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人生の最後

近年、食生活や医学の進歩で

平均寿命は年々伸び続けています。

最近のテレビ番組も

健康に関する内容が多いですね。

健康で長生きもいいですが、

いつか必ず訪れる

人生最期の日について

考えたことがありますか?

そしてあなたは

その日をどんな風に迎えたいと思いますか?

 

人は生まれた時から

死に向かっている…

そんな見方も出来ますね。

どんなに健康な人も

どんなに偉い人も

どんなにお金持ちでも

必ず死は訪れます。

これほど

確実な事実はありません。

どうせなら、ジタバタせず穏やかに

最期の日を迎えたいものです。

 

「どう死ぬか…」は、

「どう生きるか」に繋がります。

形ではなくて

ようは、心の問題ですね。

私の父は、そんな生き方(死に方)を

見せてくれました。

 

【自然死という選択】

父が83歳の時、悪性リンパ腫が発覚。

検査入院を宣告された日に、潔く即決。

医療における治療を一切しない

「自然死」を選びました。

正直、周りの私達は驚きと戸惑いがありました。

高齢でしたが、とても元気でしたし、

認知症の母より先に逝くことは

望んでいないと思ったからです。

 

父曰く、

手術をしても、完治すると限らない。

痛い目に合うのも

入院してまずい飯を食べるのも

もう御免だ!

今まで通り、好きなものを食べて

妻のそばで過ごしたい…。

(病院では大好きなステーキが食べれない)

 

【生前の後始末】

父はその2年前、胆のう炎を手術。

数回の入院で認知症になりかけ、

病院生活に懲りていたようです。

そして、そのことがあってから

ようやく自分の死について

真剣に考えるようになったのです。

 

以前は「縁起でもない」と

死について話題にすることすら

タブーでした。

そんな父が

自分の葬式の準備に取り掛か

遺言の作成。

家族葬の場所決め。

お寺さんに挨拶。

葬儀の参列者の名簿作り。

香典は一切もらわず

新聞にも載せないこと。

年金手続きなども

私が困らないよう

こと細かにノートに書いてまとめてくれました。

(念のため、ボイスレコーダーにも録音)

 

生前に出来ることすべて終えると

父は見違えるように元気になりました。

 

それからは

思い出の場所を尋ねたり

温泉巡りもしました。

紅葉の称名滝も自力で歩いて

体力に自信がついて来ました。

自炊も自転車も再開した矢先…のことでした。

悪性リンパ腫発覚。

 

「自然死」を望み

約半年後に天国へ旅経ちました。

4月1日。

その日は例年より早く桜が咲きました。

私は父を車椅子に乗せて

近くの桜の木の下へ。

偶然なのですが

人生最期となる花見が出来ました。

私がひげや鼻毛を剃って

スッキリ男前にしてあげられました。

 

それから数時間後…

父は静かに息を引き取りました。

 

父らしい、潔く、穏やかな最後でした。

 

パパ、最後の親孝行に

鼻毛とひげを手入れさせてくれて

本当にありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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