9月 27

野球飯(監修:猪谷 栄さん)

「運動をして汗をかいた時には、お茶よりもスポーツドリンクを飲んだほうがいい!」と言われています。お店にはたくさんの種類のスポーツドリンクがありますよね。皆さんは何を基準に選びますか?私も、コストパフォーマンスがよいもの・子供の好きな味・成分表をみて買う!はかなりのハイレベルです。

ここ数年、地球の温暖化で夏は猛暑が続き、秋になっても気温の高い日が続きます。熱中症予防、パフォーマンスの向上、効果的な水分と栄養吸収を考えてみましょう。

★まずは、体の組成★
体内の水分量は60%が水分です。「喉が渇いたな」と思ったら、すでに20%の水分が失われていると言われます。汗は99%が水分ですが、ナトリウム、カルシム、マグネシウム、電解質も含まれます。そのため、体液に近い組成のドリンクを補給することがよいのです。

★うまく補給できないと、熱中症や足がつることにつながる★

汗をかくと、水やお茶では水分は補給できても、ミネラルは補給できません。そのため、脱水症状が続き、熱中症を引き起こします。熱中症の症状は失われた水分量で、症状や重症度も違ってきます。

水分喪失率 症状
1% 大量の発汗・のどの渇き
2% 強いのどの渇き・ぼんやりする・めまい・吐き気・尿量減少
3% 汗が出なくなる  ☚deadライン
4% 全身脱力・動きの鈍り・感情の不安定・イライラ・吐き気・眠気
6% 手指の震え・ふらつき・頭痛・体温上昇・
8% 幻覚・呼吸困難・めまい・言語不明瞭・精神錯乱
11~12% 筋痙攣・失神・腎機能不全・平衡感覚異常
15~17% 飲み込み困難・目の前が暗くなる・聴力低下
18% 尿の生成中止
20% 生命器機・死亡

水分喪失3%:汗が出なくなる  ここがdeadラインです。

★効果的に吸収される組成★

「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」には、以下が奨励されています。
①5~15度にひやした水で
②飲みやすい組成で
③胃にたまりにくい組成で

★アイソトニック・ハイポトニックと経口補水液★

スポーツドリンクには,アイソトニックとハイポトニックの2種類あります。それに加えて、脱水補正の経口補水液があります。

★アイソトニック★

アイソトニック=低張液
安静時の体液と同じ濃度や浸透圧で作られています。
体液に近い浸透圧のため、バランスよく吸収されます。
しかし、発汗によって体液が薄くなると吸収速度がおちるため、運動前や後に飲むことが効果的です。
塩分:0.1~0.2%
糖質:4~6%
商品名:アクエリアス・ポカリスエット・ダカラ

足がつる選手は、アイソトニックでミネラル・アミノ酸・ビタミン入りのものを選択するとよいでしょう。

★ハイポトニック★

ハイポトニック=低張液
安静時の体液よりも低い浸透圧の飲料をさします。
塩分:0.1%
糖質:2%
どちらかといえば、経口補水液に近い濃度の飲料です。
発汗で体液が薄くなっているときは、腸管で早く吸収されるため、運動中や運動直後の水分補給に向いています。
糖分が少ないので、エネルギーが必要なときはアイソトニックと併用がお勧めです。
商品名:ヴァームウォーター・アミノバイタル

★経口補水液★

経口補水液とは、塩分が0.3%程度と高めで糖質が2%と低めのものです。
多量の発汗でのどの渇きを感じ、水分喪失が1%となる脱水状態になったときに有効です。
塩分:0.3%
糖質:2%前後
商品名:OS1・アクアソリタ

今回は、スポーツドリンクの組成と効果的な飲用をお伝えしました。まだまだ、暑い日が続きます。効果的にスポーツドリンクを活用し、最大減のパフォーマンスにつなげましょう。
 
野球レシピ:待たせない&お手軽で栄養補給焼きそば
練習や試合から帰ると、疲れてなにもしたくなくなりますね。疲れたからこそ、失われたエネルギーや筋肉、疲労の回復にこそ、おいしいごはん!焼きそばは、フライパン一つできるラクチンメニューです。いつもの焼きそばに+αで、一気に練習後のスペシャルメニューになります。

いつもの焼きそばに….
糖質:失われたエネルギー補給に必須
  POINT:ジャガイモを入れるとボリュームUPで糖質も補給
      ソバ飯としてご飯を入れても、無理なく糖質増量摂取ができます
タンパク質:破壊&疲労した筋肉補修
  POINT:目玉焼きやソーセージを+αで簡単に増量できます。 
      チビッ子が大好きなチーズをかけてもタンパク補給になります。
ビタミン:疲労回復とタンパク質吸収に必須
  POINT:豚肉に含まれるvitBは疲労回復に有名ですよね。
      冷蔵庫にある野菜をなんでも入れて野菜も摂取
ホットプレートで、家族で今日の振り返りを楽しく食事中にするのも会話が増え、食欲増進と心の安らぎも得られますね。

アスリート栄養学インストラクター・看護師

高校1年生と中学1年生の野球息子のママです。まったく、興味のなかった野球でしたが、息子の応援から始まり「栄養や生活習慣で野球息子をサポートしたい!」という思いが高じて資格を取りました。栄養や日々の生活での気になることを一緒に考えていきましょう。