7月 07

野球飯18(監修:猪谷栄様)

梅雨に入り、軒並み30度を超える暑い日が続くようになりました。
練習でも気温が高くなると、疲労がたまり食欲も低下し、バテ気味になりがちです。
練習中は熱中症に注意し、十分な水分補給と適度に休息が必要になります。
また、帰宅後は室内を冷えすぎない程度にし、しっかりと食べて十分に睡眠を取って乗り切りましょう。
そんなときの強い味方の一つに「たまご」があります。
昔から卵は「完全栄養食」と言われる無敵の食品です。
そのうえ、調理も簡単でどのような食材にも合いますよね。
逆に、アレルギーを持つ人にはなかなか手ごわい食材にもなりえます。
今回は、身近な完全栄養食品「たまご」についてみてみましょう。
★アミノ酸スコア100★
卵が完全栄養食といわれる所以は、ほとんどの栄養素が卵1個に入っているからです。
完全栄養食は、人が健康を維持するために必要な栄養素をバランスよく含んでいる食品のことをいいます。
そして、アミノ酸スコアとは体内で合成することのできない9種類の必須アミノ酸が、体の必要量に対しどのくらい含まれているのかを0~100で示したスコアのことをさします。
卵はアミノ酸スコア=100と体内でつくることのできない必須アミノ酸を満点で含んでいる点からも完全栄養食品といわれています。

たまごと同様に、アミノ酸スコア=100の食品は、表を参照してもらえばわかるように、いつもの野球飯でもお伝えしているたんぱく質を多く含み、積極的に摂取したい食品たちです。
★たまごの成分と栄養素★

卵には、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素はすべて入っています。逆に、卵を食べるときにビタミンCと食物繊維を多く含む食品と一緒に食べると完全無敵ののパーフェクト食になるということです。
では、卵の栄養素を見てみましょう。
*たんぱく質*
卵=たんぱく質というイメージが強いと思います。ボディビルダーがブロッコリー・鶏ささみ・ゆで卵の食事を好むことなどからタンパク質が豊富というイメージがあると思います。
エネルギーはサイズによってもやや違いはありますが、おおむね80Kcalです
*コレステロール*
「卵は一日に一個まで、それ以上はコレステロールが高値になるので食べない方がいい」といわれていたころもありました。
コレステロールは体に悪いというイメージがありますが、細胞膜を作ったり血管を強くする、免疫力を高める効果もあります。
最近の研究では毎日卵を3個づつ摂取し悪玉コレステロールが上昇したひとは35%、残りの65%はコレステロール値に変化がなかったと報告されています。
逆に善玉コレステロールが上昇した人は44%という結果が出ています。
このことから、卵は成長期であるジュニアは積極的に取り入れたい食材で3個ほど毎日食べても問題ないことになります。
★ベストな調理方法は??★
たまごは、生でも半熟でもしっかり火を通してもどの食べ方でもおいしく食べられる食品です。
加熱時間によって、栄養価が変わります。
*生卵*
生卵に一番の利点はビタミン、特にビタミンB群が効果的に摂取できます。
昔、ロッキーが生卵を飲んでいたり、オロナミンCに生卵を入れるなどがありましたよね。これは、ビタミンB群を摂取することで疲労回復や元気をチャージできるということに繋がっています。
暑い日は、卵かけご飯など生卵を摂取すると疲労回復、元気チャージです。

*半熟卵*
半熟卵は、消化吸収の面では一番効果的で体に負担をかけずに栄養素を摂取することができます。
半熟卵と固ゆで卵の消化時間は約1時間ちがいます。栄養を体に負担が少なく素早く吸収したいときは半熟卵の接種をお勧めします。
*固ゆで卵*
固ゆで卵での摂取はビタミンHの ビオチンが多くなります。これは、育毛効果があります。
このように、卵は生卵か半熟卵での摂取がビタミン成分を壊すことなく消化にも負担が少ない食べ方になります。
逆に腹持ちをよくしたい、ママさんにはダイエット時や育毛を期待したい方にはは固ゆで卵がおすすめになります。
★卵+αのベストは???★
先にお話ししたように、卵に唯一含まれない栄養素が食物繊維と ビタミンCです。
卵を食べるときは食物繊維とビタミンCを一緒に取ることで完全無敵になります。

ビタミンCを多く含む、玉ねぎやトマト、ニンジンなどを一緒に調理すると食物繊維もあり完全無敵になります。
また、いつもお伝えする練習後の糖質+たんぱく質+ビタミン摂取の食事に生卵や半熟卵を追加することでさらに元気チャージにつながりますね。
★結論は、いつもの食事にプラス卵料理★
ここまで、卵の栄養素や調理方法などを見てきました。
結論は、やっぱりいつもの野球飯でお伝えしている、糖質+たんぱく質+ビタミン摂取に卵を追加することがベストになると思います。
卵は調理方法も簡単で取り入れやすいと思います。
これからさらに暑くなり、試合も本格的になってきます。卵をいつもの野球飯に取り入れて、効果的に元気チャージをしましょう。

猪谷 栄
アスリート栄養学インストラクター・看護師
高校3年生と中学3年生の野球息子のママです。
まったく、興味のなかった野球でしたが、息子の応援から始まり「栄養や生活習慣で野球息子をサポートしたい!」という思いが高じて資格を取りました。
栄養や日々の生活での気になることを一緒に考えていきましょう。