野球飯

VOl.1

「運動をして汗をかいた時には、お茶よりもスポーツドリンクを飲んだほうがいい!」と言われています。お店にはたくさんの種類のスポーツドリンクがありますよね。皆さんは何を基準に選びますか?私も、コストパフォーマンスがよいもの・子供の好きな味・成分表をみて買う!はかなりのハイレベルです。

ここ数年、地球の温暖化で夏は猛暑が続き、秋になっても気温の高い日が続きます。熱中症予防、パフォーマンスの向上、効果的な水分と栄養吸収を考えてみましょう。

★まずは、体の組成★
体内の水分量は60%が水分です。「喉が渇いたな」と思ったら、すでに20%の水分が失われていると言われます。汗は99%が水分ですが、ナトリウム、カルシム、マグネシウム、電解質も含まれます。そのため、体液に近い組成のドリンクを補給することがよいのです。

★うまく補給できないと、熱中症や足がつることにつながる★

汗をかくと、水やお茶では水分は補給できても、ミネラルは補給できません。そのため、脱水症状が続き、熱中症を引き起こします。熱中症の症状は失われた水分量で、症状や重症度も違ってきます。

水分喪失率 症状
1% 大量の発汗・のどの渇き
2% 強いのどの渇き・ぼんやりする・めまい・吐き気・尿量減少
3% 汗が出なくなる  ☚deadライン
4% 全身脱力・動きの鈍り・感情の不安定・イライラ・吐き気・眠気
6% 手指の震え・ふらつき・頭痛・体温上昇・
8% 幻覚・呼吸困難・めまい・言語不明瞭・精神錯乱
11~12% 筋痙攣・失神・腎機能不全・平衡感覚異常
15~17% 飲み込み困難・目の前が暗くなる・聴力低下
18% 尿の生成中止
20% 生命器機・死亡

水分喪失3%:汗が出なくなる  ここがdeadラインです。

★効果的に吸収される組成★

「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」には、以下が奨励されています。
①5~15度にひやした水で
②飲みやすい組成で
③胃にたまりにくい組成で

★アイソトニック・ハイポトニックと経口補水液★

スポーツドリンクには,アイソトニックとハイポトニックの2種類あります。それに加えて、脱水補正の経口補水液があります。

★アイソトニック★

アイソトニック=低張液
安静時の体液と同じ濃度や浸透圧で作られています。
体液に近い浸透圧のため、バランスよく吸収されます。
しかし、発汗によって体液が薄くなると吸収速度がおちるため、運動前や後に飲むことが効果的です。
塩分:0.1~0.2%
糖質:4~6%
商品名:アクエリアス・ポカリスエット・ダカラ

足がつる選手は、アイソトニックでミネラル・アミノ酸・ビタミン入りのものを選択するとよいでしょう。

★ハイポトニック★

ハイポトニック=低張液
安静時の体液よりも低い浸透圧の飲料をさします。
塩分:0.1%
糖質:2%
どちらかといえば、経口補水液に近い濃度の飲料です。
発汗で体液が薄くなっているときは、腸管で早く吸収されるため、運動中や運動直後の水分補給に向いています。
糖分が少ないので、エネルギーが必要なときはアイソトニックと併用がお勧めです。
商品名:ヴァームウォーター・アミノバイタル

★経口補水液★

経口補水液とは、塩分が0.3%程度と高めで糖質が2%と低めのものです。
多量の発汗でのどの渇きを感じ、水分喪失が1%となる脱水状態になったときに有効です。
塩分:0.3%
糖質:2%前後
商品名:OS1・アクアソリタ

今回は、スポーツドリンクの組成と効果的な飲用をお伝えしました。まだまだ、暑い日が続きます。効果的にスポーツドリンクを活用し、最大減のパフォーマンスにつなげましょう。
 
野球レシピ:待たせない&お手軽で栄養補給焼きそば
練習や試合から帰ると、疲れてなにもしたくなくなりますね。疲れたからこそ、失われたエネルギーや筋肉、疲労の回復にこそ、おいしいごはん!焼きそばは、フライパン一つできるラクチンメニューです。いつもの焼きそばに+αで、一気に練習後のスペシャルメニューになります。

いつもの焼きそばに….
糖質:失われたエネルギー補給に必須
  POINT:ジャガイモを入れるとボリュームUPで糖質も補給
      ソバ飯としてご飯を入れても、無理なく糖質増量摂取ができます
タンパク質:破壊&疲労した筋肉補修
  POINT:目玉焼きやソーセージを+αで簡単に増量できます。 
      チビッ子が大好きなチーズをかけてもタンパク補給になります。
ビタミン:疲労回復とタンパク質吸収に必須
  POINT:豚肉に含まれるvitBは疲労回復に有名ですよね。
      冷蔵庫にある野菜をなんでも入れて野菜も摂取
ホットプレートで、家族で今日の振り返りを楽しく食事中にするのも会話が増え、食欲増進と心の安らぎも得られますね。

VOl.2

~ヤング先輩たちの生活から、中学の今からできることは…~


先日、高岡・富山ヤング第7回OB会が開催されました。
そこで、OBのみなさんに毎日の生活や捕食、体のメンテナンスについてアンケート調査を行いました。
★高校生はかなり、いそがしい…★

一日のタイムスケジュールからもわかるように、高校生の野球生活はかなりハードです。
中学とは違い、まず、通学に時間がかかります。
そして、授業の後の練習時間も19~20時、強豪校になると部活動のあとに自主練習を行い、21時ごろまでの練習を行っていることがわかりました。
練習時間も毎日3~4時間と、中学の部活動の2倍になります。

★睡眠は….★
睡眠時間も、アンケート結果からは、平均6時間20分
起床時間は、5時半~6時
就寝時間は、23時~0時
中学ではブラック部活動が話題となり、週2回部活動がお休みの日があります。高校は365日お休みがほとんどありません。
自宅での時間が少なく、朝早くに起きて通学し、練習、帰宅後も食事や入浴を済ませ就寝と、毎日がハードになります。宿題も通学の電車でやったりと中学の生活とは大きく変化します。

★食事も自分で考えて…★
中学ではお昼は給食で、バランスが取れた食事が提供されます。
高校生になると、お弁当や学食で自分で考えて食事内容を選ばなくてはいけません。
また、間食も自由なので、自分でエネルギー補給も考える必要があります。
アンケートからも、全員が何らかの捕食をお弁当の時間以外にも摂取していました。
捕食の平均摂取回数は、3回/日
捕食の内容は、ほぼ全員がおにぎりでした。
なかには、おにぎりに焼きそばや肉、プロテインと、栄養面も考えた内容もありました。

★限られた時間の中での疲労回復ができないと、ついていけない★
実際の高校生球児の生活は、多忙で時間がなく、かなりハードだということがわかりました。

睡眠や食事など体のベースがきちんと調整されないと、疲労回復はできません。
疲労が蓄積されたままでは、毎日の練習にもついていけない・集中力の低下・パフォーマンスの低下、さらには怪我のリスクも高くなります。
限られた時間で疲労の回復や体の修復はどうすればいいのでしょ?
今回は、すぐにチャレンジできる「睡眠」に着目します。

★手っ取り早い、急速疲労回復 「ハイパフォーマンス睡眠」★
「ハイパフォーマンス睡眠」=「無駄のない効率の良い睡眠」を実現するには、「寝る前の行動」がポイントになります。
それは、「心身ともにリラックスした状態」で眠りに入ることです。
「心身ともにリラックスした状態」ってどういうこと??ですよね。

★副交感神経>交感神経★

リラックスしている状態とは、副交感神経が優位になっている状態です。
副交感神経が優位になると、筋肉や神経を落ち着かせ、血管が拡張している状態になります。肺など呼吸に関わる臓器を筋肉が締め付けることがなくなるので呼吸は大きく・深くなります。
これが、体から力が抜けて緩んでいる状態のことです。
では、睡眠中にこの副交感神経優位にするときには、どんなことができるでしょう。

★簡単4つで、急速疲労回復★
①日ごろから姿勢をよくする
②深呼吸を意識する
③軽いストレッチを行う
④湯船に入る(寝る前60~90分前)

姿勢・深呼吸・ストレッチは、結局は呼吸を整えることにつながります。
人間は酸素なしでは生きていけません。呼吸によって酸素を取り込み、ヘモグロビンによって血流を通じて細胞に酸素を運び、生体のエネルギー物質ATPを生産します。
要は、酸素を十分に運べないとエネルギーが作られず、体の疲労は回復しません。

★急速疲労回復は、睡眠ホルモンを作る「トリプトファン」の朝食★
睡眠モードを促すホルモンは「メラトニン」です。メラトニンの分泌促進には「トリプトファン」の摂取が必須です。
「トリプトファン」の摂取には3つのポイントがあります。
①朝食に摂取することで夜のメラトニン生成を促す
②ビタミンB6を一緒に摂取する
③よく噛むことでセロトニンを増やすことができる

★急速疲労回復+ハイパフォーマンス睡眠の朝ごはん★

★お好み焼きトースト+ヨーグルトでトリプトファン含有量★
卵:108㎎/個
豚肉:230㎎/100g・ビタミンBも摂取可能
ヨーグルト:47㎎/100ℊorプロセスチーズ:104㎎/36ℊ/1個
ちなみに…我が家では…
うちの次男君、お好み焼きトースト変則バージョンで、食パンをうどんにチェンジし、朝ごはんに「焼うどん」も大好きメニューです。

VOl.3

~野球肘って??~


高岡・富山ヤングでは毎年、野球肘検診を行っています。
今年も、例年同様に開催されます。
そもそも、「野球肘」ってどういう症状なのでしょう???
★「野球肘」とは・・・★
「野球肘」とは、投球スポーツによっておこる「肘の障害」です。
肘の「外側」「内側」「後側」におこります。
子どもの骨は未熟で発育途上のため、弱く傷つきやすく、障害が起こります。
好発年齢は身長が伸びる、10~12歳に発生しやすく、注意が必要です。
ヤング所属の中学生も、身長が伸びている発達途中の選手は注意が必要です。
また、身長が伸び止まっても、スピードボールや変化球を投げる場合も、肘に負担がかかるので注意が必要です。

★一番多い、「内側」の障害★
肘の「内側上顆」という部分の障害です。
内側の靭帯が骨についているところが、繰り返し投球で引っ張られ、骨や軟骨に傷がつきます。
野球肘の中でもっとも発生頻度が高く、10人に1~3人程度におこります。
高校生以上では、内側の靭帯を損傷することが多く、重症な場合は手術が必要になることもあります。

★軟骨がはがれる「外側」の障害★
肘の外側の「小頭」という部分の障害です。
離断性骨軟骨炎とも呼ばれます。 発生頻度は、100人に1~3人程度です。
早期には痛みなどの症状がなく、痛みが出て軟骨が剥がれるまでに1~2年以上かかることから、本人も気づかずに投げ続けることになります。
初期に発見し、治療すれば完全に治癒します。

★肘の「後方」が障害される野球肘★
肘の「肘頭」という部分の障害です。 小中学生には好発せず、高校生以上で生じることが多いです。 投球動作ではボールリリースからフォロースルーの時の後側・内側に痛みがでます。 肘を伸ばす時にも痛みがあり、肘がのばしにくくなります。

★早期発見と予防には・・・・・★
このように、野球肘には3つのパターンがあります。 どれも、一度痛みが出ると野球をお休みしたり、手術が必要になります。 そのため、①定期的なメンテナンス:整形外科でのエコーやMRIでの検査                                                  ②毎日のストレッチ
が早期発見と予防につながります。

★早期発見の定期的な診察と検査★
半年に1回、シーズン終了時とシーズン中の受診がお勧めです。
我が家では、シーズンOFFの冬休み中と、シーズン中の夏休みの年2回の定期受診を心がけています。
★毎日のケアも必須★
毎日のケアも大切です。 野球では肘以外にも、股関節や肩など体の柔軟性が怪我や障害を防ぐ基本です。 毎日のストレッチは、長く楽しく野球を続けるために必要不可欠です。
★ストレッチ動画の紹介★
「公立南砺中央病院」のホームページに「スポーツを行う選手のためのストレッチ動画」を載せています。 *公立南砺中央病院→患者様へのご案内→ストレッチ動画*

お風呂上りや、毎日の寝る前にぜひ動画を見て実践してみてください。
「関節疲労回復デザート」コラーゲンとビタミンCとカルシウムの摂取★

食事の面では、コラーゲンをビタミンCと一緒に摂取することで、腱や関節を作るコラーゲンの合成を促進し、関節の怪我の回復を早めます。 コラーゲンと言えば、鳥皮や鳥手羽先、牛筋肉などちょっと苦手な選手も多いと思います。 意外にも「ゼラチン」はコラーゲンでできています。 ゼラチンは動物の皮膚や骨、腱などの結合成分に熱を加えて抽出しコラーゲンを多く含んでいます。 選手にはゼリーやマシュマロ(←マシュマロもゼラチンで作られます)のほうが食べやすいと思います。 そこにフルーツでビタミンCを、ヨーグルトでカルシウムを補えば、「関節疲労回復デザート」になります★

VOl.4

~オフシーズンだからこその体作り~

「オフシーズンは、来シーズンに向けて体を作る」よく言われるフレーズです。
怪我をせずに、最高のパフォーマンスを行うために、オフシーズンには何をしたらいいのでしょう?
今回は、理学療法士さんにもアドバイスをもらってオフシーズンてできる、怪我をしにくい・最高のパフォーマンスを発揮できるような、ストレッチの大切さを中心に体作りについて考えます。
★スポーツ傷害・スポーツ障害・スポーツ外傷★

スポーツによっておこる怪我のことを「スポーツ障害」と言います。
スポーツ障害をさらに分類すると、「スポーツ障害」「スポーツ外傷」があります。
★「スポーツ障害」★
繰り返しの微少外力で生じる怪我を「スポーツ障害」と言います。投球障害肩・投球障害肘・分離症・シンスプリント・TFCC損傷が「スポーツ障害」に入ります。皆さんが心配し、前回もお伝えした、「野球肘」も明らかな外傷の既往がなくても、繰り返しの投球動作で起こるたことから「スポーツ障害」に入ります。
★「スポーツ外傷」★
一度の大きな外力によっておこる怪我を「スポーツ外傷」と言います。デッドボールやイレギュラーでの骨折・打撲や、スライディングでの捻挫・脱臼など、1回の力でおこる怪我のことをさします。
★野球の動作で考えると・・・★

野球の各動作での障害と外傷の発生リスクです。
ピッチング:繰り返しの投球動作で軟骨や腱が損傷するので障害が多いですが、ピッチャー返しなどで外傷のリスクもあります。
バッティング:素振りの繰り返し動作や過度の負荷を変えての繰り返しの素振りでは障害がおきます。また、打者でのデッドボールでの外傷もあります。
スライディング・守備:スライディングや捕球の際に捻挫や骨折、脱臼のリスクのほうが大きくなります。
ランニング:ランニングも過度になると膝や股関節に負荷がかかり、障害が起こることもあります。
★スポーツ傷害の外的要因と内的要因★
ここまでは「障害」「外傷」で考えてみました。もう一つの見方が、「外的要因」「内的要因」です。
★スポーツ傷害の外的要因★
「外的要因」には、投げすぎやバットの振りすぎ、走り込みすぎなどの「運動過多」、どこか一定の場所に力がかかりすぎる「不良なフォーム」があります。
★スポーツ傷害の内的要因★
「内定要因」には、柔軟性の低下、筋肉の未発達、筋力低下があります。
★「内的要因」はストレッチで回避できる★
ここまで「スポーツ傷害」と「要因」についてが理解できましたね。怪我を回避するためには、体の柔軟性を高めることが一番になります。
★投球動作を1つとっても・・・★




このように、投球動作では股関節・腸腰関節・肩関節・肘関節などたくさんの関節や大腿部・腰回り・肩まわり・肘回りの筋肉の柔軟性が必要になります。
下半身・体幹・上半身の柔軟性や筋力が十分にあれば、各動作がスムーズに連動し、ベストのパフォーマンスを発揮できます。でも、下半身や上半身の柔軟性や筋力が低下するとその分パフォーマンスが下がり、下がった分を上半身の腕や肩で代償「代償動作」しようとします。そのため、肩や肘に負荷がかかり、繰り返し行われることで「障害」が起こります。それが、野球肘野球肩の原因です。
★やっぱり結論、柔軟性と筋力UP★
これまでのことをふまえると、最高のパフォーマンスを行うには、やっぱり、体の柔軟性と筋力UPが必須条件になります。
前回のストレッチ動画では、この各関節・筋肉のストレッチをまんべんなく網羅されたものです。そして、今回はさらにストレッチの効果を上げるために、「ストレッチ4つの原則」を紹介します。
★ストレッチ4つ原則★
①時間・回数・頻度:20~60秒×3~5セット  継続した実施
毎日、1セットでもいいのでお風呂上りや寝る前に実施しましょう。毎日やるからこその柔軟性が向上します。また、2回前の「急速疲労回復」の時にもお伝えした、リラックス状態を作ることになるので、睡眠パフォーマンスも向上します。
②タイミングと順序 運動前と運動後
運動前のストレッチは体や筋肉の温度を上げ筋肉を緩ませます。また、運動後のストレッチは、痛みや異常筋緊張を緩ませ、疲労回復につながります。
③呼吸と痛み 深呼吸で心地よい痛み程度に
呼吸を止めずに伸ばす時に吐きましょう。大きく呼吸することで酸素を取り込み筋肉に酸素を運ぶことができます。また、心地よい痛み以上の動作を行うとかえって筋損傷につながるのでやりすぎには注意が必要です。
④意識 正しい姿勢・固定 伸長感を意識する
同じ動作を行っていても、「伸びている」「効いている」という意識がないと効果が薄れます。また、自分流では正しい効果はなかなか得られません。しっかりと場所を意識して、正しい方法で実施することが大切です。

★運動後は20分以内が勝負!!★
そして、負荷をかけた筋肉の修復にはエネルギー補給を20分以内に行うと効果的に吸収され、エネルギー不足を筋肉破壊から補うことを防ぐことができます。
これは、いつもの、食事トレーニングでお伝えしているおおなじみの内容と同じです。
運動後、20分以内に炭水化物・タンパク質・各栄養素の吸収を促進するビタミンCの摂取を行います。
摂取食品の組み合わせは・・・
おにぎりならば、具材はタンパク質の鮭やツナマヨがお勧めです。
サンドイッチも、ハムやチーズ、卵でタンパク質を補いレタスなどでビタミンの補給が可能です。加えて、オレンジジュースなどビタミンの多い飲み物と組み合わせるとい無理なく食べることができますね。
練習はつらいですが、終わった後においしい捕食があれば、頑張る気力もでますね(笑)楽しく食べることで、幸せホルモンも分泌され、筋肉も大きくなります。
コロナ感染もあり、自宅での時間が増えると思います。また、筋トレとストレッチ、食トレを冬季に実践し、来シーズンは全力で野球できることを願って・・・

今年度から取り組み始めた、今回で4回目の野球飯。「ストレッチ見たよ」「また、いろいろ教えてください」「次も楽しみにしています」などうれしい声をありがとうございます。
少しでも野球少年とそれを支える家族の皆さんのお力になりと思っています。また、「こんなテーマが知りたい!」「食事についてどうしたらいいのかしら?」など質問・ご意見をお待ちしています。

VOl.5

~どうしてタンパク質なの??~

今回は、本当に栄養のお話です(笑)
「筋肉を作るために、タンパク質を取ろう!」「運動後にタンパク質を取ろう!!」
指導者さんや、栄養に関するスタッフからよく聞かれるフレーズです。
みなさんは、漠然と「運動で筋肉が壊れるから、タンパク質を食べて補おう」「もっと筋肉をつけたいから、タンパク質を食べる必要があるからタンパク質は必要だ」と思い、一生懸命摂取していると思います。
では、口から食べたタンパク質は本当に筋肉になっていくのでしょうか???
今回は、タンパク質がなぜ必要か、本当に筋肉になるのかを検証しようと思います。
★体を構成する成分★
人の体を構成する成分は大きく分けると、糖質・脂質・タンパク質・水分から構成されます。
その中で、タンパク質は20%ほどを占め筋肉や皮膚、髪の毛や爪、骨や内臓だけではなく、血液やホルモンもタンパク質からできています。★タンパク質を構成するのは、2種類のアミノ酸★
タンパク質は全部でたった20種類のアミノ酸が連なってできています。
そして、アミノ酸の中でも、体内で作ることのできないアミノ酸=必須アミノ酸と、体内で作ることのできるアミノ酸=非必須アミノ酸の2種類に分けることができます。

みなさんが口から食べた肉や魚などのタンパク質は、そのまま体内に吸収されることはなく、消化酵素の働きで3~4時間かけてペプチドを経てアミノ酸に分解されます。そのあとは小腸で吸収されます。
アミノ酸になると、これ以上は分解できないほどの成分なので30分ほどで吸収されてしまいます。
★アミノ酸は毎日入れ替わっている★
そして、体は毎日、古い組織を新しいものに作り替えています。
髪の毛や皮膚、爪などは毎日少しずつ伸びたり、古い皮膚が垢となって新しい皮膚に入れ替わっていますよね。
だから、普通に生活していても、タンパク質はしっかりと取る必要性があります。

普通に過ごすだけでも消費されるタンパク質。「筋肉をつけたい」「運動後の筋肉回復」には、ふつう+αのタンパク質摂取が必要になります。
タンパク質の1日摂取量は「体重とほぼ同じ量」と言われています。
運動を行うスポーツ選手は、体重の1.2~2.0倍のタンパク質量が必要になります。
例えば、60㎏の選手ならば、72~120gのタンパク質の摂取が毎日必要になります。
★・・・ってことは・・・★
ここまで、体を作っている組織でタンパク質の摂取が必要→スポーツ選手は体重の2倍のタンパク質摂取を奨励→タンパク質よりもアミノ酸摂取の体内吸収が早いのか・・・??
となりますよね。

そうなんです(笑)要は、アミノ酸を摂取するタンパク質よりも分子量が少ないので早く吸収されます。その中でも最近、注目されているのが、BCAAです。
★分岐鎖アミノ酸(BCAA)★
分岐鎖アミノ酸(BCAA)呼ばれるバリン、ロイシン、イソロイシンがスポーツ時に重要な栄養素として知られているよ。食べ物では、まぐろ、かつお、鶏肉、牛肉、卵、牛乳などに多く含まれています。
BCAAは筋肉に含まれる必須アミノ酸の約4割。エネルギー源としても利用されるし、筋肉に含筋肉に含まれるタンパク質を作ることを促します。スポーツ活動後の筋肉のダメージを抑え、筋疲労や筋肉痛を軽減してくれる作用もあります。

このデータは、BCAAを摂取している人と摂取していない人の運動時間と筋肉分解量を比較したものです。
運動時間が30分を超えてくるとBCAAを摂取している方が、筋肉の分解量が少なくてすみます=運動を行っても筋肉からタンパク質を壊してエネルギーを作っていない=筋肉量は減りが少ない!!!という結果を示しています。
★普段はタンパク質を、運動日はアミノ酸を補給★
選手のみなさんは、成長期で体を作る大切な時期です。
そのため、5大栄養素(糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・無機質)をバランスよく摂取する必要があります。
毎日の食事からは、肉や魚、大豆製品や牛乳などからタンパク質摂取をすることで、タンパク質は十分に摂取することができます。
必須アミノ酸は体内にとどめておくことができないため、運動など筋肉の疲労や破壊時に効果的に摂取することで筋肉からのエネルギー転換を抑えることができます。そのため、毎日の意識したタンパク質摂取は不可欠です。
「普段は、タンパク質をしっかりと取る・運動日はゼリー飲料などでアミノ酸でサポート」とという摂取が成長期の選手にはお勧めします。

★タンパク質を多く含む食品★
ここからは、いつもの野球飯でお伝えしている、おなじみの食事からのタンパク質の取り方です。
タンパク質は、肉・魚・大豆製品・乳製品に多く含まれます。

毎食40gのタンパク質×3食=120gのタンパク質を摂取することができます。

主菜や味噌汁などでタンパク質を取りこみ、不足分は納豆や魚肉ソーセージ、卵やツナ缶などお手軽でそのままでも摂取できるもの追加して摂取量を増やすことができます。
いつもの炒め物やサラダに手軽に追加もでき、選手にも食べやすい食品だと思います。
毎日の食事だから、手軽に簡単に追加しおいしく摂取できると幸せホルモンで体も大きくなります。
前回のストレッチや睡眠などと合わせて、チャレンジしてみてください。

VOl.6

 ~腰椎分離症~


富山は雪が積もり、冬季間は外での練習ができないために室内の練習が多くなります。
そして、オフシーズンだからこそ来シーズンに向けて体を作ろうと筋力トレーニングを取り入れるチームがほとんどだと思います。
成長期である中学生の骨や関節はまだまだ不完全です。
筋力トレーニングやオーバーワークが重なると、骨や関節、筋肉の損傷につながります。また、それが積み重なると疲労骨折や偽関節など今後の野球生活にも支障をきたすことになります。
みなさんの親世代は、現代っ子と違い毎日外で遊び体を動かしていることが多かったと思います。
しかし、今の中学生世代は親世代と違い、外で体を動かす機会が小さいときから少ない世代です。
中学に入って、急に部活動でハードな運動や筋力トレーニングを行うと、未発達の骨や関節、筋肉がオーバーワークに耐えられずに疲労骨折や炎症をおこし痛みを引き起こすことになります。
腰痛を2週間以上の感じたときはアスリートの50%に腰椎分離症が含まれる」と言われます。
当院の整形外科にも、中学や高校生の背骨の疲労骨折がここ数年増えつつあります。
今回は、「腰椎分離症」についてお話をします。
~腰椎分離症って??~
腰椎分離症とはいわゆる、背骨の骨折のことです。
部活動などのスポーツを長時間行うことで、背骨に負荷がかかり骨折することです。
具体的には、腰部の神経の後ろにある背骨にヒビが入ります
「疲労骨折」の場合は骨に少しヒビが入っている状態でまだ、完全には離れていません
ずっとヒビが入っている状態が続き、ある日そのヒビから骨が割れてしまうことを「腰椎分離症」とよびます。
子供の場合は、腰痛だけでしびれなどの神経症状は起きしにくいです。
部活動をやっている子供が、2週間以上続く腰痛を訴えたときには、注意が必要です。さらに、足の痛みやしびれなどを伴うときは早急に受診が必要になります。
~どんな検査をするの?~
まずは、整形外科を受診し、レントゲンを撮ることがほとんどです。さらに医師の判断でMRIなどで詳しく調べることもあります。
MRI検査では、分離しているかどうかに加えて内出血や骨の浮腫もとらえることができるので、早期発見・治療を行うことができます。
~治療方法って??~
腰椎分離症の病期ステージは3種類あります。
初期:最初のヒビ割れが始まる時期
進行期:完全に分かれてしまう時期
末期:二度とくっつかずに完全に分離してしまう時期

治療には、初期・進行期はひび割れや割れの進行に合わせて、コルセットを付けることになります。もちろん、運動は病状に合わせて制限されます。
その期間も、ひび割れの程度により、3か月~6か月以上とかなりの時間が必要になります。
そのあとは、まずはストレッチから始め、背骨の周りの筋肉を鍛え背骨をサポートできるように腹背筋訓練から開始します。
何にしろ、腰椎分離症になると、1シーズンはなにもできないことになる覚悟が必要になり、つらい思いをすることになります。
~どうすれば、防げるの???~
まずは、体の柔軟性をつけ、体幹筋力を鍛え、背骨にかかる負荷に耐えられる体を作ることが大切になります。
野球飯でも、頻回にお伝えするストレッチの大切さは怪我予防にも本当に大切になります。
そして、背骨をサポートする腹背筋など体幹筋力の鍛えることが予防にもつながります。
腰痛が2週間以上続く場合や神経症状がある場合は、早めにMRIのある整形外科の受診をおすすめします。
~食事面も大切です!~
毎日の練習に耐えられる体作りには、食事の面でも大切になります。
ここ何回かの野球飯でもお伝えしているたんぱく質の摂取は筋肉の増強と筋疲労の修復には不可欠です。また、前回お伝えしたBCAAを運動直後に取ることで筋肉の修復と筋肉量の減少を防ぐことができます。
今回は、これに加えて、骨を作るカルシウムの摂取についてお話いします。

「骨」といえば「カルシウム」と思いますよね。
でもカルシウムだけを摂取しても骨は作られません。骨を作るには「ゴールデントライアングル」があります。このトライアングルを完成させるには「カルシウム」に加えて「腸でカルシウムの吸収を促進するビタミンD」「骨を強化するビタミンK2」が必要になります。
カルシウム・ビタミンD・ビタミンK2を多く含む食品です。たんぱく質と被る食品も多くありますよね。

この中から組み合わせたクイック料理を一つ提案しますね。
カルシウムからわかめやシラス、ビタミンDからは鮭、ビタミンK2は納豆をチョイスし組み合わせて、納豆&鮭チャーハンとわかめスープです。

納豆は別に食べて、鮭チャーハンやシラスチャーハンにしてもバリエーションが広がります。
この組み合わせてお好み焼きに、サクラエビ・シラス・納豆を入れ、チーズをトッピングに使ってもイケますね。
色々な組み合わせを子供と考えて試してみると、栄養面での知識も広がり楽しくごはんが進むと思います。
チャーハンやお好み焼きは調理過程も簡単で、一緒に楽しく作るとより食欲の増進にもつながります。
食事をしっかりと食べて、ストレッチと体幹筋力を鍛えて、長く楽しく野球ができる体を作りましょう。

 

VOl.7

グラウンドの雪も解けて、心待ちにしていた外での練習が開始になりましたね。昨年はコロナウイルス感染で練習や試合も思うようにできませんでした。その分、自主 トレーニングや筋力トレーニングに励んできた成果を今年こそ、BESTな状態で発揮しましょう。
先日、野球少年ママから「練習や試合の時に、どのタイミングで何を食べると効果的にパワーを発揮できるのですか?」という質問をいただきました。
今回は、練習や試合前後の栄養摂取について考えてみましょう。

前年度の食事トレーニング講習でもお伝えしたことをおさらいしてみましょう。


試合や練習の日の朝、朝ごはんはみなさん、何をたべますか?
前回の食トレで選手のみなさんは「ごはん」という意見が一番多かったですね。気合いを入れて「からあげ」、ミートするように「ミートボール」といった選手もいました。

★「空腹」は最大の敵・朝は何かを食べる!!★
「朝はなかなか食べられない」「時間がない」など、朝が苦手な選手には朝ごはんの時間の確保も大変かもしれません。
大切なのは、空腹で練習や試合の朝を迎えないということです。空腹時は、体を動かすエネルギーは筋肉を分解して生産されます。せっかくの筋肉を分解してエネルギーに変えていては本末転倒になってしまいます。
★糖質・タンパク質・ビタミンを意識★
朝はまずは、なにはともあれ「必ず何かを食べる!」ということにつきます。そこに少しレベルを上げて「糖質」「タンパク質」「ビタミン」のバランスを追加します。
これは、いつもお話している「練習後の捕食」と同じ栄養素です。
・おにぎりで糖質、野菜や豆腐を入れた味噌汁でタンパク質とビタミン
・ハムやチーズ、野菜を入れたサンドイッチで糖質とタンパク質、ビタミンとオレンジジュースでビタミン                            など、朝ごはんでも簡単に練習や試合前の栄養食の摂取ができます。
★練習や試合の3~4時間前までに、しっかりと★
そして、気合いを入れて満腹まで食べる必要はありません。練習や試合の3~4時間前までは消化吸収の時間があるので、満腹に摂取しても問題はありません。それ以降になると、練習や試合の時に消化吸収に血流がとられるため、効率のよいパフォーマンスが得られなくなります。

練習や試合の1~2時間前まではバナナやカステラなど消化のよい糖質を摂取します。
それ以降はゼリー飲料やスポーツドリンク、など水分中心の補給になります。

★落とし穴に注意!!★
そして注意が必要なのは「インスリンショック」です。
人間の体は、食べ物を摂取すると糖分が急激に血液に吸収され血糖値が上昇します。膵臓からインスリンという血糖を下げるホルモンが分泌され血糖値を下げよとします。
練習や試合の直前に糖分を多量に摂取すると、このインスリンが作用し血糖を下げようとする働きと、運動での血糖を消費する二つの糖分を下げる働きが重なってしまいます。そうなると、逆に低血糖症状になり、倦怠感や持久力の低下が起こってきます。
もし、症状が出た場合は吸収の早いゼリー飲料やジュースなどで糖分の補給が必要になります。
そして練習や試合の間も空腹にならないように気をつけることが大切です。空腹感を感じた時点ですでに筋肉からエネルギー補給が始まっていると考えらます。

★お弁当も大切★
お昼ごはんのお弁当も大切な栄養補給になります。
1日練習や、1日に何試合もある日はエネルギー消費が大きくなり、失った分のエネルギー補給がお弁当で必要になります。
内容は、主食+主菜2:副菜1(ビタミン系:野菜):副菜1(ミネラル・タンパク質系)で考えます。エネルギー不足にならないように、おかずに焼きそばやお好み焼き、スパゲッティなどの炭水化物で糖質を補う「W炭水化物弁当」をお勧めします。
練習や試合中は汗を多量にかきます。そうなると、体から塩分や水分と一緒にミネラル成分も失われてしまいます。
味付けは気持ち濃いめにし塩分を補給、ヒジキやわかめなどでミネラルも補給できるといいですね。
また、野球飯1でも紹介したようにスポーツ飲料も「アイソトニック飲料」と「ハイポトニック飲料」をうまく使い分けて飲用するとより効果的に吸収されます。
野球飯2.3では睡眠や生活リズム、ストレッチの大切さをお話ししています。生活リズムを日ごろから整えておくことが、最高のパフォーマンスの発揮につながると思います。
無理をせずに、楽しくおいしく、効果的に栄養摂取を行い、最高のパフォーマンスを発揮できるよう、日々の生活から心がけていきましょう。

VOl.8

新入部員を迎え、OP戦も組まれ、今シーズンも始まりましたね。
先日、OP戦でスコアラーに入り、精一杯プレイする姿や真剣なまなざし、元気な仲間への声かけをまじかに見ることができ、シーズンが始まったことを実感しました。
最近は「野球飯見てます」「毎回、楽しみにしています」などうれしい言葉に加え、栄養に関する質問も増え、栄養に関心を持ってくださるママが増えてきたことも本当にうれしく思っています。
そんな質問の中から、「とり肉がタンパク質を含んでいいと聞きますが、どの部位を食べても同じなのですか?」「むね肉がいいと聞きますが、むね肉ともも肉は何が違うのですか?」「むね肉は食べにくく、もも肉を食べているがダメのか?」など、とり肉関連の質問がありました。
今回は、「とり肉」について考えてみましょう。

★とり肉のまえに、鳥を知る★

とり肉といえば、ニワトリを思いますよね
その前に、渡り鳥のお話をします。ここ数年、スポーツ界でも渡り鳥の持久力が注目され、研究されています。
渡り鳥は、何千キロという距離を飛び続け、遠くロシアやアラスカから日本にもやってきます。キジの仲間のオオソリハシシギは、驚くことに、アラスカからニュージーランドまでの11000㎞を全く休むことなく9日間も飛び続けるそうです。
なぜこれほどの距離を休まずに飛び続けることができるでしょうか?
近年、この「渡り鳥」の研究が進み、その秘密にはとり肉が関係していることが解明されました。
★活性酸素を除する「イミダゾールペプチド」★
渡り鳥は、酸素を使いながら飛び続けます。この時に、体内に発生する「活性酸素」が細胞を傷つけ、これが疲労の原因になります。しかし、この活性酸素を除去する「イミダゾールペプチド」が鳥の体内の特に「むね肉」に多く含まれていることが解りました。
疲労の原因といわれる活性酸素は、細胞を錆びさせ、疲労だけでなく老化や病気の原因になるとも言われています。ママ達にとっても、聞きたくないワードですよね(笑)
またイミダゾールペプチドは記憶力の改善もに関連しているとわかっています。認知症の予防にも効果があるのではないかと研究が進んでいます。選手にとっては勉強も大切な仕事。記憶力の改善にも効果があれば一石二鳥ですよね。
研究によると、人が疲労回復のために必要なイミダゾールペプチドは200㎎/日、鳥のむね肉100g には約1200㎎のイミダゾールペプチドが含まれています。1日、100ℊも食べれば疲労回復効果を得られることになります。
スーパーでとりのむね肉は100㎎/60円前後、安いときは40円前後でかなり家計にも優しい食材だと思います。積極的に取り入れて選手の疲労回復とママのアンチエイジングを実践しましょう。
★では、部位別に栄養は何が違うの★

まずは、とり肉の部位を知りましょう。むね肉もも肉はみなさん、よく知っていると思います。焼き鳥好きな人はせせりや肝、手羽先、ぼんじりなどもよく聞きますよね。
では、パーツ別に栄養素を見てみましょう。
★とり肉はささみ??★
とり肉100ℊあたりのタンパク質ランキングです。

100ℊあたりでのタンパク質量の差は、むね肉:23ℊ>もも肉:19ℊと5g前後の差です。カロリーで比較するとむね肉:116㎉<もも肉:127㎉とエネルギー摂取が必要な年齢の選手には魅力です。
★目的別に考えると・・・★
①筋肥大を促す、筋肥大バルクアップ筋トレ向き:高タンパク質で適度なカロリーがある
*バルクアップ:単に体重を増やすだけでなく、体脂肪を増やさずに筋肉を発達させて体を大きくしていくこと。
②減量・ダイエット筋トレ向き:高タンパク質で低カロリー
筋トレに向かない部位:高カロリー
の3つのパターンがあります。
★筋肥大バルクアップ筋トレ向き部位★
せせり:首の部分の肉でほどよいカロリーを含んでいます。
もも肉:やや筋肉合成カロリーは低めですが、高タンパク質でごはんなどの主食と一緒に食べるとバルクアップに理想的な栄養バランスになります。皮は除去したほうが脂肪がカットされます。
とりレバー:とりレバーも適度な脂質を含んでいてバルクアップ向きの部位です。また、ビタミン、ミネラルが多いことも筋肥大に有利です。
★減量ダイエット筋トレむき部位★
ささみ高タンパク質、低カロリーで、なおかつむねよりも柔らかく食べやすいのでダイエット筋トレでは最高レベルの食材です。
むね肉高タンパク質・低カロリーな上に、リーズナブルなのでダイエット時のメイン食材とも言えます。
砂ぎも:砂ぎももかなり高タンパク質・低カロリーでダイエット筋トレに最適な食材です。

★筋トレに向かない部位★
鶏皮:低タンパク質・超高カロリー(笑)好きな人も多いかもしれませんが、いいことはなしです。
ハツ:かなり脂質が多めで、鶏皮同様、あえて食べる必要がない部位です。
★結論は…おいしく食べればいい(笑)★
結局「とり肉はむね肉もも肉、どちらを食べたほうがいいのか???」
100ℊあたりでのタンパク質量の差は、むね肉:23ℊ>もも肉:19ℊと5g前後の差です。いつもお話するように、タンパク質5ℊは魚肉ソーセージ1本or納豆1パック程度の差です。タンパク質がもも肉のほうが少ないですが、カロリーで比較するとむね肉:116㎉<もも肉:127㎉とエネルギー摂取が必要な年齢の選手には魅力です。
結論は、どちらでもやや効果は違うかもしれないが、栄養的にはもも肉もむね肉も高タンパク質で積極的に摂取したい食材であるということです。
無理に、パサパサで苦手なむね肉をたべるよりも、食べやすいもも肉に納豆や魚肉ソーセージを追加すればいいのです。大切なのは、選手が喜んで、おいしく食べること!だと思います。
★パサパサ防止には調理前のひと手間★
パサパサ防止には、下処理にお酒につけたり、話題の麹につけたりすると繊維が軟らかくなります。また、調理前にフォークで穴をあけると繊維が断ち切られ柔らかく味もしみこみやすくなります。ちなみに、この作業はブスブスやるので私はかなり好きです(笑)
また、カットするときも繊維と垂直に繊維を切るようにカットするとパサパサ感は改善されます。
★なんでも調理できる、なんにでも合う★
とり肉は味が淡泊なので、どのような調理をしてもおいしく食べることができます。
唐揚げや親子丼は選手が好きなメニューですよね。
★ベースは同じ、+αがちがってくるだけ★

チャーハンで考えてみましょう。バルクアップをする場合はもも肉を使用しエネルギーとタンパク質をしっかりと摂ります。成長期の選手にはこちらをおすすめします。中には、体重が気になる選手もいると思います。そんな時はダイエット筋トレメニューに、ごはんの代わりに枝豆などで加算しを行い、タンパク質の増量を行います。

同じ考えで、チキン南蛮で考えると、、、
バルクアップをする場合はタルタルソースで卵のタンパク質を追加し、Wタンパク質摂取が可能です。この時に、衣をパン粉の代わりにお麩を砕いたものにチェンジすると、アミノ酸も摂ることができます。
ダイエット筋トレメニューにするときは揚げずにフライパンで焼き、甘酢の野菜たっぶりのあんかけにするとカロリーは大幅にカットでき高タンパク質を摂取できます。

また、もも肉・むね肉ともに、いつものきんぴらや煮物、炒め物にも淡泊なので味を邪魔することなく追加が可能です。また、とりミンチもいつもの牛ひき肉のハンバーグに追加したり、とりそぼろ丼にしたりと幅広く使えます。
★いまは、成長期の選手たちです★
筋肉をつけてほしい、体重を増やしバッティングの飛距離を伸ばしたい、体を大きくしたい…、逆に体重を絞ってシャープな動きをしたい、など…..各選手や親ともそれぞれに悩みはあると思います。その中で忘れてはいけないのは、選手は体を作る大切な成長期にあることです。いまは、しっかりとバランスの良い食事をきちんとおいしく、楽しく食べて必要な栄養素をきちんと摂ることです。
きちんと楽しく、おいしく食べて、ベストなコンディションで野球ができることを願っています。
「こんなことが知りたい」「どうしたらいいの?」など疑問や質問はいつでも受け付けOKです。
また、体のこんなことが気になる、トレーニング方法やメンテナンスに関しても、医師や理学療法士、整復師などと相談ができるので、栄養面に関わらずなんでも疑問や不安は声を掛けてください。選手がベストに野球ができるように一緒に考えていきましょう。

VOl.9

お天気のいい日が多くなり、気候も気持ちよく野球には最適な季節になりました。もう数か月もすると夏になり灼熱地獄になりますが..(笑)この気持ちの良い季節を楽しんで野球に取り組んでほしいと思います。
今回は、我が家のエピソードから…
ここ数カ月、我が家の野球息子の二人ともが「足首が痛くて練習ができない」と言ってきました。
転んだり捻ったりなど何かしたわけでもなく、腫れたり傷があるわけでもなく..しばらくシップ外用薬を貼付し様子を見ていましたが改善が見られませんでした。

悩んだ末に、整骨院を受診してみることにしました。
私自身が看護師であることもあり、レントゲンやCT、MRIやエコーなどの画像を伴う診断はエビデンスがあり納得できますが、整骨院や接骨院の電気を流したりブラインドでのマッサージには確信が持てず、今まで受診したことはありませんでいた。(整骨院ファンの皆さんすみません)

半信半疑で受診した整骨院では、二人とももともと関節が固いことが最大の原因でした。
前脛骨筋が固くなり、関節も硬いため前脛骨筋の腱も伸び縮みができなくなり、足首の痛みを引き起こしていました。長男の場合はそれが土踏まずまで影響され足の裏の痛みも引き起こしていました。
整骨院で電気を流し筋肉の血流を促し筋肉の修復を行い、筋膜リリースを行なうと痛みがとれ、関節可動域も広がり蹲踞(俗に言う和式トイレ座りのことです)ができるまでに可動域が上がりました。
整骨院の先生からは、「最近の子供は関節が硬く体の使い方が下手な子が多いため、筋肉関節に負荷がかかり痛みを引き起こすことが多い」と言われました。
また、「慢性的な痛みや筋肉や関節の硬さは徐々に蓄積され、本人も「いつもこんなものだから」と思い、気づかないうちに筋肉や関節に負荷をかけ損傷している」とのことでした。
そして、いままでは痛み=冷やす・アイシングだと思っていましたが、急性期でなければアイシングではなく「温める」ことが大切になることを教えていただきました。
今回は、「冷却」と「温熱」について考えてみましょう。

★「傷害」と「障害」★

前回の野球飯でもお伝えした、「傷害」と「障害」が今回は判断のポイントになります。
野球に関するには二つの種類があることをお伝えしました。
デッドボールや走塁中に足を捻ったなど急に怪我をした場合を「外傷」といいます。
投げすぎて肩が痛い、スイング動作を繰り返して腰が痛いなど時間とともに怪我が悪化してしまうものを「障害」といいます。
基本的に、急性期のスポーツ「傷害」が起こった場合は患部を冷却するアイシングが推奨されます。しかし、怪我をして数日、数週間たった状態になると今度は患部を温めることが勧められます。
これは、怪我をした部分の組織がどの程度回復しているか回復過程によって変わってきます。

★「傷害」=アイシング・冷却★

怪我をしてすぐの時は患部は氷などを使って冷却を行います。これは、炎症を拡げないよう抑える効果を期待して行います。炎症症状は怪我をしてからおよそ48~72時間程度(2~3日)続くと言われており、この期間は患部の炎症が拡がらないよ冷やすことが優先されます。

★あわせて「RICE」を★

炎症時には冷却に加えて「RICE処置」を一緒に行うと効果的です。
R(Rest):安静 静かに休む  炎症がひどくならないように安静をとります
I(Icing):冷却 患部を冷やす 炎症が拡がらないように冷却
C(Compression):圧迫 適度な圧迫 痛みがある場合は控えましょう
E(Eivation):心臓よりも高く 血流を抑制します
どれも痛いときには自然にやっている行為ではないでしょか。

★冷却のやりすぎは注意!!★

ここ数年はジュニアや高校野球でもけが予防に、投球制限ができました。以前のように投げすぎで肩を痛めるということは減ってきていると思います。なので、基本的に怪我でない限り投球後のルーチン的な冷却は不要といわれるようになっています。
海外などでは投球後の冷却はほとんど実施されていません。日本のプロ野球でも最近は冷却をしない方向になっています。
投球後に肩や肘の張りを感じた場合は短時間の冷却を実施します。冷却も大切ですが、ストレッチやダウンをしっかりと行い、筋肉の張りをとることが大切です。
冷却の時間の目安は肩なら15分ほど、肘ならば10分ほど、捻挫などの怪我の場合は15分ほどです。
痛みの感覚がなくなり冷たいとも感じなくなれば、冷却中止でOKです。いつまででも冷やしていることは不要です。

★「障害」=温熱・温め★

炎症症状は怪我をしてから48~72時間ほど続きますが、その間に細胞レベルでは怪我の修復が進められて今度は「温める」ことに切り替える必要があります。
目安としては、患部に熱感がなくなり腫れや内出血が収まり、動かしても痛みがない程度のことです。

ここからは、組織の再生を促すために、「温め」ることになります。
また、慢性的な痛みでなる「障害」の場合の原因は、炎症による痛みよりも筋肉や関節が硬くなって動きが悪くなることで起こる痛みであったり、血流の低下が原因となっている場合が多いです。
このケースでも「冷やす」ことよりも「温める」ことが重要になります。
冷却が必要な期間は2~3日でそれ以外は、日々「温める」ことを意識することが大切だということを今回、私自身が学びました。では、具体的にどうやって「温める」を取り入れていけばいいのでしょう??

★外からの物理療法・中からのストレッチ★

「温める」方法は2種類あります。、
蒸しタオル(電子レンジで作るホットタオルがお手軽です)を患部にあてるなど外から物理的に温める方法と、ストレッチやアップなど体の中から温める2つの方法があります。
「傷害」の怪我の場合は、しばらく動かしていなかったため、再発防止もかねて全身のアップとは別に時間をとって患部の十分なストレッチが必要です。
慢性的な「障害」の場合も十分なストレッチで体を十分に温め、筋肉や関節を柔らかくしておくことが鉄則です
また、野球飯2で紹介したようにゆっくりと入浴しその後のストレッチで筋肉や関節をほぐすなど日々のメンテナンスも重要になります。
そしてリラックスした状態で眠りにつければ、急速疲労回復の時にお伝えした良質な睡眠にもつながります。

★あったか味噌汁・スープ★

食事の面からも体を中から温めることができます。
今回、栄養士さんとお話をする機会があり、我が家のエピソードをお話ししました。
「痛みがあって凹んでいる、筋肉の修復を促し体を温めて血流をよくする料理はありますか?」と相談すると、「カレー鍋」を教えてくださいました。
選手は基本的にカレーが好きですよね(例外な選手もいると思いますが..)
カレーには香辛料が使用され、食べると血流が良くなります。また、鍋にすることで野菜もたくさん摂取でき、スープもごはんにかけたりうどんを入れたりと栄養素を余すところなく摂取できます。

豚肉を入れることでビタミンAを摂取でき疲労回復効果も期待できます。
また、チーズや牛乳を入れることで味がまろやかになると同時にカルシウムの摂取も期待できます。
そして、鍋を囲んで家族と楽しく食事することでメンタル面でもリラックスすることができます。
我が家でもやってみたいと思い、息子たちに相談すると「いつもの味噌鍋がいい」と保守的な返事が…我が家の男子は冒険が嫌いなようですが、そのうち突然出して食べさせたいと思っています(笑)

★すべてはつながっている★

今回で9回目の投稿の野球飯。毎回、単品のテーマでいろいろと私の興味や野球ママさんからの質問を取り上げて投稿してきました。
ここ数回、毎回思うことが「すべてのことはつながっている」ということです。
バランスの取れた成長期の食事・入浴後のストレッチ・リラックスした環境での良質な睡眠・朝ごはんを食べて空腹時間を作らない、練習前後の栄養補給、今回の怪我への対応…..
毎回どのテーマでも、日々の生活が大切になってくることを毎回考えさせられます。
選手たちが長く楽しく思いっきりプレーできるよう、過去の野球飯を振り返ってみてもらえると嬉しいです。

VOl.10

気温が高い日があるかと思うと、雨で肌寒い日もあり体調を崩しやすい季節になりました。また、五月病という言葉もあるように新しい環境に疲れが出やすい時期でもあります。体調管理に気をつけ、しっかりと睡眠と食事をとり乗り切りたいですね。
新チームになり練習や試合も軌道に乗り始めると同時に、選手の中には新しいチームメンバーに脅威を感じたり、自分の実力をもっと上げたいと思うことも少なくないと思います。
今回はあるお父さんからの質問です。
お父さんも栄養に関心を持ってもらえうようになり、私自身、ママとしても栄養インストラクターとしてもうれしい質問でした。(笑)

少し前までは、「プロテイン」といえば「ジッパー付きの大きな袋に粉末が入っていて、シェイカーで水や牛乳で溶かし、粉っぽくおいしくない飲みづらいもの」というイメージ(←実際にそうでした(笑))があると思います。
ここ数年、タンパク質やプロテイン摂取はスポーツの世界以外でも注目を浴びています。病院でも、「リハビリテーション栄養」と言って、低栄養の高齢者に効果的にリハビリを行うために、食事の中でもタンパク質を補う、特にタンパク質の中でもBCAAなど特定の栄養素の補給の必要性が言われるようになっています。
前回の野球飯5で、タンパク質の中の「BCAA」についてお話しています。興味のある方はバックナンバーを振り返ってみてください。
スポーツ界はもちろん、医療分野でも注目を浴びているタンパク質やプロテインですが、スーパーやドラックストアでも手軽に飲めるパックタイプのものや、コンビニエンスストアでもプロテインバーやサラダチキンバーなど簡単に摂取できるものも多くあります。
★いまさらの、タンパク質とプロテインって違うの?おなじなの??★
プロテインという名前を聞くと一種類の物質名のように感じてしまいがちですが、そもそもプロテインとはタンパク質のことです。 筋肉に欠かせない物質のタンパク質には筋トレと合わせると有用なものがあります。 その中でも摂っておきたい代表的なものに 「ホエイ」「カゼイン」 があります。

★プロテインの説明をしておきながら、プロテインは基本的に不要!!★
基本的に、選手のみなさんは今、体を作る大切な成長期に当たります。
毎日、必要なエネルギーをきちんと摂取していれば、プロテインは必要ありません。
食事トレーニングの時にもお話しましたが、体重割合で計算するとジュニアの野球選手は毎日3000~3500㎉の栄養補給が必要になります。
そして、糖質・タンパク質・脂質・ビタミンなどの食事の割合を考えてみると・・

主食になる糖質は全体の60%、主菜になるタンパク質は30%の配分になります。
このバランス配分をもとに総カロリーを踏まえて考えると・・・・

1日にごはんをお茶碗10杯分=1.3~1.4合の摂取が必要になります。なかなか1食では厳しいので、補食で無理なく摂取することを目標にします。

タンパク質も同じように体重で考えると・・・

だいたい毎日120~150gが必要になります。大まかなタンパク質量を見ると、次のスライドになります。

毎日3食、バランスよく主菜を摂取すると、1食に30gの摂取×3=90gが可能になります。そして、不足分はいつもの定番の考えで、納豆や魚肉ソーセージやシーチキンをトッピングで補うとおおむね、毎日の目標タンパク質量はクリアされます。
そこに体を大きくしたいと、さらにプロテインを追加すると・・・

体は消化機能の容量を超えて処理できなくなります。そうなると、せっかくタンパク質を摂取しても脂肪に変換してしまいます。
さらに、過剰摂取になると、肝機能障害や便秘や下痢を引き起こしてしまいます。
最近の研究報告では、タンパク質は体重の1.5倍しか毎日処理できないという報告もあります。残ったタンパク質は脂肪に代わるか、肝臓や腎臓で処理・排泄されてしまうのでやはり、適量を食事から摂取することで十分だといえます。
★参考までに、我が家のプロテイン状況★
二人の息子の野球生活で、私も体を大きくしてやりたいと思い、プロテインを取り入れていた時期がありました。
長男君が小学校の5年生の時に初めて「ジュニアプロテイン」を取り入れました。毎日ではなく、練習のある日の練習後に指定量の半分から摂取しました。
しかし「粉っぽくておいしくない」「練習終わりにこんな甘くてのどが渇くものは飲めない」などかなりの不評で、いろいろメーカーを変えたり味を変えたり・・・
結局は続かずに、中学に入ってしばらくで食事でのタンパク質摂取に切り替えました。
「タンパク質摂取!」と考えると大変に聞こえますが、難しく考えずに単品でもトッピングでもタンパク質製品をいつもの食事にプラスすることを心がけています。
納豆・魚肉ソーセージ・ツナ・枝豆・なんにでも粉チーズやとろけるチーズをのせる・コンビニのささみバーやレジ横のからあげ系が長男君のお気に入りです。
タンパク質吸収を上げるためにブロッコリーやホウレン草、ブロッコリースプラウト(←ビタミンCを多く含み切るだけで食べられるのでお手軽食材です)などビタミンの多い食材も積極的に取り入れています。

次男君の場合は、ここ数年、プロテインブームもあり味も種類もかなりバリエーションが増え、飲みやすくおいしくなりました。ヤングの練習後20分以内の車の中でZAVASを1本飲んでいます。

★結論、元気に大きく育っています(笑)★
中学1年時、160㎝/55㎏だった長男君。現在、高校2年生になり、178㎝/75㎏/体脂肪率:17%となっています。プロテインなしでも、身長は18㎝伸び体脂肪を増やすことなく体重と筋肉UPが図れ、順調に成長しています。もう少し筋力+体重UPを計画し、自主的な朝練習で筋力トレーニングを取り入れ、タンパク質の消費を促しながら、必要量の摂取UPを心がけて食事を準備しています。
次男君も、中学1年時、158㎝が一年間で169cmと11㎝伸び、伸び盛り真っただ中です。
結論は、しっかり食べてその分ロスがないようにしっかりと体を使い消費することが大切です。
このバランスが取れれば、プロテインはあえて必要はありません。
逆に、食が細く食べられない、練習後に思うように食事が進まない時の救世主的に摂取することはお勧めします。
★摂取するなら、ホエイを、自己調整量で!★

そして一番初めに、プロテインの種類をお伝えしました。成長期の選手の皆さんには「ホエイプロテイン」をお勧めします。
ホエイプロテインは、大豆プロテインやカゼインプロテインと比較すると、消化吸収が穏やかで胃腸への負担が少ないのが特徴です。
スライドに示したように、摂取時間や摂取量は注意が必要です。そして、やっぱり、基本は毎食の食事からの摂取が理想になります。
★あと何年かしか・・・★
選手の成長は親にとっても楽しみですよね。私自身、なにか頑張る子供のサポートができないかと思い栄養学を学びました。
食事に配慮することで素直に大きく成長していく息子達を見ることは、本当に楽しくやりがいがあります。
これも、あと数年しか子供に食事やお弁当を作ることができないかと思うと、楽ができてうれしいと思う反面、寂しい気持ちも大きいです。
そう思うと毎日の食事が、食べることだけではなく、食事の大切さ、コミュニケーションや今後、大人になった時の食事に対する自己管理にもつながる大切な食事トレーニングになっていると日々感じます。
毎日大変ですが、子供の成長をを楽しんで食事に取り組んでもらえると、私もうれしいです。

VOl.11

雨で湿度が高い日や、気温が高く暑い日も出始めてきましたね。
シーズンも始まり、練習もきつくなってきていると思います。
選手の皆さんは疲労がたまったり、食欲が落ちてくる時期です。しっかりと睡眠をとり、食事からは栄養をきちんと摂取したいですよね。
先日、あるクラブチームさんから野球飯の講演依頼がありお話をしてきました。
ママさんたちから「暑い日はお弁当が進まないので素麺を持たせているのですが、栄養的にだいじょうぶですか?」や、「麺類って消化にいいんですか??」「麺類のなかでおすすめはありますか?」など、お弁当に麺類を取り入れることへの質問が多くありました。
今回は、練習や試合の時の麺類の上手な取り入れ方について考えてみたいと思います。

★まずは消化・吸収について再確認しましょう★

食物の摂取や消化、吸収および排便を行う臓器を消化器系と呼びます。
消化は噛む・切るなどの物理的に起こる機械的消化と、消化液による分解の化学的消化から成り立っています。
口から肛門までの消化器は長いトンネルのようなものです。
まずは、口では外から受け入れた食物を噛んで小さくします。小さくなった食物は、胃で酸によって溶かされたり塩酸によって殺菌され、小腸で消化液と混和されさらに粉々にされて吸収されます。
吸収された栄誉素は身体の内部に入り、エネルギーとなります。
吸収されなかった残りは、大腸で微生物のえさとなります。そこで微生物が作るビタミンとして吸収され、残りが便として排出されます。

★食べ物が胃にとどまる時間★


食物の胃の中での停滞時間は、固体では3~6時間です。
胃の筋肉運動によって消化液と粘液が混ざり合って、2~3分に1回の割合で少量づつ十二指腸におくられます。
油は胃での運動を抑制する働きがあります。そのため、油分を多く含む食べ物は胃での停滞時間がながくなります。また、胃から小腸に移る時間も長くなり、「胃もたれ」の状態になります。
そうなると、胃での消化もそこそこに小腸に送られて、小腸でも栄養素を吸収できずに排出されてしまいます。
食物の消化にかかる時間は上の図を参考にしてください。
油分の少ない、ごはんや食パンなどで、2.5時間、うどんで3時間ほどかかります。
パスタでは3.5~4時間、油分の多めになる中華麺は4~5時間になります。
そして、麺類は噛むことによって食物を細かくし消化液と混和させ消化を促す作業が短くなります。
そうなると、胃での消化に時間がかかり消化吸収に血流がとられ、パフォーマンスへ能力の低下につながります。
このことが、麺類よりもごはんやパンのほうがいいと言われる理由になります。

★でも、食べれないくらいなら....★
夏の練習は、暑さもあり疲労が増し、食欲も低下気味になります。
そんな中で「ごはんやパンがのどを通らずに食べられない…」という選手は多いと思います。
これは私の考えですが、「食べられないくらいなら、何でもいいから食べる!」のほうがいいと思っています。
空腹での練習は、せっかく作った筋肉からエネルギーを作り出し筋肉量の低下につながります。
ごはんやパンなどが食べられればベストですが、どうしても食べられないときは麺類でもいいので摂取し、空腹の時間をできるだけなくすことが大切です。
その時に、いつもの麺類の食べ方ではなく、消化吸収を少しでも良くなるよに、よく噛むこと意識して摂取することです。

★私も失敗の一人(笑)・麺類も少しの工夫で★
「麺類はよく茹でたほうが軟らかくなって消化にいい!」と思い、軟らかめに茹でていた私です。
先日、栄養士さんとお話する機会があり、驚く真実を発見しました。
「麺類はよく茹でると、消化が悪くなる」
まさかの、麺類は茹ですぎると、消化が悪くなるのです。
麺類はおもに小麦粉からできています。小麦粉に多く含まれるグルテンはデンプンを多く含んでいます。
このデンプンは消化酵素が入り込みやすく、消化しやすいという特徴があります。
麺類を長時間茹でると、このデンプンが流れ出してしまうため消化酵素が成分を分解しにくくなる現象が起こるそうです。また、ゆで汁にビタミンなどの栄養素も流れ出してしまい、栄養価も低下してしまいます。
逆に、あまり茹で時間が短くても芯が残ったりと食べにくく、それはそれで消化によくないため、茹で時間が守ることが栄養的にも消化的にもベストなんだそうです。

★麺類単品ではなく…★
また、麺類単品ではなく、野菜やタンパク質もプラスすることが大切になります。
夏の麺類弁当によくある「冷やし中華」
中華麺よりもうどんのほうが油分が少なく消化に時間がかかりません。中華麺からうどんにチェンジすることもできますよね。
そして、冷やし中華などの麺類はトッピングに卵やサラダチキン、ハムなどタンパク質を組み合わせやすいと思います。
トッピング野菜では、キュウリは汗で失われたカリウムの補給もできます。ブロッコリースプラウトはビタミンを多く含んでいます。トマトはリコピンを含み抗酸化作用があります。

焼きそばも、野菜とタンパク質を同時にうまく摂取できるメニューです。
炒めるときに油は控えめにします。野菜を多めに入れ、お肉でタンパク質も補給できます。
我が家では、麺を少なめにしジャガイモなど消化のいい炭水化物を使用することでエネルギー量を下げることなく消化にも優しい「ジャガイモ焼きそば」が定番です。
少しの工夫で、麺類でも消化に負担をかけず、必要な栄養素を摂取することが可能なことが、今回、私自身もわかりました。

VOl.12

アスリート栄養学インストラクターとして、ヤングで栄養のお話をさせていただくようになってから3年目になりました。
昨年から始めた「野球飯」も今回でちょうど1年の12回目のチャプターです。
この野球飯は、ヤングの相談役である小川さんから、「栄養だけでなく、睡眠も大切で密接に関わっている」と1冊の本を頂き、睡眠に必要なトリプトファンを含む食事を考えたことがきっかけでした。(チャプタ-②に睡眠と食事についてお話しています)
私自身も、年に一度の2時間の栄養の講義だけでは継続性がなく、その季節や状況にあった情報提供がもっとできればいいと考えていたところでした。
そんな、記念すべき12回目の野球飯は相談役の小川さんから「疲労回復にお酢がいいと聞いているが、なかなか食せません。男子が食せるお酢を紹介してください」と頂きました。
今回は、疲労回復にいいとよく聞く「お酢」について調べてみましょう。
★いろいろな種類があるお酢★

「お酢」といってもたくさん種類がありますよね。その中でも大きく分けると、表のようになり、それぞれに成分や味、調理方法に特徴があります。
穀物酢は、その名の通りお米や小麦など穀物を成分に作られるお酢です。酢の物や酢豚など、家庭での一般の調理によく使用します。
米酢はお米が原料です。お米が原料だけに、酢飯や和風の味付けに適しています。
黒酢は、米酢の一種で、瓶で自然発酵させたものをいいます。糖とアミノ酸の反応により、黒っぽい色になります。
黒酢は最近、健康志向の方が多く取り入れていますね。カプセルになっていたりとサプリメントとしても多くみられます。また、黒酢●●という料理名になるほど、黒酢を使用していることをアピールする料理も最近よく目にしますね。
ワインビネガーブドウ果汁をアルコール発酵させた後に酢酸菌で発酵させたものです。我が家ではポテトサラダに入れるとさわやか風味が加わり、隠し味などに使用しています。(マヨネーズ使用量の減少になり、コレステロールとカロリーカットもできますよ)
バルサミコ酢は、ワインビネガー同様、ぶどうを原料としています。バルサミコ酢は濃縮した果汁を木樽で長期熟成させたものです。フレッシュチーズにオリーブオイルと一緒にかけて食べると至福の食べ物になります(☚私の意見です 笑)
リンゴ酢などの果実酢は最近たくさんの種類が出ています。商品名で挙げると、「美酢」シリーズなどはママさんの認知度は高いのではないでしょうか。
このように、いろいろな種類のあるお酢。体の中ではどのような働きをするのでしょうか?
★体内での消化・吸収と疲労回復・ダイエット効果の関連★

理科の時間で「クエン酸回路」を聞いたことを覚えていますか?
食物が体内に入り消化され分解され、エネルギーを作るときに、クエン酸回路が働きます。この回路を効果的に稼働するにはクエン酸が必要になります。
ここで、クエン酸の量が十分に体内にあると回路は効率的に回り、栄養素をエネルギーに変えてくれます。酢がダイエット効果があるというのは、このクエン酸回路をしっかりと効率的に回し、エネルギーを作るときに多くの糖分を使用するからです。
逆に、体内のクエン酸の量が不足すると、クエン酸回路が十分に回らず、疲労の原因になる乳酸が作られ、疲労回復が得られなくなります。そして、破壊された筋肉の補修もスムーズにいかなくなります。
また、糖質や脂質が分解不足になり、エネルギーが作られなくなります。そうなると、分解されなかった糖質は脂肪に変わるために、肥満や生活習慣病の原因につながります。
クエン酸を十分に補給することで、疲労回復やエネルギー生産の促進、生活習慣病の予防ができます。酢がダイエット効果や疲労回復効果があるといわれるのはこのクエン酸回路に必要だからです。
★酢とクエン酸、実は違うがクエン酸回路では同じ役割★
今回、私自身も驚いたことですが・・・
酢=クエン酸と思っていましたが、そもそもクエン酸=酢=酢酸ではありません。酢とは全く別の物質で製造方法もちがいます。
酢は上記にあげたように各素材を発酵させてできたものです。発酵させる際に酢の独特の酸っぱさや酸味ができます。
では、クエン酸は何からできているのでしょうか??
クエン酸はデンプンに黒麹を植えつけて発酵させたものです。なので、クエン酸は本来は粉末で酸っぱさも味もほぼないのです。
そして、酢酸もクエン酸もクエン酸回路では回路を回す同じ役割を担います。
★なので、酸っぱさが苦手なら・・★
ここまでのお話で、要はクエン酸回路を十分に回せば、エネルギーが作られ疲労回復効果が得られることがわかりました。
一日の必要量は、酢=15㎖(大さじ1杯)、クエン酸=3000㎎/運動時=5000㎎と言われ、レモン半分が1日の摂取量になります。
なので、酢は料理に取り入れやすいので摂取しやすいですよね。クエン酸は、スポーツドリンクやゼリー飲料に多く含まれています。

どうしても酢の酸っぱさや酸味が苦手ならば、クエン酸やアミノ酸を多く含んだスポーツドリンクやゼリー飲料を摂取するのも一つの手です。
ただ、私の印象ではなぜかクエン酸が多く含まれている清涼飲料水は炭酸のものが多い印象があります。練習や試合中に炭酸を飲むと大変だと思うので、練習後に飲むことをお勧めします。
★酢は日常的に気軽に摂取できる★
クエン酸よりも酢酸を含む酢のほうが、日常的に料理に使用したり飲用したりと継続し摂取することが簡単にできると思います。
酢を使った料理は中国料理に多くあります。中国料理の甘酢を使った、酢豚ら天津飯は男性や選手も好きなメニューではないでしょうか。
また、ポン酢も酢酸を多く含んでいます。今の季節は、豆腐や野菜にドレッシング代わりに使うこともできます。(ただ、我が家の男性陣は完全にポン酢は苦手ですが・・・)

我が家の男性陣大好きな「酢豚」は豚肉はビタミンB群を含み疲労回復効果があります。野菜もたくさん一緒に摂取できるのでおすすめですね。夏場は消化吸収力が低下するので、野菜は素揚げせずにそのまま炒めて作ると、胃もたれ感が少なくなります。
「天津飯」も、男性や選手が好きなメニューではないでしょうか。たんぱく質を多く含む卵も一緒に摂取できます。また、具材にビタミンの吸収を促進する硫化アリルを多く含むニラを入れてスタミナUPも狙えます。また、野菜の種類にこだわらず、細切りにし、卵に混ぜることで野菜も多く摂取でき、食欲がないときでもご飯と一緒にかき込める頼もしいメニューです。

自宅でも甘酢は簡単に作れるので野菜を細切りに甘酢あんにたっぷりと入れて、たんぱく質を多く含む、魚や豆腐にかけたりとアレンジが利きます。
我が家での人気の酢メニュー「手巻き寿司」など酢飯です。お寿司や手巻き寿司、お稲荷さんはご飯はもたんぱく質を多く含む魚や卵を一緒に摂取できます。また、アレンジ次第でいろいろな野菜やたんぱく質を組み合わせることができます。
★お手軽、酢が入っている食品★

調理がなかなかできない時は、モズクなどすぐに食べられるおかずもあります。最近は、黒酢入りの納豆など健康ブームに乗っていろいろな食品があります。
まさかの、駄菓子の「よっちゃんイカ」。この中にも醸造酢が成分表の中でいかの次に醸造酢が多く含まれています。試合中はおすすめしませんが、息抜きのおやつには使えそうですね。
★最近は飲みやすい酢もたくさん★

スーパーやコンビニでも最近は、すでに飲みやすくパウチになっている商品も多く販売されています。
ちなみに私のお気に入りの「美酢」。いろいろなフルーツの味の酢で炭酸水や三ツ矢サイダーで割って飲むと飲みやすくおいしいです。
最近はゼリーパウチタイプのものも発売され、小腹が空いたときにリフレッシュします。
★酢だけではなく、基本的な生活習慣も大切に★
毎回お伝えしますが、基本的な生活習慣も疲労回復には必須です。
しっかり食べる、睡眠を十分にとる、交感神経を緩め副交感神経優位の時間を作るなど、日々の規則正し生活リズムもとても重要になります。
また「野球飯:2」の急速疲労回復と合わせて、クエン酸回路も回る食事を心がけて夏をのり切りましょう。

猪谷 栄 アスリート栄養学インストラクター・看護師
高校2年生と中学2年生の野球息子のママです。 まったく、興味のなかった野球でしたが、息子の応援から始まり「栄養や生活習慣で野球息子をサポートしたい!」という思いが高じて資格を取りました。 栄養や日々の生活での気になることを一緒に考えていきましょう。