーシャツには、汗を吸ったり、紫外線対策、体温調節や保温など体への負担を軽減する効果が期待できます。また、長袖・七分袖・半袖、ハイネックや丸首、素材もフィットするものからゆとりのあるものまで好みの物を選択することで、天候やポジションに合わせて調整が可能なアイテムです。野球のプレーを快適にするためには必須です。
*ストッキングとソックス*
ストッキングには足を保護する​意味があります。

伸縮性のある素材で作られているため、足をひきしめるサポーターの役割や、肌の露出を抑えて防傷防寒の機能を持ちます。足を使うプレーが多い野球では、動きを守ってくれるストッキングの着用はとても重要です。
ストッキングは、怪我を未然に防ぐために着用します。
厚手に作られているストッキングを履くことでアンダーソックスと合わせて2重で足を覆い、外傷に強くなります。野球は金属製のスパイクを履く球技でスライディングや相手選手との交錯と常に危険が伴うためストッキングの保護が重要です。
また、伸縮性に優れる素材と編み方で足の動きをアシストするサポーター効果があり、プレーの質向上に役立ちます。
野球は常に動くスポーツとは異なり急なストップ&ゴーを繰り返すので足の筋肉に負担がかかりやすいため肉離れのケアにも最適です。
*パンツ*
プロ野球選手の足元を注視すると、パンツの長さとストッキングの露出面積はさまざまです。
大きく見える方がクラシックスタイル、見えない履き方をするのがストレートスタイルでどちらでもメリットがあるため好みで履き方を検討できます。

クラシックスタイルとは、ユニフォームの裾を折り込み、ストッキングを露出させる履き方です。
足元回りを開放することで、涼しく動きやすい恰好となるため快適軽快なプレーができ、内野手に好まれます。
“ストレートスタイルは、ストッキングが隠れるようにパンツの裾を下ろして履くスタイルです。
上にユニフォームがくるためストッキングが汚れにくくなります。アンダーソックスとストッキングとの3重構造で足元の怪我の防止に最適で、激しいプレーが予想される塁手や保護を重視したい投手におすすめのスタイルです。”
*補強*
野球ユニフォームの破れてくる場所は、個人でだいたいが同じ場所だと思います。
お尻の部分は意外と練習などで破れたりしますし、試合の際に飛んで破くこともあります。
そしてユニフォームのパンツの右ひざも破れやすい場所です。
穴が開きかけている段階で補修をしなければそのままビリっと破れてしまいます。
スライディングをする際は地面には直接つくことはなくても、補修が必要になることもあります。
そして左ひざ。
左ひざはスライディングをした場合に軸足になってしまいますので、ぼろぼろになりやすいです。
補修をする場合には、パッドをつけると簡単に補修できます。また、事前にパッドをつけておけばパッド交換のみでの対応もできます。
補修が必要な場所はそれだけ、怪我につながりやすい場所になるのでしっかりとサポートしたいですね。
*ベルトと帽子*
野球ユニフォームを着る時に一緒に使用される物の1つにベルトがあります。
野球は激しい全身運動を伴うスポーツであり、特にスライディングをする時にはベルトを着けていないとずり落ちてしまう心配もあります。
“野球ユニフォームとしての帽子の役割は、頭を保護するためです。
野球ボールが飛んできたときに、頭を傷つけずに保護する役割を持っています。
その他には、チームへの帰属意識が挙げられます。
チームメイトと同じ野球ユニフォームや帽子を着用することで、仲間意識が高まり、野球に専念できる効果があります。”
野球ユニフォーム専門の店で販売している野球の帽子は2種類あります。
メジャー型と日本型です。
メジャー型は、前立ての部分が頭に沿って丸みを帯びているスタイルで、メジャーリーグの選手がよく使用しているスタイルです。
日本型は、前立ての裏に芯が入るスタイルで、正面が立っています。
高校野球の選手たちがこのスタイルを利用しています。

このように、野球のユニフォームにはそれぞれ怪我予防など意味のあるパーツで成り立っていると同時に、チーム意識を高める作用があるようです。
かっこよくユニフォームを着ているだけで強そうに見えますよね。
しっかりと自分に合ったサイズや素材を選択し正しく着ることで、自分のモチベーションを上げ、怪我を予防し、最高のプレイにつながればいいなと思います。

VOl.20

夏の大会も終わり、うちの長男も高校野球を引退しました。
先日、高岡・富山ヤングのOB戦では3年前に卒団した仲間と久々に再会し、同じチームで笑顔いっぱいでプレーをする機会をいただきました。
どの選手も3年前の面影を残しながらも、各段に身体も技術も成長し、驚きと嬉しさでいっぱいでした。
今後も何らかの形で野球に関わっていってほしいなぁと感じました。
そんななか、選手もママさんとも久々に再会しいろいろと話をする中で、「引退後は格段に食事摂取量が減った」という話が出ました。
選手時代は、練習や試合をする体力やスタミナ保持、身体を大きくするためなど食事はトレーニングの一つだったと思います。
引退後は運動量が減り、生活も不規則になりがちなので注意が必要です。
摂取量が変わっても、栄養バランスはきちんとバランスが取れたものを摂取したいですよね。
今回は「完全メシ」について紹介します。
最近、よく目にするようになったのが「完全メシ」です。
9月は防災強化月間でもあり、いろいろなところで 防災訓練や防災のイベントが行われています。その中でも、「非常食」の備えについても、非常時の準備の大切さが言われていいます。
この「完全メシ」はこの非常食にも最適なお湯だけのレトルト、簡単に調理できるというポイントもあります。
★完全メシ★
「完全メシ」とは、この一つを摂取すると必要な栄養素が手軽で簡単にバランスよく摂取できる商品のことをいいます。
最近はカップ麺やお湯を入れたり、レンジでチンするだけのお手軽なものからパンや冷凍餃子まで幅広く種類も豊富に出始めています
★日清からはおなじみの商品が完全メシに★

日清からは、定番の「ラ王」や「カレーメシ」「スムージー」や「グラノーラ」から「日本人の食事摂取基準で設定された33種類の栄養素とおいしさの完全バランス」といキャッチフレーズで上記の商品が出ています。
野球飯でも強調しているたんぱく質は、各商品平均で1食で20gを摂取できるようになっています。これはかなり魅力的ですよね。
★パンにも完全メシが登場★

「BASE BREAD」からはパンやクッキーの完全メシが出ています。
朝食や間食に最適で、調理なしでどこでも手軽に食べられます。また、もう一工夫でサンドイッチにし、野菜やハム、チームをトッピングしさらに栄養UPも可能です。
味や形態も何種類かあるので、高岡・富山ヤングのモグモグタイムや高校生の間食にもおすすめです。
調理がいらないので非常食として災害時にも使えそうですね。
また、ネットで16食分定期購買も可能なので、気軽に導入し継続することもできます。
★みんな大好き、餃子にも★

味の素からは、「餃子を勝ち飯に!」のキャッチフレーズで、体調コントロール用のコンディショニングギョーザと試合前のエナジーチャージ用のエナジーギョーザの2種類の餃子が発売されています。
コンディショニングギョーザは野菜が57%で野菜嫌いの選手にはおすすめです。また、脂質も47%カットされているので練習後に摂取しても胃もたれなく消化に優しいギョーザになっています。
エナジーギョーザは炭水化物をUPし、試合前の食事が進まない時でも食事摂取ができるよう、味が濃い目でパンチが効いた味付けになっています。
自分の体調調整に、選択するとよりパフォーマンスがUPしますね。
★自分の体調や生活パターン、不足分を考慮して..★
このように、一つのものを摂取しただけでバランスよく効果的、効率的に栄養補給とエネルギー補給ができるものは、食事が進まない時や、バランスがうまくとれない時、手軽に摂取したいときや気分転換にも使えます。
ママさんたちにとっても強い味方であり、ママさんのダイエットにも効果的とも言われています。
基本的には、3食をしっかりと食べて自然のものからの摂取が望ましいことは毎回、お伝えしています。
たまには、気分転換や味変などで食べてみるのも食の楽しみの一つです。
自分の体調や体と向き合って、うまく取り入れてみてください。

猪谷 栄 アスリート栄養学インストラクター・看護師
高校2年生と中学2年生の野球息子のママです。 まったく、興味のなかった野球でしたが、息子の応援から始まり「栄養や生活習慣で野球息子をサポートしたい!」という思いが高じて資格を取りました。 栄養や日々の生活での気になることを一緒に考えていきましょう。